2020年03月11日

突破するデザイン

本日はロベルト・ベルガンティ 氏の
突破するデザイン
です。


本書はイタリアのミラノ大学の教授で、
リーダーシップやイノベーションが専門です。

大学でマネジメントとデザインのコースを
担当する一方で、経営者に対して
デザインとマネジメント教育を行っています。


最近の社会では、モノ自体は飽和して、
そこに何の意味づけができるか
ということが重要になっています。

たとえば、iPhoneが発売された時、
その技術自体は大したものでは
ありませんでした。

しかし、その卓越したデザインと
タッチというユーザーインターフェイス、
そして、ネット接続環境を持ち歩く
という意味づけが、社会に受け入れられて
大ヒットにつながったのです。


本書ではこのような、
意味づけのイノベーションの原則やプロセスに
ついて研究した成果をまとめたものです。

事例やアイデアの作り方はもちろん、
それを生み出す組織にまで触れられています。

この手のイノベーションを起こすことは
決して簡単ではありませんが、
本書からその方法を知ることができます。


また、本の最後に本書で説く、
意味のイノベーションの事例があります。

著者がイタリアの方ですので、
あまり馴染みのないものも含んでおり、
事例としてとても興味深かったです。


世の中を変える製品を作りたい、
と考えている人にはお勧めの一冊です。
ヒット商品を作るための事例とプロセスを
学ぶことができるでしょう。



もしあなたが人々に愛されるモノゴトを
創造したいのであれば、
問題解決からは離れた方がよい。
愛について考えるのだ。
一方で、もしあなたが問題解決をしたいのであれば、
愛について考えることは避けた方が良い。


意味の創造においては、あなたの価値観や、
あなたが信じているもの、
世界に対するあなたのビジョンが
とても重要な起点となる。


モノゴトをいかに改善するかではなく、
なぜ私たちがそれらを必要としているかが重要だ。


最近の企業に不足しているものは、
この大量のアイデアに意味づけする能力である。


イノベーションすべきことは判断の良しあしではなく、
「判断のものさし」そのものである。


新しい意味は、できるだけ多くのアイデアを出し、
その中からベストなものを選択するという、
量的な発想からは生まれない。


かつてなかったほど、
人々が意味を探し求めているということである。
人々は選択肢が増え続け、複雑で不可解な
人生の意味を理解することを楽しんでいる。


デジタル技術による真の変化は、
写真の根幹的な意味のイノベーションである。
思い出づくりの手段から、コミュニケーションの
手段へと写真の意味が変化した。


どの組織も似たようなパターンに陥ってしまう。
意味に対して振り返ることを、
だんだんと辞めてしまうのである。
成功の理由を当たり前のものとして受け入れ
「なぜ」を問わなくなり、
代わりに「どうやって」に焦点を当てる。


複雑で急速に変化し続けるこの世界では、
市場からの兆候がすべて
同じ方向を示すことはめったにない。
もし同じ方向を示していることがあるとすれば、
時すでに遅し。
だれかがすでに新しい意味を
確立してしまっている。


ユーザーが急進的なイノベーションにとって
役に立つかどうかにかかわらず、
結局のところ、ユーザーの意見はどうしても
私たち自身で解釈しなくてはならないのである。


共有された違和感は信頼の基礎となる。
それは、「話す、行う、聞く」という
批判のプロセスを活性化させるための種火である。


自分が人々に愛してほしいものは何か


同じように観察したとしても、
異なる解釈者によってまったく対照的な意味を
導き出すこともあり得る
(そしてそこからまったく異なるデザインを導く)
これは観察が間違っているということではない。
間違っているのは客観性を理想化し、
観察するものに対する解釈力を忘れていることである。





engineer_takafumi at 23:01│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ クリエイティブ

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