2020年10月11日

理系読書

本日は犬塚 壮志 氏の
理系読書
です。


本書の著者は、業界最難関といわれる
駿台予備校の採用試験に
一発合格(当時、最年少)した、
元駿台予備校の化学講師です。

そして、同校の季節講習会にて担当する
化学受講者数が予備校業界で日本一となった
実績も持っています。


その著者が本書で説くのは
「読書術」です。

私も理系なのでわかりますが、
研究などで調べものをする時に、
難解で膨大な文献を、読まなければ
いけないことがあります。

大学で研究室に入った頃は、
「こんなの無理だろう」
と考えていましたが、
やっていくに従ってコツをつかんで、
必要な情報を素早く得られるように
なってきました。

その「コツ」というものを、
見事に言語化してくれたのが、本書です。

本書を読んでいると、
確かに自分もそんなこと考えているな、
と感じたり、
逆に、自分にはない視点は
すぐに取り入れてみようと考えてみたり、
読んでいてスッキリさせられた一冊した。

現代は情報があふれていて膨大な上に、
専門化が進んで難解になっています。

このような方法論も専門職だけでなく、
多くの人に求められるように
なっていると思いました。


個人的には、
読まない「部分」も
「全体」のどこに位置して、
互いにどんな関係にあるのかだけは
把握しておく必要があります
という部分が印象的でした。

飛ばし読みをして、
全く意味が取れなくなる人は
ここのプロセスを省略しているからだと
気づきを得ることができました。


文系、理系に関わらず、
仕事や研究で膨大な文献に接する
という人におすすめの一冊です。
効率的な文献の読み方を
学ぶことができるでしょう。





読書は自分の問題解決のためにするもの。
1冊丸ごと読むことが目的でない。
全部読むよりも、本の内容をいかに実践するかが大事


多様なジャンルの本を読むこと


読んでいる途中でも、
解決策にたどり着ける情報を抽出できたなら、
それでその本の役割は終了です。


理系読書の手法では、
すべての「部分」を精読しませんが、
読まない「部分」も「全体」のどこに位置して、
互いにどんな関係にあるのかだけは
把握しておく必要があります。


最初に「要約」を読むことが、
これから読む章(あるいは節)の文脈への
理解を大幅に高めてくれます。


理系は常に書かれている情報に対し、事実かどうか、
科学的根拠があるか、ロジックに誤りがないか、
ポジショントーク(自分の立場を利用して自分に有利になるような記述)
になっていないか、目を向ける習慣があります。


文字で残すなら自分の言葉(自分らしい表現)に
変換して出書きで残す方法が有効でした。


評価(フィードバック)をもらうべき相手は、
1タイプしかいません。
それは、自分に対して「愛があって」かつ
「批判できる」人です。


テクノロジー系の本の場合、まとめて読むことで、
「あの本で著者が言っていたことは、ここに関係してくるのか」
とテクノロジーどうしの横のつながりが見えてきます。
結果、点と点が線でつながり、
そのジャンルに対する理解を深めることができます。




engineer_takafumi at 14:09│Comments(0) ★理系本の書評 | ⇒ その他の理系本

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