⇒ マーケティング・営業

2022年08月28日

伝統の技を世界で売る方法

本日は西堀 耕太郎 氏の
伝統の技を世界で売る方法
です。


本書の著者はカナダに留学後、
市役所で公務員として働いたのちに
配偶者の実家である京和傘の製造元
「日吉屋」を継ぎます

国内外のデザイナー達との
コラボレーション商品を開発しながら
海外展示会に積極的に出店します。

その中で和風照明「古都里 -KOTORI-」が
ヒットし、現在15ヵ国に展開中です。

現在は日吉屋の経営だけではなく、
伝統工芸や中小企業の海外向け商品の
開発や販路開拓の支援も行っています。


そんな著者が本書では、
伝統工芸を海外で売る方法を説きます。

著者自身の「日吉屋」の物語に始まり、
伝統工芸が海外進出するときの
ポイントを説明してくれます。

事例も豊富なのでイメージが
沸きやすかったですし、
著者が公務員の経験もあるので、
その時の仕事との対比も興味深かったです。


個人的には、
「なんでもできます」という姿勢が、
海外進出をする上ではネガティブに
なることがある
という部分が特に印象的でした。

海外で価値を主張するためには、
自らが何であるかを自ら
定義する必要があるのですね。


海外進出を考えていなくても、
伝統工芸に関わる方には
ぜひ読んで頂きたい一冊です。
事業の将来を考える上での、
気づきが与えられるかもしれません。

続きを読む

engineer_takafumi at 11:36|PermalinkComments(0)

2022年08月10日

海外Webマーケティングの教科書

本日は高岡 謙二 氏の
海外Webマーケティングの教科書
です。


本書の著者の経営する
エクスポート・ジャパンは海外向けに特化した
Webプロモーション企業の草分けとして、
東大阪の中小企業を世界に売り込むプロジェクトや
日本の観光資源を世界に消化する活動で
多数の実績を上げています。

そんな著者が本章で語るのは、
海外に対して、日本企業がWebを通じて
アピールする方法です。

海外向けのWebサイトを作る場合、
まず文字を翻訳して日本語のものと
同じように作ることを考えるでしょう。

しかし、ちょっとしたポイントを
押さえるだけでも、
訴求力が大きく変わってくるのです。

そんな大事なポイントを、
豊富な実例を交えて語ってくれます。

例えば文字化けの可能性や日付の表記方法、
各国でのインターネットの検閲状況など
実務者には欠かせない情報もあります。

まさに実務者は必見の内容でしょう。


個人的には、
日本語サイトの翻訳をお願いするときの
注意事項が特に印象的でした。

翻訳した英文を、再び日本語に戻して、
内容を確認することは、悪手なのですね。


海外向けのWebを作ろうとしている人に
読んでもらいたい一冊です。
一読するだけで、サイトの効果を
大きくできるでしょう。


続きを読む

engineer_takafumi at 09:05|PermalinkComments(0)

2021年05月02日

1シート・マーケティング

本日は三浦崇典 氏の
1シート・マーケティング
です。


本書は「天狼院書店」という書店を経営しながら、
小説家、ライター、編集者、プロカメラマンと
多彩な分野で活動されている著者による
マーケティングの本です。

この本の内容が天狼院書店で講座化されており、
私はそれを受講していました。


このマーケティング手法の特徴は、
実践的、シンプルであることだと思います。

実践的である理由は、著者自身が、
自らの経営や活動の収益化に使った
実績がある方法であるからです。

そして、シンプルである理由は、
A4の紙1枚にまとめることができ、
わずか7つの視点から分析するだけで、
ビジネスの要点をつかめるからです。


大企業のビジネスモデルを扱うことも、
一人で活動するフリーランスのモデルも
同じ紙で扱うことができるのも魅力です。

特に、これからはビジネスモデルや
マーケティングではなく、
コンテンツの質そのものが
より重要になってくるという主張は
説得力がありました。

さらに、分析事例がたくさんあることも
参考になります。


個人的には、
ブランドやアトモスフィア(世間の雰囲気)に
依存したビジネスモデルにしてはいけない
という部分がとくに印象に残りました。

著者は自分のことを「臆病」といいますが、
その姿勢が彼に成功をもたらしたのでしょう。


小規模ビジネスを起こそうとしている、
フリーランスの方にお勧めの一冊です。
自分のビジネスを網羅的に見直す
機会になることでしょう。


続きを読む

engineer_takafumi at 23:52|PermalinkComments(0)

2020年02月29日

ベストセラーの値段 お金を払って出版する経営者たち

本日は水野 俊哉 氏の
ベストセラーの値段 お金を払って出版する経営者たち
です。


本書の著者は30冊近い著作を持ちながら、
経営コンサルタントや起業家として活躍、
その一方、出版セミナーを主宰したり、
自ら出版社を立ち上げるなど、
出版マーケティングの専門家として、
出版プロデュースの事業もされています。


本書のテーマは「出版マーケティング」です。

著者のクライアントさんは、出版して、
自ら数千万円というお金を使っています。

それに対して印税は数百万程度ですから、
明らかに赤字となるのです。

なぜそんなことをするのか?
そのカラクリを暴くのがこの一冊です。


例えば、「売れている雰囲気を出すため」
書店を回って自著を買い取るなど、
少しグレーに感じる方法も取られています。

しかし、なぜ彼らがそこまでするのか、
ということを考えると、出版の持つ価値や、
その可能性を認識することができます。

本書では、マーケティングという観点で
出版業界の裏側をあばきます。

読む人は限られるテーマかもしれませんが、
コンサルタントやWebビジネス、セミナー講師などを
されている人であれば、
出版を使ったマーケティングは効果的です。

勉強してみる価値は十分にあるでしょう。

個人的には、
クライアントさんは年商が3000万円くらいから
出版マーケティングを視野にいれる人が出てくる
というところが特に印象的でした。

この部分に限らず、具体的な数字が出てくるので、
著者の経験の深さを感じさせられました。


コンサルタントやセミナー講師をされている方で
本を出そうという人は必読の一冊です。
本をどのように自分のビジネスに繋げるか
イメージすることができるようになるでしょう。

続きを読む

engineer_takafumi at 00:20|PermalinkComments(0)

2019年10月27日

お金と心を動かす会話術

本日は浅川智仁 氏の
お金と心を動かす会話術
です。


本書の著者は、世界最大級の能力開発企業で
営業として活躍。
そして、未経験ながら
入社2年で年間トップセールスを記録されます。

自身だけではなく、支店責任者としても、
着任初月に対前月比230%の売上を実現するなど、
トップセールスの育成でも活躍されます。

その後、営業コンサルタントとして独立、
業種を問わす多くのセールスパーソンや経営者の
飛躍的な売り上げアップに貢献されています。


そんな著者が、本書で語るのは「会話術」です。

つまり、売るための「会話」になります。


具体例が多くわかりやすいことはもちろん、
適度な抽象化もされており、
話を聞いているようにスラスラと
頭に入ってきます。

実際、自分が営業をされる時のことを考えると、
「こう言われると、買ってしまうよな。」
という表現がいっぱいで感心します。

著者が売れる理由が分かった気がしました。

読者がこれを使いこなすためには、
ある程度時間と訓練が必要でしょう。
しかし、時間を費やすのに値する方法だと感じました。


個人的には、
テストクロージングとファイナルクロージングの
部分が特に印象に残りました。

細かく、テストクロージングをすることで、
ファイナルクロージングの確率を高められるのです。

私もファイナルクロージングを
意識したいと思いました。


営業職の方はもちろん、独立を考えている全ての人に
お勧めの一冊です。
どうやってセールスを進めればうまくいくか、
その肝心な部分を理解できるでしょう。


続きを読む

engineer_takafumi at 20:18|PermalinkComments(0)

2019年02月11日

今すぐ本を出しなさい ビジネスを成長させる出版入門

本日は水野 俊哉 氏の
今すぐ本を出しなさい ビジネスを成長させる出版入門
です。


本書は作家、出版プロデューサー、
経営コンサルタント、富裕層専門コンサルタントなど
多彩な領域で活躍する著者による
出版マーケティングの方法論です。

さらに著者は出版社の経営もしており、
まさに出版のプロといえます。

そんな著者が「出版」を通じて、
ビジネスを成功させる方法を説くのが本書です。

本文中にも書かれていますが、
本を書いての直接の収入(印税)は
普通のビジネスとしての利益と比べるとごくわずかです。

だから、本を出すことがゴールではなく、
ビジネスを成功させる仕掛けを作らなければいけません。

一方、本が売れないと、どんな仕掛けも機能しませんので、
本の中身はもちろん、プロモーションもきっちり行い、
ベストセラーにする努力が必要です。

本書では、「出版」マーケティングの特長から、
企画の通し方、書き方、プローモーションまで触れられており、
出版によりビジネスを加速させる方法を学べるでしょう。


個人的には、作家で出版プロデューサーである著者が
自分で出版社を立ち上げた背景の部分が印象的でした。

出版マーケティングを本当に有効に機能させるためには、
自前で出版社を持つ必要があったのでしょう。


本を出したいビジネスマンは
とりあえず読んでおいた方が良い一冊です。
出版をどうやって実現するか、出版により何が変えられるか、
イメージできるようになるでしょう。

続きを読む

engineer_takafumi at 22:21|PermalinkComments(0)

2018年11月06日

法人顧客からの受注を10倍にする FAXDM×WEBの集客術

本日は伊之上 隼 氏の
法人顧客からの受注を10倍にする FAXDM×WEBの集客術
です。


本書はFAXDMのノウハウを中心に
集客コンサルを行っている
コンサルティング会社代表による一冊です。


ネットマーケティング全盛の時代なので、
FAXDMと聞くと古い感じがあるかもしれません。

しかし、ある年齢層以上の経営者にとって
FAXはとても日常的なツールであり、
着眼率(中身を見る確率)がとても高いなど
今でも十分効果的なツールなのです。

「お客様目線で書くこと」など他のメディアでも
共通する項目から、FAXメディアならではの
注意項目まで広範囲にわたって解説されています。

また、実際のFAXDMの事例が豊富なので、
売れるDMの感覚をつかむことができます。

特に、中小企業の顧客を持つ方にとっては
即使える内容が満載だと思います。


個人的には、
FAXを最初に受け取る事務員の心理をついたDM
という考え方が印象的でした。

FAXDMのキーマンは社長ではなく、
その前にいるのですね。


特に、中小企業を顧客とする商売を
されている方にお勧めの一冊です。
新規顧客開拓のヒントが得られることでしょう。


続きを読む

engineer_takafumi at 23:49|PermalinkComments(0)

2018年08月10日

革命のファンファーレ

本日は西野亮廣 氏の
革命のファンファーレ
です。
革命のファンファーレ 現代のお金と広告


本書は「キングコング」で、芸人として活躍しながら、
絵本の執筆や舞台の脚本、社会活動なども行う
西野氏による一冊です。

クラウドソーシングで資金調達をしたり、
周りの猛反対を押し切って、絵本を無料公開したり、
数々の今時の仕掛けを行って、
手掛けた商品をヒットさせています。
本書はそんな著者のマーケティング論です。

ネットの時代になって何がどのように変わったでしょう。
お金は? 信用は? 広告は? 営業は?
という問いに答えてくれます。

少し先進的すぎる部分もあるかもしれません。
しかし、世の中は確実にこの方向に向かっており、
その流れに逆らってはいけないと感じます。

著者は売れているので、世の流れをつかんでいるのは確かです。
自分の感覚と世の中の感覚のズレを
確かめることができるでしょう。


個人的には、
自分のアンチをうまく巻き込んで宣伝する
という部分が心に残りました。

批判を受けやすい著者のキャラ自体が
計算されたものなのです。


起業家やマーケティングに携わる方に
お勧めの一冊です。
新しい売り方のヒントが得られるでしょう。



続きを読む

engineer_takafumi at 15:12|PermalinkComments(0)

2018年07月02日

マーケティングとは「組織革命」である。

本日は
マーケティングとは「組織革命」である。
です。
マーケティングとは「組織革命」である。 個人も会社も劇的に成長する森岡メソッド

著者の森岡さんはP&Gで
北米パンテーンのブランドマネージャー、
ヘアケアカテゴリーのマーケティングディレクター
などを勤められた後、USJ入社。

USJの再建を成功に導いた後、2017年に
マーケティング精鋭集団「株式会社 刀」を設立。
マーケティングを普及させ日本を元気にすることを
ミッションとされています。


森岡さんの本は何冊か読んでいます。
そして、数字に裏付けられた理論は
本当に素晴らしいと感じました。

しかし、同時に疑問も生じました。
組織のカベなどで、必ずしも、
正しい戦略を実行できるとは限りません。

その中で著者はどのように組織を説得し、
戦略を実行することに成功したのだろう?
という疑問です。

今回の本はそんな疑問に応えてくれる
一冊となっています。

本書では、日本企業の組織的な問題点を指摘し、
著者の組織論、人材育成の方法を説きます。

森岡さんは、過去は相当攻撃的な方だったようです。
そして、相当煮え湯を飲まされてきたことが
うかがえますが、そんな風に揉まれながら、
著者なりの組織の動かし方を確立していくのです。

人間は自己保存を第一に考えてしまいます。
だから、その性質を望ましい行動に向けるような
システムを作らねばならないのです。

本書では、そのシステムのあり方、
下から組織を動かすときの方法論など、
著者がUSJの再建で得た経験が、
生々しい事例と共に語られています。


個人的には、
「対人コミュニケーションの4分類」
のところが特に印象的でした。
P&Gで多国籍の社員と仕事をする中でも、
コミュニケーションスタイルは
この4種類となるのですね。
人間の本質は単純だ、ということでしょう。


会社勤めで、組織を変えたい、
という志を持つ人は必読の一冊です。
組織はどこを押せば動くのか、
そのポイントを理解できるでしょう。


続きを読む

engineer_takafumi at 02:34|PermalinkComments(0)

2018年06月27日

100円のコーラを1000円で売る方法

本日は永井 孝尚 氏の
100円のコーラを1000円で売る方法
です。
100円のコーラを1000円で売る方法

本書はキャラが立った
主人公の宮前久美を中心に進むストーリの中で
マーケティング理論が学べるという
コンセプトの一冊です。

例えばバリュープロポジションやキャズムなど
少し難しいマーケティング理論が紹介されています。

特に本書で主張されているのは、
「顧客の言葉を聞きすぎるな」
ということです。

顧客の言葉をそのまま対応することは、
かえって顧客満足に結びつかないこともあるのです。


個人的には、
キシリトールのガムのプロモーションと
歯医者の話が印象に残りました。
きれいなWin-Winの事例ですね。


例えば、2時間の新幹線乗車などで、
さっと読める読み物としてお勧めです。
楽に読める上に、少し仕事に役立てることも
できることでしょう。


続きを読む

engineer_takafumi at 22:18|PermalinkComments(0)

2018年04月02日

新しい買い物 理想の社会を買い物でつくる。

本日は勝部健太郎氏と無印良品コミュニティデザインチームの
新しい買い物 理想の社会を買い物でつくる。
です。
新しい買い物 理想の社会を買い物でつくる。

本書は金融、クルマ、小売などの各業界で
ビジネス構築やマーケティングの実務経験があり、
一方、国内外の広告賞も多数受賞されている
著者による一冊です。

著者が2013年より無印良品と「MUJI passport」という
スマホアプリ開発の仕事を始めたことをきっかけに、
本書は無印良品の会長と社員を交えた、
対談という形で進められます。


無印良品はシンプルながらどんどん拡大を続け、
食品や文具中心であった旗あげ時から、
衣料品や家具、化粧品など生活全体をカバーする
品揃えになっています。

あまり派手さはないものの、
無印良品が消費者の心を
つかみ続けているのはなぜでしょうか?

そこには時代にマッチした、
「売り手」と「買い手」の理想像が存在していて、
それに従った展開をしているからなのです。

人はその理想像に共感するからこそ、
無印良品のファンになるといいます。

無印良品にあるのは、
「共感性」と「体験性」と「共創性」です。


ひと昔前とは消費者の「本当に買いたいもの」の
定義が変わってきています。

そんな時代の流れを教えてくれる一冊した。


個人的には、本当に大事なのは
「買う人」のパーソナライズではなく
「買ってもらう側」のパーソナライズだ、
という部分が特に印象的でした。


小売や商品企画に携わる人は
一読をお勧めする一冊です。
現代の消費者の心をつかむにはどうすればいいか、
ヒントが得られることでしょう。


続きを読む

engineer_takafumi at 22:53|PermalinkComments(0)

2018年02月26日

殺し屋のマーケティング

本日は三浦崇典 氏の
殺し屋のマーケティング
です。
殺し屋のマーケティング


「受注数世界一の、殺しの会社を創りたいんです」
女子大生の桐生七海は本気でした。

それを実現するために、
120万と半年の歳月をかけて探した「西城潤」、
ここから物語が始まります。

数奇な運命を背負った女子大生と
殺しの会社であるクラウド・シンジケート、
スナイパーや天才外科医、総理大臣などが
複雑に絡み合って物語が展開されます。

読者をつかんで話さない物語進行なので、
400ページほどを1日で通読することができました。


ビジネス小説というジャンルがありますが、
この本は小説よりのビジネスと言えます。

マーケティングのページもありますが、
普通の人は、純粋に話を楽しむために
読まれると良いと思います。
物語展開の意外性が大きく、とても楽しめます。


ネタバレになるとまずいので詳しくは書きませんが、
登場人物が殺された理由が意外性があって面白かったです。


ミステリーが好きな人にお勧めの一冊です。
物語を楽しみながら、多少のマーケティングの考え方を
頭にいれることができるでしょう。


続きを読む

engineer_takafumi at 02:19|PermalinkComments(0)

2018年01月27日

「欲しい」の本質

本日は大松孝弘 氏、波田浩之 氏の
「欲しい」の本質
です。
「欲しい」の本質〜人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方〜


「欲しい」の本質はインサイトです。
インサイトとは、「人を動かす隠れた真理」、

現代のような「だいたい、良いんじゃないですか?」
商品が氾濫している時代には、マーケティングは
インサイトを適切につかむことが要求されるのです。

本書の著者はインサイトマーケティング会社で
長年リサーチやマーケティング、プロモーションの
仕事をしてきました。

その著者らがインサイトの定義や見つけ方、
アイデアの出し方、業務プロセスの改善までを
説いた一冊です。

ちょっとカタカナ用語が多すぎで読みにくい、
と思うところもありましたが、
「欲しい」の本質を突いた良書だと思います。


個人的には、
人に買わない理由を聞くことには意味がない、
という部分が心に残りました。


特に消費財の製品開発、マーケティングを
担当している人にはお勧めの一冊です。
人の真の欲求を知るための、ヒントが得られるでしょう。

続きを読む

engineer_takafumi at 17:23|PermalinkComments(0)

2017年07月09日

♯HOOKED

本日はパトリック・ファーガン 氏の
♯HOOKED
です。
♯HOOKED 消費者心理学者が解き明かす「つい、買ってしまった。」の裏にあるマーケティングの技術 (T's BUSINESS DESIGN)

本書は関係者の方よりご献本いただきました。
オトバンクの上田様、ありがとうございました。


この本は消費者の購買真理について
心理学者が解説したものです。

読んでみると思うのですが、
消費者は驚くほど何も考えていない
というのが正直な感想です。

でも、消費者になぜ買ったのか質問をすると、
何か論理的な回答が返ってきます。

とはいえ、それは単なる後付けで、
本当の購買メカニズムは別のところにあるのですね。

だから、消費者の言うことをまともに聞いていると、
違う方向に進んでしまうわけです。

本書では、科学的な実験を元にして、
消費者の本当の購買理由を明らかにします。

人はだれでも消費者の面を持っていますから、
これを読むと、「確かにそうだな」
と納得することでしょう。


訳書は読みにくい本も多いですが、
本書は日本語版用の注釈が吹き出しでついていたり
カラー版にしたり、読みやすい工夫がされていました。


個人的には、
広告に出てくる人の目線は、
売りたいコピーに向けておいた方が良い、
という部分が心に残りました。
出来上がりのポスターを見てみると、
確かに後者の方が売りたいコピーに
注意が集まります。


一般消費者向けの商売をしている人にお勧めの一冊です。
消費者がどのような判断をしているのか、
購買のメカニズムが見えてくることでしょう。


続きを読む

engineer_takafumi at 22:17|PermalinkComments(0)

2016年10月02日

確率思考の戦略論

本日は森岡 毅氏、今西 聖貴氏の
確率思考の戦略論
です。


本書は著者の前著のUSJを劇的に変えた、たった1つの考え方
がとても良かったので購入しました。

USJのV字回復を実現させた著者のマーケティング手法として、
数学的な一面をまとめた本が本著になります。

テーマが「数学」であるのと、重々しいハードカバーの装丁から
かなり難しい本なのかと思いました。
しかし、数式は登場するものの、透明性の担保のために
載せられているだけで、基本的に読み飛ばしても
内容は取れるようになっています。

本書は森岡氏と数学を使った需要予測の専門家である
今西氏の共著となっています。
特に今西氏のパートでは、需要予測の数学モデルについて
相当突っ込んだところまで議論されています。

ただ、実際のところ、数学を使ったマーケティングで
一番難しいのは数学ではありません。

一番難しいのは、マーケットからどのようにして
データを取るか、それをどう解釈するか、という部分です。

本書でも「毒入り消費者データ」という表現で
その解釈の難しさが表現されていました。

科学や工学の分野と比べて、社会科学に数学を適用する
ことは難しいですが、その中で成果を挙げられる方が
どのような考え方をしているか、
その一端を理解することができました。


理系の学生やエンジニアにお勧めの一冊です。
数学が社会科学にどのように応用することができるかを
学ぶことができるでしょう。


続きを読む

engineer_takafumi at 13:12|PermalinkComments(0)