2020年05月09日

ディズニーCEOが実践する10の原則

本日はロバート・アイガー 氏の
ディズニーCEOが実践する10の原則
です。


本書はウォルト・ディズニー・カンパニーの
前CEOであるロバート・アイガー氏が
自身の半生について書いた一冊です。

ABCの雑用係から始まり、
所属企業がどんどん買収されて
最後にディズニーの社員になります。

そして最終的にディズニーの
CEOに上り詰めるのです。

ディズニーのCEOとなった後は
ピクサー、マーベル、ルーカスフィルム、
20世紀フォックスとクリエイティブの
会社を次々と買収して、
ディズニーをさらに飛躍させます。

そんな著者のストーリーが
つづられた一冊です。

買収した企業を取り入れるプロセスは
決して簡単なものではないでしょうが、
それを成功させた著者の哲学が
興味深かったです。


個人的には、
ピクサーの買収のいきさつが
とても興味深かったです。

ジョブズの本やエド(ピクサー)の本でも、
描かれていましたが、
それをディズニー側からみることができて
面白かったです。


クリエイティブの会社に興味がある方に
お勧めの一冊です。
ピクサーやルーカスなど、買収を通じて、
様々な企業の様子がわかります。



自分が大失敗したら責任を
取らなければならないということだ。
仕事でも、私生活でも、
自分の失敗を正直に認めれば、
周囲の人から信頼され、尊敬されるようになる。
(中略)
むしろ、やってはいけないのは、嘘をついたり、
自分のせいでないふりをして、
誰かに罪をなすりつけることだ。


卓越した仕事をすることと、
人を気遣うことは両立しないわけではない。


彼は自分が何を知らないかを知っていた。
それができる上司はなかなかいない。


自分を偽らないことだ。
謙虚に、誰かのふりをせず、
自分が何を知らないかを知ることから
はじめなければならない。


創造のプロセスを管理するということは、
それが科学ではないと理解することから始まる。
すべては主観であり、何が正しいかはわからない。
何かを生み出すには大きな情熱が必要で、
ほとんどのクリエイターは
自分のビジョンや流儀が疑われれば、
当然ながら傷つく。
私は、制作側の人たちと関わる時には、
このことをいつも心に留めている。


正確で俯瞰的な判断力がないことを隠すために、
どうでもいいような細かいことにこだわる人は多い。


君は本当に見事な映画を作ってくれた。
私の思ったことをいくつか書き留めたが、
それを渡す前にこのことだけは君にわかってほしい。
何があっても私たちは君を信じているからね。


努力不足はいけないが、
避けられない失敗ならしてもいいと
腹をくくれなければ、イノベーションは起こせない。


ディズニーのような会社では、
やるべきことをきちんとやっていなければ
周囲はすぐに気づいて、その人への敬意は消え失せる。


あるホテルでインタビューを受けている時、
記者に向かって
「あそこにあるランプが見えるかい? 私が選んだんだ」
と言っていた。
大企業のCEOが言うことではない。


リーダーは周囲に悲観的な見方を振りまいてはいけない。
それは社員の士気をくじいてしまう。
活力とひらめきが消えてしまう。
そして、守りの意思決定がされてします。


企業文化は多くの要素から作られる。
中でも、はっきりとしたビジョンは
最も重要な要素のひとつだ。
リーダーは、何が一番大切なのかを
誰にでもわかるように何度も伝えなければならない。


ほんの少し敬意を払うだけで、
信じられないようないいことが起きる。
逆に、敬意を欠くと大きな損をする。


正式にCEOになる前の半年館の
準備期間に行った仕事の中で、
戦略企画部の再編は最も大きな成果をあげた。
すぐに効果があがるだろうとは思っていたが、
事業部は戦略企画部に手足を縛られなくなる
と発表したとたん、即座に、また急激に
社員の士気が上がった。


人は時として大きな賭けを
はなから諦めてしまうことがある。
勝率を計算し、最初の一歩を踏み出す前に、
うまくいきっこないと自分に言い聞かせるからだ。
私が昔から直感的に感じてきたことであり、
ルーンやマイケルのような人たちと
働いた経験からも確信を強めたことは、
到底できっこないと思えることが、
意外に現実になるということだ。


自分たちが本当のところ何を手に入れるのか
よくわからずに買収を行ってしまう企業は多い。
(中略)
だがほとんどの場合は、
買収によって手に入れるのはそこにいる人材だ。
クリエイティブな産業では、
そこにこそ本当の価値がある。


クビを言い渡すにいい方法などないが、
私には自分の中で決めているルールがある。
直接言い渡すこと。
電話ではいけないし、
メールやメッセンジャーなどはもってのほかだ。
相手の目を見ること。誰かのせいにしないこと。
決断を下すのは自分だ。
ただし、その人の人間性ではなく、
仕事の成果を評価すること。


このような場合に、
上司がよく遠回しな表現を使うことも多いが、
それはむしろ失礼だと私は思っている。
痛みを伴わずに首を言い渡すことはできないが、
少なくとも正直に接することはできるし、
こちらが正直に打ち明けることで
相手はなぜこんな事態になったかを理解し、
たとえその場を立ち去る時点では頭にきていても、
いつかは気持ちを切り替えられるようになる。


この話し合いは、企業買収の交渉とは違う。
ジョージの遺した伝説を
誰が守るかを決める話し合いになる。
いつもそのことに細心の注意を
払っておかなければならないと肝に銘じた。


映画制作会社がよくやってしまう最悪の失敗は、
一旦決めた公開日にこだわりすぎて、
内容の判断がおろそかになったり、
まだ生煮えの状態で編集を急かしてしまうことだ。


どの案件でも交渉がいまくいくかどうかは、
個人的な要素にかかっていて、
誠実さがすべての鍵だった。


経営者がバリバリといい仕事をしている時でさえ、
トップの交代は必要だ。
ほかの経営者も同意してくれるかどうかはわからないが、
あまりに大きな権力がひとりに集中すると、
その力を抑制することが難しくなる。
最初の変化は小さなことだ。
自信が過信に変わり、それが失敗のもとになる。
何もかも知り尽くした気になり、
ほかの人たちの意見をせっかちに切り捨てるようになる。
わざとやっているわけではなく、
トップとして自然と上から目線になってしまう。


野心が先走るとチャンスを逃してしまう。
将来やりたい仕事やプロジェクトばかりに固執すると、
今いる場所が我慢できなくなる。
今ある責任をきちんと果たせなくなるようでは、
野心がむしろ邪魔になりかねない。





engineer_takafumi at 18:27│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 経営

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