2018年10月28日

場を支配する「悪の論理」技法

本日はとつげき東北 氏の
場を支配する「悪の論理」技法
です。


本書は出版社よりご献本いただきました。
フォレスト出版様ありがとうございました。


ある人と議論をして、押し切られてしまったけど、
全く納得できないし、無駄な疲労感だけ残る、
ということがないでしょうか?

自分に理があると確信しているのに、
なぜか議論になると負けてしまう。

これは、多くの場合、議論相手が
「悪の理論」を使っているからだと思われます。
悪の論理とは「間違っているが、一見正しい論理」です。

物事の善悪を議論するときに「じゃあお前が○○すれば」とか、
学生に対して「そんなの社会に出たら通用しない」とか、
子どもに対して「誰に食わしてもらってるんだ」とか、
理屈で負けたときに、ちゃぶ台をひっくり返すような言葉が
存在するのですね。

また、自分は安全地帯にいてひたすら荒探しをするなど、
負けようがない展開というものもあるのです。

ただ、本書では「悪の理論」と読んでいますが、
個人的には「バカの理論」の方がしっくりきますね。

本書ではこんな「悪の論理」を真正面から議論します。
議論に負けて残るモヤモヤを言語化してくれる
という意味で面白い一冊でした。


個人的には、
「迷惑」というのは、そうだと感じる主体がいて
はじめて成立する言葉であり、
「一般に」とか「客観的に」といったように
誤魔化してすむものではない

という部分が特に印象的でした。

「みんなの迷惑だろ」と良く言われますが、
その「迷惑」は自分の主観でしかなく、
結局は「オレは気に入らん」と
言っているのと同じなのです。


議論をすると、いつも変に負けてしまい
とても疲れてしまうという人にお勧めです。
相手の技法を言語化することができ
少しはモヤモヤが晴れることでしょう。






本書のタイトルや本文において
「悪の論理(または本文中で「名言」)」
という言葉を使っている。
これは端的に言うと、
「理屈では間違っているのに、一見正しいとされる論理」
のことだ。


普段からよく考えていない人が説明をはじめると、
意外なほどに無様なことを言い出す


叱られた子どもが理屈上納得できずに反抗した場合、
それに対して正しい論理を用いて
解説することができない親が、
「じゃあもう、あんたの好きにして、どうにでもなったらいい!」
のように使うことがある。
愛と道徳的羞恥心と知性とを、
同時にここまで喪失させる悪の名言も珍しい。


仮に「みんなが持つ」と世界が
滅茶苦茶になってしまう思想であっても、
1人または数名が持っている事実は
何ら世界を滅茶苦茶にしないし、
いずれにせよ思想の正誤とは関係ない。


「みんながそんな考えを持ったら滅茶苦茶になるだろう!?」
といった言葉は、読者諸賢も耳にしたことがあるはずだ。
これはよくある悪の論理だ。
核心部分は、実際は
「みんながそんな考えを持つこと」自体が
現実的ではないという点にある。


「社会に出て通用しない人間」など
実際にはほとんど存在しないという事実を、
彼らは忘れているのである。


論理に弱い人は、議論の中身を放棄しはじめる。
中身において圧倒的に不利になると、
その論旨の主張のやり方や態度を
問題とする必要が出てくる。


もし君が働いているなら、職場の住所をWeb上で言える。
ところが君は職場の場所をWeb上で言えない。
つまり君は無職ということになる。
どこが誤りかわかるかい?


相手にひたすら「根拠」を問い、
「疑問」を投げかけては「証明」を求め、
架空の論法を交えて、やっかいな定義論争を始めるくせに、
自分は相手の質問に答えない……といった詭弁術だ。


「迷惑」というのは、そうだと感じる主体がいて
はじめて成立する言葉であり、
「一般に」とか「客観的に」といったように
誤魔化してすむものではない。


普通は実は誰もが行っている
「(一般に)悪いとされていること」について、
最初から自分は容認しておき、
容認しない相手だけを不都合な状態にする手法は、
たいへん有効である。


マナーに基づいてルールを破る人は世の中に意外と多く、
それを押しつけてきたりするからすごいものだ。


「価値観を押しつけるな」という主張も
また典型的な「押しつけ」であるし、
ある人にとっては「迷惑をかけるな」
という主張ほど迷惑なものはない。


世の中にあるルールのほとんどは、
決して「秩序を維持するため」とかではなく、
「そのルールで誰かが得をするため」にこそ
つくられるのだ!


理想を相対化したとき、
はじめて世の中の多くのことが深刻でなくなり、
ある種ゲームと化し、
思想で遊べるような境地に達するのだ。






engineer_takafumi at 21:18│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ その他の本

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