2018年07月22日

貧乏モーツァルトと金持ちプッチーニ

本日は正林真之 氏の
貧乏モーツァルトと金持ちプッチーニ
です。
貧乏モーツァルトと金持ちプッチーニ

本書は出版社よりご献本いただきました。
サンライズ出版さま、ありがとうございました。


モーツァルトとプッチーニといった
何か不思議なタイトルの一冊です。

モーツァルトは才能に溢れていたが、貧乏でした。
一方、プッチーニは才能は人並みであったが、
ビジネスセンスに優れていたため金持ちでした。
それを分けたものが、知財戦略だった
というお話です。

グローバルで活躍する弁理士である著者が、
身近な話題から「知財のマネタイズ方法」を説きます。

例えば、コカコーラ、伊右衛門、くまモン、マクドナルドなど
身近な製品や会社がどのように知財を利用し、
それを収益に結び付けているのか説明してくれます。

これからの時代は、特に目に見えないものを
どう扱うかが重要になります。

そのためにも知財はますます重要になるでしょう。

個人的には、
キヤノンは互換性インクカードリッジが出回ることを
想定して、特許を出していた、
という部分が特に印象的でした。


知財を勉強するべきだけど、手につかないという
企業の管理職の方にお勧めの一冊です。
身近な話題から、知財を勉強するモチベーションを
高めてくれることでしょう。





ピカソは買い物をしたときにたとえ少額であっても
わざわざ小切手を切ったという。
ピカソのサインが記された小切手は、
その額面を遥かに超えた価値で売買されるため、
換金されることもなく、当然の結果ながら
ピカソ自身がその小切手の額を負担することは
ほとんどなかったというのだ。


マクドナルドという会社の正体は、
ハンバーガーをはじめとする商品を売って
儲けるファストフード・カンパニーではなく、
フランチャイズ店との店舗賃貸契約料を
その収益源とする不動産カンパニーとも言えるのだ。


コカ・コーラの原液のレシピは特許で守られていない


特許公報を見ると、
「これだけこだわり抜いた製法により、きちんと作っている」
ということに圧倒されてしまうからだ。
もしこれが、サントリーの新たな広報戦略の
一環だとしたならば、それこそ発想の逆転であり、
「特許取得を選んだサントリーは考えものだ」
という発想の上を行くものである。


キヤノンの特許は互換性インクカードリッジが
出回ることをあらかじめ想定して、
インクを再充填すること自体も
特許の侵害になるような形で出願していた


管理下に置かれて"あえて"使用料を取らない権利と、
無法地帯に置かれて使い放題のものは大違いだ。





engineer_takafumi at 01:10│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ ビジネスその他

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