2018年12月09日

余計なことはやめなさい!

本日は氏家 健治 氏の
余計なことはやめなさい!
です。


本書は「ケンズカフェ東京」で
ガトーショコラを大ヒットさせた著者が
成功の秘訣は「捨てる」ことにある
ということを説いた一冊です。


著者のケンズカフェは、
何かをやめるたびに業績が伸びます。

最初は普通のレストランだったのが、
・ディナー営業を終了(宴会に特化)
・ランチ営業と喫茶を終了
・レストラン事業を終了
・ネット通販を終了
・著者のシェフ卒業
と、どんどんやめていって、
現在は店舗でのガトーショコラの販売のみです。

それも、バリエーションがあるわけでなく、
本当の単品勝負のお店になっているのです。

それで利益を伸ばせることは素晴らしいの一言です。
逆に、普通の人は「常識」というフィルターに
毒されていると感じざるを得ません。

また、本書では「値上げ」も読みどころの一つです。

値上げには抵抗のある人も多いでしょうが、
値段は経営者の決意の証なのです。

値上げを通じて何が起きたか、
詳細に書かれていてとても参考になります。


個人的には、
1度目の値上げも2度目の値上げも「え、値上げ?」
と離れていったお客様の代わりに、
それ以上の新しいファンが増えたのです。

という部分がとくに印象に残りました。


値上げできないと悩んでいる
お店の経営者にお勧めの一冊です。
結局のところ、値上げがみんなのためになると
腑に落とすことができるでしょう。



苦境から好調に転じた理由は、
一言で言えば「余計なことをやめたから」。


いったん手放すべきものを手放すと視界がクリアになり、
自分の立ち位置、やるべきことの優先順位を
つかめるようになります。
そうすればしめたもの。
何が本質的な仕事かが見えてきます。
明日を、未来を見据えてやるべきことがわかります。


宴会に特化することにより、食材から人件費、
光熱費まであらゆる面で効率的に
店を回していくことができるようになったのです。


「何度も続けて値上げするなんて」
と離れてしまうお客様がいたとしても、
新規顧客を開拓するほうがビジネスの存続にとっては
重要だと1度目の値上げから学んでいたのです。


1度目の値上げも2度目の値上げも「え、値上げ?」
と離れていったお客様の代わりに、
それ以上の新しいファンが増えたのです。


ネット通販は日本全国が商圏で、
24時間いつでも手軽に注文できるという
メリットがありますが、
注文を受けるほうとしては理不尽なクレームや
要求にも応えなければならないという
デメリットがあります。


実は、私が手放してきた「余計なもの」とは、
4Pのうちプロダクト、プライス、プレイスの3つです。
これらを徹底的に見直し、絞り込むことで、
もう1つのP、すなわちプロモーションに
注力する態勢を整えたのです。


限られた資源を有効に使うために
「商売全体をできるだけ研ぎ澄ました上で、世の中に知ってもらう活動に注力する」、
この戦略が正解だと私は考えます。


あの頃私は倒産の危機に怯えながらも
ディナー営業をやめる、という選択肢を
思いつきすらしませんでした。
なぜなら、それが当たり前だから。
飲食店がディナー営業をやらないなんて
常識では考えられないから。


商品が絞り込まれていれば
手にしたデータの解析だけに戦力を集中できる。
絞込みの大きな効果です。


プロダクトの徹底的な絞り込みは、
属人的な作業を標準化した作業へと
シフトさせる効果があるのです。


このようにプロダクトの絞り込みはメリットだらけです。
ビジネスの基本は「商品の絞り込みにあり」。
私はそう確信しています。


バラエティに富んだラインナップは、一見、
さまざまな人の需要を獲得できるように思えます。
しかし、実際にはその豊富さゆえに
「迷わず選びたい」という人の需要を
逃している可能性があります。


男性客は「一択」を好みます。
いえ、男性客だけでなく、人は「絶対おすすめ」に弱いもの。
失敗をしたくない、本当に良いものを決め打ちで買いたい
という消費者は多いのです。


店を知ってほしいからといってエントリーレベルの
安価な価格を設定するレストランやよくありますが
(かつての私の店のランチもそうでした)、
その判断がターゲットでない層を招き、
経営不振にあえいでいるケースをたくさん見かけます。


お客様は最終的には会社は店を
救ってくれないと述べましたが、
友人や知人、従業員も同じです。
人の声に従うことで、なんとなく
担保を得たような気がするだけ。
それは本当の担保ではありません。


お客様の声は絶対ではないし、
関係者の声も傾聴に値するとは限らない。
「経営者は孤独」という言葉がありますが、
耳を傾けるべきなのは自分の声であり、目指す方向性です。


自分にとっていま本質的でない友人関係や
郵便物を整理し始めたら、
有意義な新しい出会いが増えてきました。


私が本当にやめて良かったと
思っていることをお伝えします。
それは、「業績向上へのこだわり」です。
私は「右肩上がりの呪い」と呼んでいます。


焦って数字を作るより、その時間を使って
本質的なことに向き合い、
次の一手を考えたほうがよほど建設的ではないでしょうか。


モノやサービスが良いのは、
ヒットのそもそもの前提条件です。
まずそこをクリアした上で、知ってもらう努力、
つまり宣伝活動が欠かせません。


画像や文章に対する考えはいまも変わっていません。
グルメサイトの影響力が以前ほどでは
なくなったいまでも画像の力、
文章の力は有効です。


私は、ケンズカフェ東京のお客様は
ガトーショコラを1回しか食べないという前提で
ビジネスを捉えています。


私はいまの時代、小さな会社や組織が勝ち抜く秘訣は
「プロの広報にあり」とすら考えています。


情報が溢れかえっている昨今、
突飛なこと、異質なこと、ここまでやるのか!
というくらい圧倒的なこと。
そういった「普通だったらありえない」方向を
目指さないと、広告費を無駄にしてしまいます。


3000円という価格は、ガトーショコラの店として
名実ともにやっていくための所信表明であり、
「価格で買って味でも勝つ」ことを
宣言した価格でもあったのです。


人にこんなふうに見られたい、
世間にこう思われたいという見栄は、
プラスに働くこともありますが、
往々にして脚を引っ張りがちです。


余計な気遣いも禁物です。
パフォーマンスの悪い社員を
「辞めさせるのはかわいそう」と
雇い続けていたら、小さな写真は持ちません。


恐怖心は手放すことが可能です。
実はとっておきの方法があるのです。
それはわざと業績を落とすこと。
経営に影響の出ない範囲で、
前年や前期よりも下げた数字を
目標数字にするのです。


実際、ケンズカフェ東京はこれまでに2度、
業績をわざと落としています。
私にはもうこの手の恐怖心はないのですが、
業績目標を下げて設定しておくと、最初から
「今期は収穫時期ではなくて、種まきの時期。より、将来のためになることを仕込もう」と
自分やスタッフが明確に意識できるのです。


消費者の舌のベクトルが「軽さ」に
むいている以上、そこから目を背けることはできません。
「そのうちに」「いつか」などと考えているうちに
取り返しのつかない事態に陥ってしまう
かもしれないのです。


現状維持は停滞や衰退と同義語です。
仕事の喜びを叶えたければ、変わることです。
一歩踏み出してまずいと思えば、元に戻ればいい。






engineer_takafumi at 00:36│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 経営

コメントする

名前
 
  絵文字