2018年05月12日

分断した世界

本日は高城 剛 氏の
分断した世界
です。
分断した世界 逆転するグローバリズムの行方

本書は世界を飛び回りながら、
書く仕事を中心に活躍されている
高城 剛 氏のよる「世界の分断」を
テーマにした本です。


トランプ氏の大統領当選やBrexitなど、
従来の考え方では予想できないことが
起きています。

これは、世界の分断が原因です。
インターネットや交通機関の発達で、
各都市の情報的、物理的な距離が縮まっています。
しかしその反面、世界中で都市の知識層と
地方の中産階級の分断が起きているのです。

本書はその分断について書かれた本です。

アメリカの事情はある程度メディア等を
通して理解できていましたが、
イタリアやスペインの状況などは、
特に気づきが多かったです。


個人的には、スペインのカタルーニャの
独立問題の部分が特に面白かったです。

日本人的な感覚だと、民族も違って、
当人が独立したいのであれば、
独立させてあげればいいと思うのですが、
EU各国にとっても、それを承認できない
事情があるのです。


海外と仕事をすることが多い方に
お勧めの一冊です。
現在必要な最低限の国際教養を
身につけることができるでしょう。




熱狂の中、ネットスケープ・コミュニケーションズ社は、
1円の利益も出していないまま、株式を公開する。
IPO当初の値段設定14ドルが、値決め時には28ドルになり、
売出し株数も当初の350万株から500万株に増やされた。
そして上場初日の引け値は58ドル。
その後、同社株は171ドルまで上昇する。


シティの利得は、そうした国を経由して
資金を上品に洗うことができる「オフショア金融センター」
を持っていることが大きい。
これを背景にしているがゆえに、今日のフィンテック
(ファイナンス・テクノロジーの略語)の世界的中心地は、
シリコンバレーではなくロンドンなのである。
つまり、フィンテックとは「オフショア金融センター」を、
サイバー空間でつくれるかどうかが鍵となるのだ。


2017年10月に、僕は仕事でアフリカのエチオピアの
小さな村を訪ねたが、この時に衝撃を受けたのは、
まず、水も電気もない村の多くの人たちが、
スマートフォンや携帯電話を持っていたということだ。


最大の問題は、多くのグローバル企業が、
「本社を置いている自国に法人税を払っていない」
ということに尽きる。


ブルームバーグの調査によれば、
Googleはバミューダ諸島にあるシェル・カンパニー
(昔で言うところのペーパー・カンパニー)に
98億ドルの資産を移すスキームで、
全世界における税金の支払いを
20億ドルも回避しているという。
つまり、巨大なIT企業は、先端の金融スキームを駆使し、
それらの資金を研究開発に回すことによって、
他者を引き離しているようにも見える。


タックスヘイブンを上手く利用し、
Googleは大幅な節税に成功し、
再投資によって他者を寄せ付けない。
Googleの本当の強みは、ここにある。


アメリカは沿岸部と内陸部に、
大きな「分断」が起きている。


今のところ、カレグジットは現実的でないと
僕は考えているが、もしも独立可能となったなら、
シリコンバレーに住む富める者たちは、
アメリカ貧困層の面倒を見るよりも
「独立」を選ぶだろう。


トランプの支持者のほとんどは、
現行の政治家や政治システムに
問題があると考える人々で、
トランプが政治家ではないから投票したのである。


アメリカにおけるクリスマスプレゼントのうち、
95%はメイドインチャイナである。


トランプが強硬な政策で中国をブロックするつもりでも、
中国が大量の米国債を手放せば、
アメリカ経済への打撃は致命的なものになりかねない。
一方、ドルが急落すれば、中国が保有する
巨額の米国債の価値は酷いものになる。
ドル体制維持はアメリカにとっても中国にとっても
死活問題であり、互いに対立しても
「衝突」できない構造となっている。


僕自身もイギリスで暮らした経験の中から、
階級によって、住む場所も買い物する店も、
すべて異なっていると実感したことがある。


もし、スマートフォンが禁止されたら
暴動や革命同然のことが起きると思われるが、
適度な娯楽と安価なコミュニケーションさえあれば、
たとえ社会が変わらなくても、彼らの多くは生きていける。


あえて選挙を2回行うことには、
最終的な大統領決定の前に再度民意を問う目的もある。
こうすることで、もし有力候補の争いで票が割れた際には、
泡沫候補がタナボタで大統領となる危険性を防げるわけだ
(当初、泡沫候補とみられていたトランプが、民主党を尻目にアメリカ大統領になったのは、投票が1回だけだったからだろう、とフランスでは言われていた)。


実際、社会の悲壮感は、日本のほうが遥かに強い。
その理由は、南欧の数字にはならない"地下経済"が、
GDPの30%を超えているからだ。
しかも、実際の正確な数字は、わからない。
50%あるかもしれない。


大前提として、スペインとカタルーニャは
もともと違う国であり、民族も文化も違う。
長い歴史を見てもカタルーニャはスペイン大国に属さず、
統治下に置かれたのは、およそ300年前の9月11日からである。


カタルーニャ州政府は、スペイン中央政府との
合意の上で自治憲章を制定していたが、
2010年、憲法裁判所が新しい憲章を
「違憲」としたことが大問題となった。
つまり、自治州の権限を、徐々に中央政府に
とり戻そうとする機運が明らかに見られた。
これにカタルーニャは反発し、
独立の機運が次第に高まっていったのだ。


カタルーニャが独立国家として認められるには
他国からの支持が不可欠だ。
しかし、今回のカタルーニャ独立宣言においては、
EU各国をはじめ、国際的な支持は得られない
と考えられている。
その理由は、欧州各国同じような問題を
内抱しているからだ。


欧州には100を超える民族が存在しているため、
ほとんどの国は民族問題を抱えている。
カタルーニャを認めると、
バスクやスコットランド、オランダのフランドル、
中東のクルド独立までも認めることになってしまう。
EUが一貫して独立に冷たい姿勢を取っているのは、
このためだ。






engineer_takafumi at 23:09│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ ビジネスその他

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