2018年03月30日

40歳からの「転職格差」

本日は黒田 真行 氏の
40歳からの「転職格差」
です。
40歳からの「転職格差」 まだ間に合う人、もう手遅れな人 (PHPビジネス新書)

本書はリクルートでリクナビNEXTの編集長を
8年間勤めたという著者による転職論です。

昔は転職市場は35歳まで、と言われていましたが、
私の周りを見ても、それを過ぎて転職していく人、
逆に入社してくる人も多い印象があります。

また、ビジネス雑誌などを読んでも、
転職35歳上限説はもはや存在しない、
などという記事も見かけます。

しかし、実情はどのようなものなのでしょう。

本書では転職市場の前線に立っていた著者が、
40歳を超えた人材の転職市場について語ります。

結果として、確かに市場は広がってはいるものの、
成功者と失敗者の格差が多く、
決して楽観できるものではありません。

本書には事例が多数紹介されていて、
40を超えた転職の失敗パターンを学ぶことができます。

著者は、転職に関しては、
心配しすぎて杞憂に終わるくらいの方が丁度良い、
と言います。
特に、40歳を超えての転職はリスクが大きいため
石橋を叩いて渡る、くらいの感覚が良いのでしょう。


個人的には、職務経歴書の書き方が
大変具体的、実践的で役に立つと感じました。


35を超えて転職を考えている人には
必読の一冊だと思います。
転ばぬ先の杖となってくれるでしょう。






転職マーケットの1%では、
確かに35歳限界説は過去のものになりましたが、
転職マーケットの99%では今も厳然と残っている、
というのが実情です。


転職がうまくいかない人は、
「自宅から1時間以内」というエリア条件や、
「年収は最低でも800万円以上」という収入条件、
「役職は課長以上」というポジション条件などに、
「今、このタイミングでこの条件が満たされないと対象外」
というくらい、厳格にこだわる傾向があります。


転職回数が多い人は、自分を売り込むことが上手な反面、
期待値をすり合わせることが苦手なケースが多く、
Cさんもまさにこのパターンでした。


大企業で長く働かれて、役職者としての期間も長く、
評価されることよりも人やサービスを
評価することに多くの時間を使ってきたため、
自己PRや売り込みが不慣れを通り越して
不向きになってしまっているという印象を強く受けました。


一般論としてではありますが、
企業はエグゼクティブやスペシャリスト以外の
40代や50代をもて余しがちです。


「こういう仕事がしたい」「こんな自分になりたい」
という目標がないと、
ただ過去を売るだけの人になってしまうということです。


「年収1200万円」や「部長」「室長」といった
テイクを先に求めてしまっているのです。
逆に、ギブを先に考えられる人は、
「まず自分を使ってみてくれ」と言い、
「成果が出たら年収を1200万円に」とか、
「結果次第で部長にしてほしい」と言います。


名刺の肩書にはこだわりません。
ただ、これこれを決める権限だけはください


使える費用は1000万円でかまいません。
ただし、使い方は私に任せてください


自分のモノサシがないと、
転職の成功を自分なりに定義していないと、
幸せな転職はできません。
そして、これらを考えていないから、
年収や役職、企業規模などの
表面的な条件に目を奪われてしまうのです。


田舎だから生活コストは安いだろうと思って行くと、
物流コストがかかっているために
逆に生活必需品の値段が高かったり、
競争がないため定価販売だったりと、
実は生活費が高くなることもあります。


総合商社から世界を股にかける仕事へ
中小の梯子を一段上ると、
同じような仕事はリクルートでもできる
と言えるようになるのです。
専門スキルも同様に、抽象の梯子を上って考えると、
汎用性が高まり、異業界や異職種でも使える
ポータブルスキルになります。


変化が激しく、その変化への対応が
日常的に求められるアパレルEC業界と、
変化対応が遅れている教育業界には、
大きな「業界格差」があるため、
アパレル業界ではあたり前のスキルが、
教育業界では貴重なスキルだったというわけです。


キャリアの棚卸しをするためには、
次の3つのことを思い出して書き出しておく必要があるのです。
1.「したこと」だけでなく「学んだこと」
2.「成果」だけでなく「プロセス」
3.「マネジメント実績」だけでなく「マネジメントの型」


担当者の中には、枚数の多い職務経歴書を見ただけで、
「情報を整理する能力がない人」と
評価・判断すると言っていた人もいました。


私の経験から言うと、
職務経歴書は2枚にするのがベストです。
どんなに書きたいことが多くても4枚まで。
それ以上は、プラス点よりもマイナス点のほうが
多くなると心得ておいてください。


職務経歴書を直近から過去へと
「逆時系列」に書く方法もあり、
このほうが採用担当者が知りたい
直近の職務内容から見られるので、
時系列よりおすすめです。


職務経歴書を書く際に心掛けるべきなのは、
メリハリをつけること。
メインとサブなど、何が主で、何が従なのかが
はっきりと分かるように書きます。


「何でもおっしゃっていただければやります」
というのは受け身の姿勢のため、
「指示をしないと何もやらないのか」
とマイナスの評価になります。


人事職へ転職したいのなら、人事での5年間の経験を
最初から1枚半を使って詳しく書きます。
そして、面接では、
「営業を長く経験し、経理も担当したからこそ、人事の仕事しかしていない人とは違った役割を人事という職場で担えます」
と強調すれば、自分のキャリアを人事担当者として
無駄なく活かせることを伝えられます。


「営業を担当したからこそ、営業をサポートする経理担当者になれる」
など、自分のキャリアをうまく組み合わせて
自分の強みにするのも非常に良い方法です。


職務経歴書なので職務以外のことは書いてはいけないと
思い込んでいる求職者がいますが、
採用担当者はそこにはこだわっていません。
「この人に会ってみたい」と思ってもらうことが需要で、
職務経歴書には何を書いてもいいのです。


話したいことがたくさんあっても、
しゃべり過ぎは逆効果。
いかに不要なことは話さず、重要なこと、
相手が知りたいことに絞って話すことができるかが
重要になります。
1つの質問に対する回答は、長くても3分以内。


企業の中には、転職者の受け入れ態勢をあまり整えずに、
いきなり現場に投入するような乱暴な企業もあります。
こうした企業は、人手不足の企業に多く、
具体的な配属先も決めずにとりあえず採用することもあります。


自分が約束した成果を出すためにも、
最初のミッションを確認し、
そのためには最低限必要な権限は何なのか、
それが本当に与えられるのか、
与えられるとしたらどこまでの権限が与えられるのかなど、
自分らしく楽しく仕事をするためにも確認しておきましょう。


多少低い年収からスタートする場合には、
この達成基準と評価基準を企業側と
きちんと決めておく(握っておく)ことが重要で、
ミッションを達成できた暁には
年収がいくらアップするのかまで
決めておければベストでしょう。


企業カルチャーは長い時間をかけて
つくられてきたものですから簡単には変わりません。
ですから、自分のほうがそれに合わせるしかないのです。


「社風を知って、その中で活躍できるかどうかを知りたい」
「すぐ活躍できるように、もう少し内部のリアルな情報を知りたい」ので、
「自分と同じくらいの年齢、経験の人と会わせてもらえませんか」
と採用担当者にお願いしてみるとよいでしょう。


会社のスピード感にもよりますが、
普通の会社なら最初の3ヶ月は、結果を出すことよりも、
「誰がキーマンなのか」
「誰を怒らせると仕事が進まなくなるのか」など、
人間関係や力関係を知るための期間だと
割り切っておいたほうがよいでしょう。


即戦力として期待されているからといきり立って
初日から全速力で飛ばすよりも、
まずは準備体操から始めるような余裕をもって
転職後の仕事を始めたほうが、
結果として早く成果が出るものなのです。


「人々を苦痛から解放してくれるような技術」
は実現しており、
そうではない単なる希望や夢の技術は実現していなかった


私個人としては、こと転職に関しては
やり直しがきかないということもあって、
楽観的に考えて失敗するよりも、
心配をしすぎて杞憂に終わったと
思っていただくくらいでちょうどいい、
と確信的に考えています。






engineer_takafumi at 21:56│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ ビジネスその他

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