2018年01月07日

人工知能

本日はDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部の
人工知能
です。
人工知能―――機械といかに向き合うか (Harvard Business Review)

本書はハーバードビジネスレビューで大好評であり、
現在は品切れで入手できないという
人工知能特集号の論文をまとめて書籍化したものです。

人工知能の本は多数存在していますが、
AIの権威達による論文がこれだけまとめて読める
という機会はそれほど多くはないでしょう。

それも、テクノロジーのエキスパートから、
ビジネスのエキスパートまで多彩な専門家達ですので、
様々な視点でAIを考察することができます。

あたらめて感じたことが、
人工知能は人間の知能と対となるべきことなので、
人工知能が何の役に立つかという問いに答えるためには、
人間の知能がどのようなものか、何ができるのかを
深く理解しておかなければならないのです。

本書を読めば、人工知能は人間と比較して何が優位なのか、
そして、人間に追いつけないのはどのような分野なのか
ということが見えてくると思います。
それは単純に、感情やクリエイティビティといった言葉で
一言で表現できるものではありません。


個人的には、
「グーグルは組織をデータで変える」
という章が大変興味深かったです。


特に人工知能と人間の関係について、
考察したい人にお勧めの一冊です。
人工知能の可能性が浮き彫りになることでしょう。




グーグルでは規模が大きくなるにつれて、
それまでは不要だと考えていたマネージャーの価値に
気づき始めます。


コンピュータで置き換えることにできない作業は、
一般にコンピュータで補完することができる。


人間にも見えていない特徴(共通項)を機械が発見し、
それが活用される日はそれほど遠くないだろう。


AIと人間の棲み分け
1,AIには意思がない
2,AIは人間のように知覚できない
3,AIは事例が少ないと対応できない
4,AIは問いを生み出せない
5,AIは枠組みのデザインができない
6,AIにはヒラメキがない
7,AIは常識的判断ができない
8,AIには人を動かす力、リーダーシップがない


同じ状況にあってもどのような状況を目指すか
というのが人それぞれであるように、
経営者、責任者が変われば会社や事業の性格が変わる。
ゴール設定は人間の意志が生み出す重要な機能として残る。


マシンに機械学習を搭載したからといって、
自我や意思が自発的に生まれることは当面考えられない。


AIは我々が日々普通に行っている
問題提起、課題設定ができないのだ。
問題の投げ込み、解くべき課題(イシュー)の明確化、
その先の入り組んだイシューや事象の切り分け、
構造化は人間の仕事として残る


AIが事業に与える五つの影響
1,一定規模以上の組織はすべてAI×データ的な取り込みが不可避になる
2,意思決定の質とスピードが上がる
3,状況把握から打ち手までが一つのループになる
4,集合知的なAIをつくれるかどうかのゲームになる
5,ヒューマンタッチがより重要になる


AIはマネジメントの概念を変革する
1,経営資源は「ヒト・モノ・カネ」から「ヒト・データ・キカイ」へ
2,目指す姿を設定し、正しい問いを投げかけることが業務の中心に
3,異常値対応が重要な責任に
4,AI化する系の全体をどう制御するかが大切に
5,ソフトなスキルがこれまで以上に重要に


正しい相手に対して、正しいタイミングで
正しい質問を投げかける力はコンピュータに当面、
あるいは永遠に期待できない。
目指す姿を定めることも同様だ。


人を奮い立たせる力も交渉する力も機械にはない。
仕事や会社がなくなるなどと心配している暇があれば、
さっさと自動化できるものは自動化して、
人間が人間らしい価値を提供することに
集中できるようにするべきだ。


ビッグデータは顧客の過去の行動に関する
手がかりは提供してくれるが、
大胆な変更に対してどのような反応があるかは
予測できないということである。


被験者は自分が実験に参加していることを知っていると、
意識的または無意識的に行動を変える傾向があり、
これはホーソン効果と呼ばれている。


我々が学ぶべきは、ビジネス実験が
オペレーションの改善に結び付くということだけではない。
企業はビジネス実験を後ろ盾に、
誤った常識やベテラン幹部にさえ見られる間違った直観を、
自身を持って覆すことができる。
そして、いままで以上に賢明な意思決定を下せば、
結果的に業績も向上する。


患者の診断であれ、政策の結果の予想であれ、
人間は常にアルゴリズムよりも人間自身が下す判断を好む。
それがみずからの判断なのか他人の判断なのかは問わない。
だが、その結果、まずい決定を下すことが多いのだ。


私たちは人間のミスよりも、アルゴリズムのミスを
責める傾向にあるらしい。それはなぜか。
ディトボルストによると、人間は、
自分たちの判断は改善できるが、
アルゴリズムの判断が改善されることはないと
誤解しているからだという。


作業が分析的なものだと見なすだけで、
アルゴリズムへの猜疑心を克服するのに役立つと考えている。


考える機械への信頼を促すもう一つの方法は、
ロボットをより人間に近づけることだ。


アイリスへの信頼が高かった理由は、人間が持つ擬人化傾向であった。
考える能力、感じる能力、意図を表現する能力など、
人間が持つ特徴や動機を人間以外に見出すことを擬人化という。
長期にわたる数々の研究から、機械に声、体、名前を与えると、
機械と働くことに安心感を与えることができると示されている。


考える機械に人間の特徴を加える時の問題の一つは、
機械の能力を過度に信頼しすぎるおそれがあることだ。


ロボットが優秀なチームメイトになった要因は、
ロボットに最も得意なことをやらせたからだったのである。


最優秀マネジャーに共通する「8つの行動」
1,優れたコーチである
2,チームを力づけ、こと細かく管理しない
3,チームメンバーの仕事上の成功と私的な幸福に関心を示し、心を配る
4,建設的で、結果を重視する
5,コミュニケーション能力が高く、人から情報を得るし、また情報を人に伝える
6,キャリア開発を支援する
7,チームのために明確なビジョンと戦略を持つ
8,チームに的確な助言をするための、主要な専門的スキルを持ち合わせている


エンジニアは、技術面で細かく管理されるのを毛嫌いします。
しかし、キャリア面では逐一管理されることを好むのです。


調査スコアは職場環境に対する社員の
満足度と意見を測定するものだが、
そうしたとらえどころのない要素が売上げや生産性、利益率といった
利益指標にどのような影響を与えているかを
正確に知ることはできない
(このような因果関係を証明することは、グーグルの有能な統計専門家ですら難しい)。






engineer_takafumi at 17:41│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ ビジネスその他

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