★理系本の書評

2018年09月05日

多変量解析がわかる

本日は涌井良幸 氏、涌井貞美氏の
多変量解析がわかる
です。
多変量解析がわかる (ファーストブック)

分散、共分散、相関係数など
基本的な事項から始まり、単回帰分析、重回帰分析、
そして、主成分分析や因子分析、SEM、判別分析まで
カバーされている一冊です。

特に、主成分分析や因子分析記述が数式に頼らず、
分かりやすい例で説明されています。

統計学は変数が多く、数学的な扱いが複雑なので、
初心者向けの表面的なものか、
専門家向けの難解な数学書になりがちです。

本書はその中間にある良書だと思いました。


大学教養課程の数学程度の学力がある方で
多変量解析を学びたい人にお勧めの一冊です。
入門書より一歩進んだ多変量解析を
短期間に学ぶことができるでしょう。

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engineer_takafumi at 01:08|PermalinkComments(0)

2018年08月02日

大学4年間のデータサイエンスが10時間でざっと学べる

本日は久野遼平 氏、木脇太一 氏の
大学4年間のデータサイエンスが10時間でざっと学べる
です。
大学4年間のデータサイエンスが10時間でざっと学べる

本書は東大でデータサイエンスに携わる研究者が
一般向けにコンパクトにデータサイエンスを説いたものです。

10時間で学ぶというコンセプトなので、
当然、あまり深く理解することはできませんが、
基礎的な用語を覚えることができます。

実際のところ、本書程度の知識さえあれば、
一般向けの記事を読むには不自由しないでしょう。


コンピュータの仕組みやプログラミングの基礎から
機械学習に関する統計学までカバーされています。

数学的に難しい部分は苦しいものの、
少なくとも学習の取っ掛かりは得られます。

熟読しようとは考えずに、
入門書の一冊として、読み流すといった
活用方法がお勧めです。


話題のデータサイエンスの最低限の知識を素早く学びたい、
という人にお勧めの一冊です。
少し専門的な文章も理解できるようになることでしょう。

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engineer_takafumi at 00:15|PermalinkComments(0)

2018年06月15日

大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる

本日は倉田 博史 氏の
大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる
です。
大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる


本書は「統計学とは何か?」から、
ヒストグラム、平均や分散などデータの整理方法、
確率分布、統計的な推定、回帰分析と
一通りの知識をつけてくれます。


1項目が見開き1ページで文章と図に分かれており、
読みやすい構成になっています。
また、四六判でコンパクトにまとめられていて、
専門書のようなとっつきくさがありません。
数式もなるべく使わないように配慮されています。
少なくとも、文字だけで理解することができます。


文字数に制限があるためか、
本質がまっすぐ書かれていて、
専門書にありがちな、わき道に入りすぎて、
本来の目的を見失う、ということがありません。

本気で理解しようと思えば副読本が必要ですが、
さっと要点だけ見る(理解ではありません)には
最適の本でしょう。


社会人が統計学を学ぶ時に
最初の1冊として選ぶ本にお勧めです。
統計という学問の全体像をつかむことができます。


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engineer_takafumi at 18:17|PermalinkComments(0)

2018年06月03日

超ひも理論をパパに習ってみた

本日は橋本幸士 氏の
超ひも理論をパパに習ってみた
です。
超ひも理論をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義 (KS科学一般書)

本書は素粒子物理を専門とする著者が、
超ひも理論の入門書として、
女子高生に教えるという物語形式で
超ひも理論をありえないほど
わかりやすく語った一冊です。

そうはいっても、実際は大学理工学部の
レベルくらいないと読めないでしょう。
しかし、元々は博士課程の学生くらいでないと
入門することさえできなかった学問が、
ここまで易しく書けるのは驚きです。

逆2乗測が崩れるとはどんな意味があるのか?
「強い力」とは何なのか?
超ひも理論で仮定する多次元とはどんなものか?
素粒子の質量の有無にはどんな意味があるのか?
など、今まで全く意味が分からなかった素粒子論を
部分的にも知ることができました。


個人的には、南部陽一郎先生の
「自発的対象性の破れ」がほんの少しでも
理解できたことが収穫でした。


素粒子物理に興味があるが
何を読んでも理解できない(普通)という
理工学部の学部生にお勧めの一冊です。
0を1にすることができるでしょう。

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engineer_takafumi at 04:06|PermalinkComments(0)

2018年05月15日

「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた

本日は橋本 幸士 氏の
「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた
です。
「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義 (KS科学一般書)

本書は理論物理学者である著者による、
学者が女子高生に素粒子論を教えるという設定の
読み物にした素粒子物理学入門です。


私も大学で4年物理を勉強してきましたが、
素粒子関連の物理学は結局歯さえ立たず、
挫折してしまいました。

その難しさの本質は、素粒子の物理学が、
あまりに普通の人の直感と離れていることと
それを記載する数学の難易度があまりに高いことです。

それほど難解な素粒子物理学を、
本書では数式を直接つかうことなく、
言葉で理解させてくれます。


しかし、題材が題材だけに
易しく書くといっても限度があります。

例えば、運動方程式と言われてわからない人は
残念ながら、この本の読者ではありません。

聞き手の設定は女子高生といいながら、
理系の女子高生です。
やはり最低限のハードルが上がってきます。

実際には、理工学部の学部生以上ではないと、
何かを得ることは難しい気がします。

それでも、素粒子物理専攻の大学院生以上の世界を
学部生レベルで垣間見ることができる本書は
本当に意義深い、画期的な一冊だと感じました。


いくら勉強しても素粒子物理の理解への
糸口が見えない、理学部の物理学科生にお勧めです。
0から1へと進むことができるでしょう。


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engineer_takafumi at 00:50|PermalinkComments(0)

2018年05月06日

中学校3年分の数学が教えられるほどよくわかる

本日は小杉 拓也 氏の
中学校3年分の数学が教えられるほどよくわかる
です。
中学校3年分の数学が教えられるほどよくわかる

本書は学習塾「志進ゼミナール」を主宰、
難関校合格の実績も多数持ち、
プロ数学講師として活躍されている著者による
中学数学のまとめ本です。

500ページほどの本に3年分の
中学数学のポイントがまとめられています。

図も豊富で式の変形も親切です。
また、著者の長年の経験から、
陥りやすそうな箇所については、
特に丁寧に解説されています。

数学の本としては、言葉の説明が
かなり多い方ではないでしょうか。
数式アレルギーの方にとっても
読みやすい本ではないかと思います。

また、ところどころに数学の歴史やウンチク話があり、
数学への興味を刺激してくれます。

中学数学についての何冊かの本を比較した中で
抜群にわかりやすく、楽しい一冊でした。


子どもが中学になって、
自分も数学を学びなおしてみたい
という親御さんにお勧めの一冊です。
タイトル通り子どもに数学を教えられるようになり
親子の会話がはずむきっかけになるでしょう。


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engineer_takafumi at 21:15|PermalinkComments(0)

2018年04月05日

「かわいい」のわざが世界を変える

本日は下川 眞季 氏の
「かわいい」のわざが世界を変える
です。
「かわいい」のわざが世界を変える: フィールウェアという発想

本書の著者は1982年にソニーに入社、
女性修士エンジニア第一号としてCCDイメージセンサ、
CCDカメラの開発・設計に従事、
「女性エジソン」と呼ばれるほど活躍されます。
その後、独立されて、現在は中小企業の支援や
「フィールウェア・プロジェクト」を主宰されています。

本書のテーマは「フィールウェア」、
つまり、人の感覚を誘発する「モノ」に
ついてのお話です。


本書には「天使の爪切」(ネイルニッパー)や
「CANGAL」(プルタブ缶オープナー)など、
フィールウェアの製品が紹介されています。

男の私でもかわいいと思うデザインで、
写真にワクワクします。

これからは感性の時代だ、と言われますが、
単なるデザインの問題だけではなく、
もっと深い何かがあるような気がします。

そこにたどりつくまでの一つのヒントがある
と感じさせられた一冊でした。


個人的には、
フィールウェアという言葉自体が
強く心に残りました。

少しわかりにくい言葉ではありますが、
これからの社会の行く方向を
示していると感じました。


中小企業を経営されている方に
お勧めの一冊です。
小さいながらも世界を変えようと努力している
著者の活動に共感できるのではないでしょうか。


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engineer_takafumi at 23:48|PermalinkComments(0)

2018年03月26日

「数学」の公式・定理・決まりごとがまとめてわかる事典

本日は涌井 良幸 氏の
「数学」の公式・定理・決まりごとがまとめてわかる事典
です。
「数学」の公式・定理・決まりごとがまとめてわかる事典 (BERET SCIENCE)

本書は高校数学を中心に、
数学で学ぶ項目をコンパクトにまとめたものです。

公式類がコンパクトにまとめられており、
また、グラフや図を多用して書かれているので、
短時間で概要をつかみやすくなっています。

価格もこの手の本としては比較的安いので、
カバーされる範囲を考えれば
コストパフォーマンスも良いと思います。


数学を勉強する大学生にお勧めの一冊です。
手元においておけば、高校数学で不明な部分を
さっと調べることができるでしょう。

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engineer_takafumi at 18:36|PermalinkComments(0)

2018年03月19日

統計学が最強の学問である[数学編]

本日は西内 啓 氏の
統計学が最強の学問である[数学編]
です。
統計学が最強の学問である[数学編]――データ分析と機械学習のための新しい教科書

本書は著者の大ヒットシリーズ統計学が最強の学問である
の数学編になります。

まず、本書では統計学だけではなく、
機械学習の基礎となる数学をテーマとしています。
これは、機械学習と統計学の基礎となる数学は
よく似ているということにあります。

本書の読者は統計学による推定に興味がある
と思われますので、機械学習にも関心があることでしょう。
そういう意味でお得な一冊と言えます。

全体として500ページを超えている大作ですが、
それは計算過程を詳細に追い、
また文章で丁寧に解説しているところにあります。

逆に言えば、冗長とも言えますので、
ある程度理解できている部分については
ざっと読み流すくらいの感覚で良いでしょう。

本書では交換法則、結合法則などの中学生レベルの話から、
線形代数、ベクトルの偏微分など大学レベルまで扱います。
ですが、目的が統計、機械学習に絞られているため
効率的に必要な数学を学ぶことができます。


個人的には、
ニューラルネットワークは単に「変な関数のよい近似方法」
という部分が特に役立ちました。


機械学習や統計学を業務に利用する人は
とりあえず手元に置いておきたい一冊です。
数学でわからないことが出てきたときに
辞書的に使える一冊になるでしょう。

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engineer_takafumi at 22:55|PermalinkComments(0)

2018年03月10日

数学図鑑: やりなおしの高校数学

本日は永野 裕之 氏の
数学図鑑: やりなおしの高校数学
です。
数学図鑑: やりなおしの高校数学


本書は高校で習う数学をわかりやすく
復習できるように配慮された一冊です。

イラストや図が多く、数学の本としては
かなりわかりやすい一冊となっています。

また、最後には大学入試の問題も出ており、
理解した項目の力試しをすることもできます。


子どもが高校生になって、
自分も高校数学を少し学び直したい
という人にお勧めの一冊です。
高校数学の本としては、
これ以上ないくらいのわかりやすさです。


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engineer_takafumi at 17:36|PermalinkComments(0)

2018年03月08日

機械学習を理解するための数学のきほん

本日は立石 賢吾 氏の
機械学習を理解するための数学のきほん
です。
やさしく学ぶ 機械学習を理解するための数学のきほん ~アヤノ&ミオと一緒に学ぶ 機械学習の理論と数学、実装まで~

本書は機械学習を勉強するときに、
必要となる数学の知識を解説したものです。

会話形式で読みやすく書かれていることと、
回帰や分類など機械学習に必要な項目に絞られており
効率よく、機械学習の数学を学ぶことができます。


また、本書では機械学習を実装するときの
pythonのサンプルコードが紹介されています。

とても基礎的なものではありますが、
このサンプルプログラムを動かすと
数学に対する理解も大きく深まるでしょう。


個人的には
過学習についての記述がわかりやすく
とても参考になったと感じました。


プログラムは得意だけど、数学の理論は苦手
というエンジニアにお勧めの一冊です。
とっつきにくい数学の理論を
体で覚えることができるでしょう。

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engineer_takafumi at 22:16|PermalinkComments(0)

2018年03月06日

統計学図鑑

本日は栗原伸一 氏、丸山 敦史 氏の
統計学図鑑
です。
統計学図鑑

本書は図やイラストを多用して読みやすく配慮した、
統計の入門書になります。

入門書ではありますが、「図鑑」とついているように
ある程度、網羅性を持っており、
カバー範囲は広く作られています。

数式は類書と比べて、はっきり少ないと思いますので、
数式アレルギーの方にもお勧めできる一冊です。


個人的には、検定の部分に多くページが割かれており、
例も豊富なので、理解に役立ちました。


統計を学び始めた人が、
用語集として手元に置いておくと良いと思います。
例が豊富なので、統計の理解が進むことでしょう。

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engineer_takafumi at 23:01|PermalinkComments(0)

2018年02月25日

エンジニアの成長戦略

本日は匠 習作氏の
エンジニアの成長戦略
です。
エンジニアの成長戦略


本書の著者は、エンジニアとして現場で実績をつくり、
医療機器メーカのプロジェクトマネージャー、
プラントメーカーの品質保証部門の責任者などを歴任。

現在は独立されて、エンジニアに対するキャリア指導、
工場の生産設備や品質保証のコンサルティングを
されています。

また、技術士をはじめとして、甲種危険物、ISO審査員など
多数の資格を取得されています。


そんな技術のプロである著者が、
本書でエンジニアのキャリアについて説きます。

エンジニアとしてのキャリアの積み方、
どのような知識を身につけるべきか、
キャリアチェンジの方法など、
エンジニアにとって、自分に特化したキャリア戦略論は
とても役立つことでしょう。


個人的には、
チャレンジャー号の事故を防げなかったエンジニアと、
シティーコープタワーの倒壊を防いだエンジニアの
対比の部分が印象的でした。


エンジニアを志す大学生、若手エンジニアに
読んで欲しい一冊です。
エンジニアとしてのキャリアの積み方が
つかめることでしょう。

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engineer_takafumi at 12:31|PermalinkComments(0)

2018年02月10日

テクノロジースタートアップが未来を創る

本日は鎌田 富久氏の
テクノロジースタートアップが未来を創る
です。
テクノロジー・スタートアップが未来を創る: テック起業家をめざせ

本書の著者はACCESSの共同創業者、
その後、ベンチャーを支援するTomyKを設立し、
エンジェル投資家として、東大発ベンチャー
ロボットのSCHAFTをはじめ、
たくさんのスタートアップを立ち上げてきました。

本書では大学発のスタートアップに焦点があてられ、
特に東大の研究者が起業した例が
多数紹介されています。

第一章でスタートアップ5社が紹介されており、
未来があり、本当にワクワクさせてくれる内容でした。


研究者とスタートアップの経営は、
全く違うスキルのような気がしますが、
実は共通する部分がとても多いのです。

これを読んで、起業に興味を持つ学生が増え、
日本の起業が盛んになれば良いな、
と感じました。


個人的には、
WHIIL社の話で、車椅子メーカの創業者に、
「試作だけで製品化する気がないなら、今すぐやめろ」
と言われたエピソードが特に印象的でした。


将来研究者になりたい、
と考えている学生に一読して欲しい一冊です。
新たな可能性を示してくれるでしょう。

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engineer_takafumi at 21:55|PermalinkComments(0)

2018年02月02日

いちばんやさしいブロックチェーンの教本

本日は杉井靖典 氏の
いちばんやさしいブロックチェーンの教本
です。
いちばんやさしいブロックチェーンの教本 人気講師が教えるビットコインを支える仕組み 「いちばんやさしい教本」シリーズ

本書はブロックチェーンの実装の実務経験が
豊富な著者によるブロックチェーンの基礎の本です。

仮想通貨やブロックチェーンの本は多いですが、
本書の特徴は「少し」技術に入っているところです。

この手の本は、技術にはほとんど立ち入らず、
ブロックチェーンによって世の中がどう変わるか、
ということにフォーカスした本か、
技術的な本だとエンジニア向けの高度な内容となり、
一般読者が読めるものではありません。

一方、本書ではあまり細部に立ち入ることなしに、
ブロックチェーン技術の理解に必要な暗号の技術を始め、
ハッシュ値、電子署名、PKIなどの
技術の必要性や概要が丁寧に解説されています。

これから、ブロックチェーンを学ぼうという
エンジニアにとっても、
専門書との橋渡しができる良書だと思います。


個人的には、
ビットコインのブロックチェーンは堅牢度が高い反面、
トランザクションの処理に時間がかかってしまう、
冗長性が高いのでリソースを無駄食いしてしまうといった、
問題点を正しく理解できたことが大きな収穫でした。


ブロックチェーンを理解したい
(他分野の)エンジニアにお勧めの一冊です。
無理なくブロックチェーン技術の全体像を
つかむことができるでしょう。

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engineer_takafumi at 23:48|PermalinkComments(0)