2019年04月15日

FACTFULNESS(ファクトフルネス)

本日はハンス・ロスリング 氏の
FACTFULNESS(ファクトフルネス)
です。


本書は、医師、グローバルヘルスの教授、
世界保健機構やユニセフのアドバイザーとして活躍し、
タイム誌の選ぶ世界で最も影響力の大きな100人に
選ばれたという著者が、末期がんを宣告され
最後の1年にまとめた一冊です。

この本のいいたいことは、
世界は思うより改善している、ということです。

思ったより低所得国の暮らしは良くなっているし、
寿命も伸び、女子の教育も進んできています。
犯罪も減っているし、自然災害の死者も減っているし、
テロによる被害さえ、小さくなってきています。

それなのに、何か世界が悪い方向に進んでいるような
気がしてしまう理由は、報道や人間の思い込みによる
バイアスがかかっているからです。

そんな、思い込みによる勘違いを、
一つ一つ証拠をあげならが覆していくのが
この本です。

もちろん、改善しているといっても、
さらに良くする努力は必要です。

しかし、改善するためにも
まず物事をありのままに見ることが大事なのです。

本書ではそんな思い込みから逃れるための
指針も示してくれています。


個人的には、
中国のひとりっ子政策が
思ったより子供の減少に寄与していない
という部分が特に印象的でした。


特に、政治や経営に関わる方に
一読していただきたい一冊です。
問題解決のために、最も効果的に資源を使うための、
指針が得られることでしょう。



ドラマチックすぎる「分断された」世界の見方の代わりに、
4つのレベルで考える。
これこそが、この本で伝授する「事実に基づいた思考法」の
ひとつめにして最も大事なポイントだ。


本当の意味で明るい話とは、数えきれないほどの
「小さな進歩」が世界中で起きているということだ。


レベル4にいる人たちが気づかないあいだに、
世界では数十億人が貧困から抜け出し、
グローバル市場で消費者や生産者になり、
レベル1からレベル2やレベル3になったのだ。


現在、平均寿命が50歳を下回る国はない。


1990年以降、アメリカの犯罪発生率は減り続けている。
1990年には1450万件の犯罪が起きたが、
2016年には950万件に減った。
しかし、どれだけ犯罪件数が減ろうと、
ショッキングな事件は毎年のように起こり、
メディアはそれを大々的に報道する。


わたしは、頭の中に「悪い」と「良くなっている」
という2つの考え方を同時に持つようにしている。


人口増を止める確実な方法はひとつしかない。
極度の貧困を無くし、教育と避妊具を広めることだ。


現在、「世界は危険だ」という主旨のニュースは、
昔よりも効果的に配信されるようになった。
一方で、現在の世界は、人類史上類を見ないほど
平和で安全だ。


避難後に亡くなった人の多くは高齢者で、
避難の影響で体調が悪化したり、
ストレスが積み重なったりして死亡した。
人々の命が奪われた原因は被ばくではなく、
被ばくを恐れての避難だった。


規制が厳しくなる理由の多くは、
死亡率ではなく恐怖によるものだ。
福島の原発事故やDDTについて言えば、
目に見えない物質への恐怖が暴走し、
物質そのものよりも規制のほうが
多くの被害を及ぼしている。


恐怖本能の力を誰よりも理解しているのは、
ジャーナリストではない。テロリストだ。
彼らは人々を恐怖に陥れるべく、
わたしたちの恐怖本能につけこもうとする。
身体的な危害を加えられたり、拘束されたり、
毒殺されるといった恐怖を煽るのだ。


テロ事件の数は世界中で増え続けている。
しかし、レベル4の国に限っては、
実はテロの数は減っている。


「恐怖」と「危険」はまったく違う。
恐ろしいと思うことは、
リスクがあるように「見える」だけだ。
一方、危険なことには確実にリスクがある。
恐ろしいことに集中しすぎると、
骨折り損のくたびれもうけに終わってしまう。


最も貧しい場所では、
すべてを完壁にこなすことはできません。
何かを完璧にこなそうとすれば、
もっと大事なほかのことがおそろかになりますよ


くれぐれも、レベル4の経験が
世界のほかの場所に当てはまるとは思わないように。
特に、自分の経験をもとに、
ほかの人たちをアホだと決めつけないで欲しい。


人々に自分たちの主張を訴えようとするあまり、
進歩に目が行かなくなってしまうのだ。


貧しい母親の命を救うには、
何がいちばん有効かが見えている。
それは看護師を訓練して帝王切開することでもなければ、
出血大量や感染症に対応することでもない。
妊婦の命を救うには、地元の病院への
交通手段を整備することがいちばんだ。
病院があっても妊婦がそこにたどり着かなければ、
何の役にも立たない。


いい教育に必要なのは、
教科書をたくさん与えることでも教師を増やすことでもない。
学びにいちばん大きく影響するのは、電気だ。
電気があれば、日が暮れたあとに宿題ができる。


ひとりっ子政策は、みんなが思うほど出生率に影響していない。
女性ひとりあたりの子供の数が6人から3人へと
大幅に減ったのは、ひとりっ子政策が始まる前の10年間だった。


どんなことであっても、ひとりの人や
ひとつのグループだけを責めないようにしよう。
なぜなら、犯人を見つけたとたん、
考えるのをやめてしまうからだ。
そして、ほとんどの場合、物事ははるかに複雑だ。


地球温暖化の活動家にそう言うと、
大げさな話やでっちあげで恐れや焦りを引き出しても
許されるはずだと返される。
そうでもしなければ、遠い未来のリスクのために
人は動いてくれない、と言うのだ。
目的が正しければどんな手段を使ってもいいと
彼らは思っている。
それでは目先の効果しかないとわたしは思う。


「いますぐに決めなければならない」と感じたら、
自分の焦りに気づくこと。
いま決めなければならないようなことは
めったにないと知ること。
焦り本能を抑えるには、小さな一歩を重ねるといい。







engineer_takafumi at 01:32│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ ビジネスその他

コメントする

名前
 
  絵文字