2020年04月04日

一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書

本日は山 圭一 氏の
一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書
です。


本書は公立高校の教師で
Youtuberとして授業の動画を配信、
それが累計再生回数が1000万回突破、
チャネル登録者数も4万5千人を超えたという
カリスマ講師による一冊です。


一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書
に続く本となります。
日本史は世界史ほどに時代がこじれないので、
世界史よりはインパクトが弱いものの、
年号を書かない、政治史を数珠つなぎにした
というわかりやすさを感じます。

中学以来だった日本の歴史を復習することができ、
知識を深めることができました。

また、明治から昭和にかけての近代史の項目も
しっかり書かれているので、
学生時代には不十分であった近代史の知識を
補充することもできました。


個人的には
日清戦争→日露戦争→太平洋戦争に
至った流れが特に勉強になりました

為政者だけでなく民衆の心理も描写されており、
理解に深みを加えることができました。


学生はもちろん、
日本史を復習したい社会人にお勧めの一冊です。
効率的に日本の歴史を復習できるでしょう。




隋の皇帝に臣下として従属しない方針だったため、
当初、無礼であると隋の皇帝、煬帝の怒りを買いました。
煬帝は(中国史上最大の暴君)と
いわれることもある人物で、彼を怒らせるとは
日本もなかなか危ない橋を渡ったものです


紙幣の使用という習慣がなく、
稲や布などを貨幣の代わりにして、
モノどおしのやり取りで経済が回っている世の中に
紙幣を流通させるのは至難の業でした。


班田収授の崩壊や律令制の行きづまりは、
社会の新しい階層である「武士」の成長を招きます。


鎌倉幕府の役割は基本的に治安維持です。
摂関家や院、国司などの朝廷のしくみも
同時に残っており、見た目は朝廷と幕府がともに
日本をおさめている形になっているのが特徴です。


明を中心とする国際秩序の中での貿易のため、
明に対して形式的に臣下の礼をとる
「朝貢貿易」という特徴がありましたが、
滞在費や運搬費は主人にあたる明側の負担であり、
貿易自体は輸出品に対して数倍の輸入品が得られる
という日本に有利なものでした。


鎌倉時代、親の領地は子たちに分け与えられましたが、
室町時代以降、一般的に後継ぎの長男に
すべて相続させるようになります。
そのため、次男や三男が相続したい場合には
長男の敵になって分かれ、
戦って勝利するほかありません。
身内同士の戦いはどうしても恨みが後を引き、
長期化・泥沼化していしまいます。


貿易統制を進める一方で、幕府は宗教統制も強めました。
幕府は宗門改めを実施し、キリストなどを描いた絵を
踏ませる踏絵をさせてキリスト教の信者を摘発するとともに、
人々をいずれかの仏教の宗派に所属させて、
どこかの仏教の寺の「檀家」になることを強制しました。
これによって民衆は必ずどこかの宗派のどこかの寺に
「所属」することになるため、
宗門改めは「戸籍調査」のようなはたらきをし、
そのリストである「宗門改帳」は民衆の
「戸籍」のようなはたらきをしました。


天皇が実際の政治的権力をふるうと、
失策があった場合に天皇に責任が発生してしまうので、
国務大臣が個別に天皇の責任を負って行政を行い、
失策があった場合には大臣が辞めて
責任を取る形にしたのです。


日英同盟が締結されたのです。
おもな内容は
「同盟国の一方が他国と交戦した場合、同盟国は中立を守る」
ことと、
「その交戦にほかの国が加わった場合、同盟国も参戦する」
という2点です。
すなわち、イギリスは、日本に対して、
「第三国の介入を心配することなくロシアと一対一でサシの勝負ができる」
舞台を提供したのです。


この戦争自体が、アメリカの仲介を必要とした
いわば「判定勝ち」であったため、
日本がもっともほしかった賠償金を得られず、
国内ではこの条約が不十分だとして日比谷焼き討ち事件
として知られる講和反対の暴動が起きます。


大規模な出兵を行うことがわかると、
米の値段が異常なほどに上昇しました。
もとから、好景気の中で民衆の米の消費量が増え、
米の値段はかなりの高値になり、
「値が上がる金融商品」のような性格にも
なっていたところに、シベリア出兵の軍需品として
米が買い付けられることを見越した米問屋が、
安値で米を仕入れて高値で売ろうと
米の買い占めに回ったため、
米の値段がますます上がったのです。







engineer_takafumi at 08:11│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ その他の本

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