2019年01月20日

数学デッサン教室

本日は瑞慶山 香佳 氏の
数学デッサン教室
です。


本書は数式で作ることができる形を、
3Dグラフアプリで再現して鉛筆で描くという、
「数学デッサン」を専門とする著者の一冊です。

回転面やトポロジー、多面体など、
数学的な図形のデッサンがたくさん並びます。

画集のように見てもいいでしょうし、
数学的な背景を探ってみるのも良いでしょう。

デッサンはもちろん美しいのですが、
それに添えられている数式自体が
美しく感じられました。

数学と美術の関係は案外深いのだなと感じました。
実際、数学者は「美しい」という価値基準で
行動することが多いと言われていますからね。


個人的には3Dグラフのソフトウェアを
どのように使っているかが知りたかったです。

著者の今後の活動に期待、です。


数学を美しいと感じたことのある人には
お勧めの一冊です。
数学に潜む美しさを再確認することができるでしょう。




私が数学デッサンで描いていたかたちには、
回転面の数式を元にできているものがたくさんありました。
様々な直線を回転させてできる回転面には、
魅力的な形が多いように思います。


回転面は数式で表せるかたちでした。
トポロジーはかたちを変形させて考えました。
多面体はかたちを細かく分析していました。
また、自然界には数学で表せる様々なかたちがありました。


デッサンでは、モチーフに対して何を感じ、
どのように見えたのかを表現することが重要になります。
そのためには、デッサンを通して何をどう伝えるのか
というコンセプトが必要です。
現代の美術においては、作品にはコンセプトがある
ということが重要視されているため、
コンセプトが必要となるデッサンも
また作品として扱われているのです。


モチーフを紙に描くアウトプットのテクニックよりも、
じっくりかたちを観察するインプットのテクニックに
少しだけ充填を置いて解説してみました。
まずは、かたちを観察し、かたちについて考えるという
体験をしてもらいたいと考えたからです。






engineer_takafumi at 11:27│Comments(0) ★理系本の書評 |  ⇒ 数学

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