2018年04月18日

おカネの教室

本日は高井浩章 氏の
おカネの教室
です。
おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 (しごとのわ)

新聞記者である著者が、
自分の子どもにお金のことを教えるために
書いた読み物が、Kindle化されて大評判を得ます。
それが、紙の本になったのが本書です。

ということで本書は金融・経済系学園ドラマという
とても読みやすいスタイルとなっています。

パチンコ屋やローン会社の経営者の娘である女子中学生、
消防士の息子のごく普通の男子中学生、
投資銀行で莫大な給料を得ながら過去に後悔する講師と、
個性の強い3人が物語を進めます。

特に女子中学生の背景がよくできていて、
物語そのものも楽しめると思います。

楽しみながらも、借金や投資、銀行の意義といった
お金の本質に関わる話を短く、わかり易い言葉で語り、
読者のお金に対する理解を深めてくれます。

本当に良い本は中学生レベルで理解できるものだ、
という格言を地で行っている本だと感じました。


個人的には、信用創造の説明の箇所が
特に参考になりました。
銀行の役割の重要性を再認識することができました。


お金の勉強をしたい人、
また子どもにお金の勉強をさせたい人に
おすすめの一冊です。
本質をこれだけ短く、読みやすく書いている本は
そうないと思われます。





サラリーマンは勤め先選びがすべてと言ってもいい。
世界一の投資家と言われるバフェットというおじさんが
こんなことを言っています。
『やる価値のないことなら、うまくやる価値もない』。
ダメな会社の中でいくらがんばっても、
世の中の役には立たないってわけです


ATMを最後に、銀行の発明したものは
人類に貢献していない


素人は玄人を一段下に見つつ、同時に畏れる。
下に見るのは、まともな商売じゃないからです。
いくらもうけたって、それはダーティー・マネーです。
そして素人が玄人を畏れるのは、彼らが人間の本性に根ざす、
破壊力のある生業に就いているからです


両者の本質的な違いは経済にプラスかマイナスか
といった物差しではなく、合意の有無です。
そして、世の中には『かせぐ』人、『もらう』人、『ぬすむ』人に
大別できるというのがワタクシの考えです。


生活保護のもとは税金だろうから、
税金をたくさん払っている人が「かせぐ」。
生活保護を受ける人は「もらう」。
不正受給が「ぬすむ」。


政治家やお役人が清廉潔白ならハッピーでしょうが、
まずそんなことはない。
権限が集中すれば必ず腐敗が生じる。
人間なんてそんなもんです。


10円を笑う者は10円に泣くんです。
お金の貸し借りには独特の緊張関係があります。
たとえ10円、100円でも、です。
友人同士のお金の貸し借りを戒める金言や警句が多いのは、
友情を揺るがす破壊力が借金にあるからです


あと出しジャンケンがアリの世界では、
ルールを守って商売していても安心できない。
過払い金で日本がやったのは、まさにこれでした


借り手と貸し手が、
それぞれ冷静に条件を決められる状態でなければ、
人にお金を貸してお金を『ふやす』ことを
フツーに入れるべきではない


高利貸しの場合、借り手はまともな判断力を失っています。
これではまともな市場が成り立たない。
貸し手は略奪的な金利を要求できる


両サイドにあるのは極論すれば自分の利益に対する欲だけです。
なのに、ちゃんと良い会社に、しかるべきお金が流れ込む。
まるで神様が天上から操ったように、
ベストの結果が市場を通じてなし遂げられる。


知識と情報の裏付けのある直感は恐ろしく正確です。
7割から9割は正解を導き出すとも言われます。
準備不足の直感はただの思いつきですけどね


この不等式はほとんど、
投資は『かせぐ』に値する、という
先ほどの我々の結論を言い直したものです


何より働いている人たちがいる。
ローンの会社も同じです。
事業を大きくするということは、
いろいろな人たちの人生を背負い込むということなのです


お金が増える信用創造というネットワーク、
あるいはお二人が示したお金を『つくる』という
行為に欠かせないもの、
それはビャッコさんの言う無数の約束の集まり、
堅い言葉で言えば人間社会全体に対する信頼感です


余ったお金が回り回って預金として銀行を通過し、
その一部がローンに化ける。
そうやってお金が世界を駆け回るうちに
信用創造、つまり『つくる』が起きる


この信用創造という仕組みが新たなお金を生まないと、
お金の量が足りなくて経済成長にブレーキがかかってしまう。
人々を豊かにする『かせぐ』『もらう』『ふやす』も、
おこぼれをかすめる『ぬすむ』も、
この『かりる』を起点とした信用創造、
『つくる』の恩恵を受けています。


お金とは共同幻想なのです。
みんながお金に価値があると幻想をいだいている。
だからお金がお金たり得る。
幻想ではあるけれど、それこそが現実です


お金は、実質的にイギリスの支配下にあるけれど、
名目上はイギリスではない島々に飛ばされます。
書類上でしか存在しない会社を作って、
そこにお金を流し込むのです。
建前ではそこはイギリスではないので
イギリスの法律は及びません。
イギリス政府ですら踏み込んで調査することはできません


税収不足のツケ払いはオフショアと無縁の
庶民に回ってくるから、
二重三重に『持たざる者』の負担が増えます


ワタクシは我々の世代の一員として
未来の世代に謝りたい。
リーダーたちがノブレス・オブリージュを忘れ、
金に目がくらんで平和の配当を無駄にした
世代の一員として








engineer_takafumi at 23:23│Comments(2) ★一般書の書評 | ⇒ 経済・会計・お金

この記事へのコメント

1. Posted by 高井浩章   2018年04月18日 23:54
5 ご愛読&ご紹介ありがとうございます!楽しんでいただけたようで何よりです。
2. Posted by エンジニアライター   2018年04月21日 22:50
コメントありがとうございます。
とても良い本でしたので、娘にも読ませたいです。

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