2018年02月06日

VISUAL LANGUAGE―視覚言語へのデザインアプローチ

本日はピーター ボニッチ氏の
VISUAL LANGUAGE―視覚言語へのデザインアプローチ
です。
VISUAL LANGUAGE―視覚言語へのデザインアプローチ

デザインは私が興味を持っている分野で、
よく本を読みます。

しかし、結局、理系頭の私には、
ほとんど理解できないのですね。

たとえば、トンマナ(トーン&マナー)
という概念があって、
それが非常に大切なことはわかるのですが、
トンマナが何なのかは未だに理解できません。

恐らく、デザインが得意な人にとっては
あまりにも当然すぎて、言語化できないのでしょう。

そんな風に、興味があるけど理解できない、
とモヤモヤしていたところに知ったのが本書でした。

本書では、具体的なデザインがたくさん紹介され、
それを見る「視点」を提供してくれます。

言語化までには至りませんが、
デザイナーと呼ばれる人達は、こんな世界を見ていると、
おぼろげながらにつかむことができました。


個人的には本書の至るところで、
「正解はない」と繰り返されていたことが印象的でした。

論理のように、デザインには何らかの意図が存在し、
それが一意に定まるという考えがそもそも誤りだったようです。


私のようにデザインに興味があるけれども、
理解のきっかけがつかめない、という人にお勧めです。
豊富な具体例と、見る視点を提供してくれるので、
デザイナーの世界が少しは見えてくるでしょう。



ロゴの規則にがんじがらめになっている人は、
厳格な規則を破る方法として
ビジュアルランゲージに関心を持たなければならない。


すべての言語が言葉で書かれているとは限らない。


ボディランゲージは、
理性が退いたあとの心が読みとる言語である。


正解は存在しないということ、
ボディランゲージを使えば、言葉を使わずに
状況を説明できるということである。


人はほとんど無意識的に非言語的なメッセージを読み取り、
解釈し、その結果を信じる。


もっとも気をつけなければならないのは理性で考えたものと、
感覚が感じとったものとを混同することである。
「これは正しい行動たと思う」は理性的に考えた結果であり、
「美しいと思う」は感覚的な判断なのである。


こうした写真の選別過程で、クライアントは、次第に、
自分たちの判断が、理性的でなく、
感覚的なものであることに気づき、
自然と感覚的に選別するようになる。
他の人もこれに続き、全員が感覚的なモードに入ると、
選んだ写真に異を唱える人はほとんどいなくなる。


驚いたことに、ひげ飾りのあるセリフは、
一般的に、ひげ飾りのないサンセリフよりも、
人を悲しい気持ちにさせるという。


ここでは著者の意図を読みとろうとしないこと。
自分に都合のよい理屈づけをしないこと。
分析するのではなく、情緒的な効果に着目すること。


背景色の伝えるメッセージと位置が伝えるメッセージは、
お互いに強調し合ったり、反発し合ったりする。
両者が反発しないレイアウトを、収まりの好いレイアウトと言う。


企業は、独自のビジュアルアイデンティティを創造するために、
大金を投じ、長い時間をかける。
企業のロゴマークは、商品、シンボルマーク、広告、
営業用パンフレットなどに使われる。
しかし、ロゴのビジュアルボイスと一致する、
独自のビジュアルボイスを持ったデザインを創造しないと、
ロゴへの投資の意味はなくなってしまう。


ロゴと一致する見開きページのビジュアルボイスを選ぶときは、
テキストと写真の情報を無視すること。
こうした情報を無視しやすくするために、
天地を逆さにして印刷してある。


ロゴのビジュアルボイスと年次報告書のビジュアルボイスは、
必ずしも同じメッセージを伝えているとは限らない。
独自性は失われてしまうのだ。


ビジュアルボイスのような非言語的な言語は、
つねに感情を媒介としてメッセージが伝えられる、
ということを心に留めておくこと。


首尾一貫性を強めるには、
ボディランゲージや空間言語、声のトーンが、
ビジュアルランゲージと同じ感じを伝えているか否かを、
つねに自問しなければならない。


デザイナーは、決められたロゴやスタイルマニュアルを
安易に使った場合のデザイン効果を知っていなければならない。
多くのデザイナーは、いわば、法律の条文にとらわれ、
その精神を忘れてしまう。
彼らはたいてい、ビジュアル的な類似性の
実現ばかりに気をとらわれてしまう。
デザインの本来の目的が
ビジュアル的な一貫性にあることを忘れているのだ。


ビジュアルランゲージの重要性を理解せず、
スタイルの類似性に気をとられるあまり、
メッセージに一貫性がないことに気づかないのだ。


決め事に従えば類似性は実現できる。
しかし、問題はビジュアルボイスの一貫性である。
そこではバランス感覚が重要になる。


60年代までは、このグリッド(マイナーバリエーションも含む)が
ペンギン、ペリカンの両叢書で活躍した。
誰もが表紙のスタイルを見ただけでそれと分かった。
ブランドが質と結びつき、
読者は初めての著者やタイトルでも、
有る程度安心して買うことができた。


フォーマットを捨てることは、
ブランドアイデンティティ(ブランドイメージそのもの)を
捨てることでもある。


器用さ、魅力、軽薄さ、整然とした配置には、
見栄えの良さはあるが、不自然で、人へのおもねりがある。
一方、不器用さ、不快感、断片性、率直さには
作られた人為性という要素はあまり感じられない。


人を説得するには3通りの方法があることがよく知られている:
人を催眠状態にする(精神を眠らせる)、
人を洗脳する(精神を混乱させる)、
人を説得する(精神を覚醒させる)。
ビジュアルランゲージはこれらの成果を出すために使うことができる。
デザインは、人を懐かしい夢の世界への心地よく導くことも、
巧みに人を混乱に陥れることも、
心を開放することもできるのだ。


ここまで来ると「自分はそのデザインが好きか嫌いか?」
という問いかけが、
「そのデザインは我々についての真意を伝えているか?」
という問いかけにとって代わっているはずだ。
こうして真実味のあるアイデンティティが生まれるのである。







engineer_takafumi at 23:15│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ クリエイティブ

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