2018年01月27日

「欲しい」の本質

本日は大松孝弘 氏、波田浩之 氏の
「欲しい」の本質
です。
「欲しい」の本質〜人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方〜


「欲しい」の本質はインサイトです。
インサイトとは、「人を動かす隠れた真理」、

現代のような「だいたい、良いんじゃないですか?」
商品が氾濫している時代には、マーケティングは
インサイトを適切につかむことが要求されるのです。

本書の著者はインサイトマーケティング会社で
長年リサーチやマーケティング、プロモーションの
仕事をしてきました。

その著者らがインサイトの定義や見つけ方、
アイデアの出し方、業務プロセスの改善までを
説いた一冊です。

ちょっとカタカナ用語が多すぎで読みにくい、
と思うところもありましたが、
「欲しい」の本質を突いた良書だと思います。


個人的には、
人に買わない理由を聞くことには意味がない、
という部分が心に残りました。


特に消費財の製品開発、マーケティングを
担当している人にはお勧めの一冊です。
人の真の欲求を知るための、ヒントが得られるでしょう。




インサイトとは、「人を動かす隠れた真理」のことです。
これがわかれば、見えてこなかった
「欲しい」が理解できるようになります。


いま、消費者は
「だいたい、良いんじゃないですか?」の時代


「だいたい、良いんじゃないですか? 時代」の中では、
小さい差を競い合うのではなく、「隠れた欲求」に応える
「革新的変化=イノベーション」で
まったく新しいものを作り出すことが必要、ということです。


お客さまに「どんな商品が欲しいですか」と
アンケート調査をすると必ず
「低カロリー」とか「オーガニック」とか「ヘルシー」とか、
健康重視のメニューが挙がります。
どころが、4枚のパティが入ったメガマックを発売しても、
クォーターパウンダーを発売しても、
若い女性が平気でメガマックやダブルクォーターパウンダーを
食べているわけです。
お客さまのおっしゃることと、
実際の行動はまったく違うということです。


「健康」「ダイエット」という建前的な意識が覆い隠している、
「肉を食べる快感」という欲求を刺激する。
これが、「メガマック」や「クォーターパウンダー」の
成功の理由だったのです。


人間の行動には無意識の影響が大きい。
意識の世界で考えられているような、
「論理的に正しい行動」はしないと考えるのです。


「いちいち鍵を開けるのって本当は面倒だったんだ」
というインサイトです。
そういった面倒さを解消できるという
価値がある商品なのです。


「消費者は安くて良いものを選ぶ」という、
以前なら疑われることのなかった前提ですら
覆されているのです。


本来なら論理的でない、無意識の反応によって行動したことが、
あたかも論理的で自分も深く考えた結果として
行動したつもりになっているのです。


「会いに行けるアイドル」のように、
キーインサイトを充たすための「価値提案」を、
「バリュープロポジション」と呼びます。


人を動かさない心理はインサイトではありません。


単なるエモーション(感情)をインサイトと呼んではいけない。


インサイト4要素
要素1 [シーン(場面)]感情が生まれた場面。行動は状態を伴う
要素2 [ドライバー(源泉要因)]感情を生み出すもととなった、直接的な原因
要素3 [エモーション(感情)]気分や気持ち、情緒
要素4 [バックグラウンド(背景要因)]感情が価値(または、不満や未充足)である背景的な理由


インサイト4要素で説明すると、
「感情」がどのような心理状態なのかによって、
「価値」「不満」「未充足欲求」の、
どのインサイトになるかが決まります。


「キーインサイト」の要件
1,バリュープロポジションを産み出し、充たし充たされの関係が成立していること
2,「不満」または「未充足欲求」のエモーション(感情)と、他の要素の組み合わせで構成されていること
3,2の他の要素とは、シーン(場面)・ドライバー(源泉要因)・バックグラウンド(背景要因)のいずれかひとつ以上であること


価値・不満・未充足欲求のインサイトは、
このように「人を動かす」ことにつながります。
逆に、人を動かすことができない心理はインサイトとは呼べません。


エンジェルな欲望は、一見すると「善きもの」であり、
自分が信じることに抵抗がなく
人々の同意も得やすい傾向があります。
しかし、それを無自覚に受け容れると、
奥深くにあって見えづらいけれども実は欲している、
デビルな欲望を見落とす過ちを犯しかねません。


「買わない理由」を消費者自身は
明確に認識しているわけではありません。
無関心であることも珍しくありません。
その場合、質問しても「なんとなく」以上の答えが得られないのは、
当然のことなのです。


買わない理由を聞かずに、買わない理由を明らかにする


価値→不満→だから、買わない


本来知りたい対象からの「概念の抽象度」を上げれば、
「一人の男性として」「生活全般に対して」といったように、
非常に高い次元から見た時の心理も探れます。


ある商品が売れていない理由を知りたい時、
「買わない理由」を消費者に直接聞くのではなく、
「その人の興味や関心ごと」の価値を聞き、
その価値と比較することで
「買わない理由」を明らかにすることができる。


Googleの検索データは「Google Trends」から活用可能であり、
オポチュニティの発見に活かすことができます。


同時に検索されている単語が「関連キーワード」の
ランキングでわかります。
そこで、「糖質」と「パン」が
上位に上がっていることを手がかりに、
オポチュニティを明らかにしていく
といったことが考えられます。


インサイト探索で欠かせないポイントとなるのが、
「考えさせない」ということです。


質問するのでなく、あくまで観察によって
理解を得ようとすることに特徴があります。
この方法論がマーケティングリサーチにも
転用されることになりました。


直接ターゲットに聞かないという収集スタイルのほうが、
ターゲットに「考えさせない」ことになるので、
インサイトを抽出するという意味では理想的です。


「なぜそうするのか」と直接的に聞くのではなく、
「あなたにとって、そうすることはどのような意味があるのか」
といったことを確認するほうが重要です。


「そのようにしないとどんなマイナスがあるか」を
聞いていくのもよいでしょう。


インサイトの読み解き方
1,「離せ、戻せ」で考える
2,良いアイデアにつながるかどうかを意識する
3,生の素材から感じる違和感を大切にする
4,正しい、ではなく、面白い
5,「既存路線」ではない「新路線」に着目する
6,「組み合わせの妙」を見つける
7,隠していること、言えないことを意識する


整理されたりまとめられたりしたものには、
いわゆる「心の襞」のような、
生々しい心理状況が見えにくくなりがちです。
そこにヒントがあることも多いので、
分析者は「加工される前の素材」を
触ることをおすすめします。


普通に考えたら出てこない単語や、
ひっかかる言葉の組み合わせ、フレーズ、
あるいは文脈が語られているということですから、
それを逃さないようにします。


インサイトの間違いとして、「エモーション(感情)」
しか表現されていないことがよくあります。


【インサイトの対象】は、【シーン(場面)】な時、
【ドライバー(源泉要因)】が、
【エモーション(感情)】な気分にさせる。
それは、【バックグラウンド(背景要因)】だから。


「13文字以内の体言止め」でまとめる


ひとこと化の3視点― 「絞る」「ズラす」「喚起する」


ひとこと化12の法則
1,行動フォーカス
 見方を変えることで、常識になかった行動に新しい価値を見出す
2,理想プレゼン
 具体的な数字やイメージによって、理想をはっきりさせる
3,たとえて見立てて
 言いたいことを、別の言葉にたとえる。別のものに見立てる。
4,タイム&ロケーションシフト
 時間や場所との新たな結びつきを提案する
5,ズラす新鮮
 視点をズラす意外な組み合わせを作る
6,新種族発見
 新たな行動をしている生活者に名前をつける
7,他から拝借
 自分の外の領域にある価値を移植する
8,愛されネガ
 ネガティブなものから共通点を抽出する
9,言葉遊戯
 言葉遊びで笑いや親しみを生み出す
10,お手軽お気楽
 精神的なハードルを下げて行動を促す
11,正義の味方
 広く感じられている不満や課題を提起し共感を得る
12,五感表現
 擬音語など感覚に訴える表現を用いる


見たことのないものを、言葉だけで説明しようとしても、
相手の理解には限界があるのです。


人間を見に行く、言い換えると
「人間の興味や関心に寄り添う」ことで、
人が求めていることが何か、表には出てこないが
まだ充たされていないのは何なのか、
すなわち、どのようなオポチュニティがあるか、
を理解する手がかりが得られるのです。


まず「人間を見に行く」こと。
一度、自社の商品や市場から離れて、
「人間が求めているもの」を知る。
そして、その人間が求めていることを起点にして、
自分たちの商品やカテゴリーと比較すれば、
自分の商品やブランドに新たな価値を
創造することができる。






engineer_takafumi at 17:23│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ マーケティング・営業

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