2017年12月20日

サバイブ(SURVIVE)

本日は麻生 羽呂氏、篠原 かをり氏の
サバイブ(SURVIVE)
です。
サバイブ(SURVIVE)――強くなければ、生き残れない

本書は異色のビジネス書です。
自然界の生物がどうやって優位性を作って、
生き残っているかを学び、
競争優位性の本質に迫ります。

例えば、シャチのように賢くて、強い、
というのはとてもわかりやすい優位性です。

しかし、そうでない優位性もあるのです。
例えば、そもそも争わない(仲良くする)、
他の生物が生息できない環境に適合する、
捕食されないために、自分をとにかく不味くする、
といった切り口があります。

生物の目的は遺伝子を残すこと、
すなわち生き残ることです。

これは人間を含め、生物には共通しますが、
その手段があまりに多彩なことに驚きます。

特に、一見弱いものには、
学ぶことが多いのではないでしょうか。


個人的には
得体の知れないものには、不思議な魅力がある、
という箇所が心に残りました。


経営戦略を考える方にお勧めです。
「異なる業界から学べ」はよく言われることですが、
まさにそのヒントが詰まっている一冊でしょう。




強さの尺度は一つではない。


シャチは地域や集団ごとに独自の狩猟方法を持っており、
体当たりという狩猟方法も、たまたまサメに衝突して、
そのまま動かなくなったことに気づいたシャチが
仲間に教えたのではないかと研究者は推測している。


シャチは30歳過ぎまで子どもを産み、
その後の数十年は家族の世話をしたり、
それまで培ってきた知識や技能を若い世代に伝えるなど、
群れの指導者としての役割を持つ。
そうした年長のメスがいることによって
群れの若い個体の生存率は飛躍的に上がると言われている。


シャチはその賢さゆえ、獲物をとりすぎることをしない。
必要な分だけを狩り、その生態系を維持しているのだ。


現在までに、人類が発見して命名した動植物は約125万種。
諸説あるが、もっとも有力であると言われている
「地球上の全生物の種類」は、870万種とされている。
このデータによれば、陸の生物の約86%、
海の生物の約91%が未発見なのだ。


ボノボはおおらかであり、力の問題を性で解決する。
一方、チンパンジーは性の問題を力で解決する
と言われるように、残酷な一面も持つ。


野性動物の多くは、かまわれるのを嫌う。
スローロリスのように、
動物園や家庭でペットとして飼育された場合、
ストレスで体調を崩してしまうことが多々ある。
しかし、ウォンバットは逆だ。
「人にかまわれなかったことで体調を崩した」
という珍しい事例のある動物である。


その昔、オーストラリアで砂漠化が進んだ時、
乾燥に強く、毒性を持つユーカリが生まれた。
コアラの祖先は、他に誰も食べないユーカリをエサとすることで、
生き残ることに成功したのだ。


コアラが食べているユーカリは栄養分に乏しい。
そのため、脳にまわせるエネルギーは限られており、
脳が進化していないのだ。


そもそも、コアラが属する「有袋類」というグループは
哺乳類の中でもっとも原始的な仲間だ。
言い換えれば、彼らは「ほとんど進化していない」と言える。


居心地の良い場所に安住せず、
あえて過酷な環境を選べることもまた、強き道である。


得体の知れないものには、不思議な魅力がある、ということだ。
「底が知れない」ことも、強さの形の一つなのかもしれない。


我々人間が属するホモ・サピエンスも、
実は絶滅したネアンデルタール人の遺伝子を
わずかに引き継いでいる。


野生の環境でライオンとトラが出会った場合は
敵対すると考えられているが、
そもそも生息地がかぶっていない。
仮に戦った場合は、トラが勝つと予想されている。


一見無防備はウミウシの特徴は、「とにかくまずい」ことだ。
食べ物からまずい成分を体内にとりこみ、
味の悪さを極めたのである。


「ウサギは寂しいと死ぬ」という有名な都市伝説も、
ウサギを一匹で飼うと交尾ができないストレスで
死ぬと考えられたことから言われはじめた、という説もある。
それほど性欲旺盛なのだ。


イルカショーに使われるイルカは、ほとんどメスである。
なぜなら、オスのイルカは性欲が強すぎて、
トレーナーが指示を出してもメスの後ばかりを
追いかけてしまうからだ。


オスとメスが同じ大きさだった場合、
チョウチンアンコウ同士でエサの奪い合いが起き、
子孫を残す可能性が低くなってしまう。
そのため、オスは体を小さくしてメスにエサを譲り、
養ってもらう生き方を選んだのだ。


カンガルーネズミは水を節約することに成功し、
一生に一回も、水を飲まなくても生きられる。








engineer_takafumi at 23:32│Comments(0)★一般書の書評 | ⇒ その他の本

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