★理系本の書評

2018年02月02日

いちばんやさしいブロックチェーンの教本

本日は杉井靖典 氏の
いちばんやさしいブロックチェーンの教本
です。
いちばんやさしいブロックチェーンの教本 人気講師が教えるビットコインを支える仕組み 「いちばんやさしい教本」シリーズ

本書はブロックチェーンの実装の実務経験が
豊富な著者によるブロックチェーンの基礎の本です。

仮想通貨やブロックチェーンの本は多いですが、
本書の特徴は「少し」技術に入っているところです。

この手の本は、技術にはほとんど立ち入らず、
ブロックチェーンによって世の中がどう変わるか、
ということにフォーカスした本か、
技術的な本だとエンジニア向けの高度な内容となり、
一般読者が読めるものではありません。

一方、本書ではあまり細部に立ち入ることなしに、
ブロックチェーン技術の理解に必要な暗号の技術を始め、
ハッシュ値、電子署名、PKIなどの
技術の必要性や概要が丁寧に解説されています。

これから、ブロックチェーンを学ぼうという
エンジニアにとっても、
専門書との橋渡しができる良書だと思います。


個人的には、
ビットコインのブロックチェーンは堅牢度が高い反面、
トランザクションの処理に時間がかかってしまう、
冗長性が高いのでリソースを無駄食いしてしまうといった、
問題点を正しく理解できたことが大きな収穫でした。


ブロックチェーンを理解したい
(他分野の)エンジニアにお勧めの一冊です。
無理なくブロックチェーン技術の全体像を
つかむことができるでしょう。

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engineer_takafumi at 23:48|PermalinkComments(0)

2018年01月20日

鈍才が7件で何故成功できたのか

本日は清水優 氏の
鈍才が7件で何故成功できたのか
です。
鈍才が7件で何故成功できたのか

本書は著者よりご献本頂きました。
清水様ありがとうございました。

本書は1956年に東京大学理学部化学科を卒業され、
丸善石油(現コスモ石油)に入社、
石油化学の研究開発、企画、装置の建設・運転に従事、
50歳からバイオの基礎研究に分野を移して、
丸善石油の子会社の代表取締役として活躍された、
という著者による一冊です。

本書には著者が自分の仕事の殻を破りながら
成果をあげた7件の事例を中心に、
当時、成功を収めた著者の働き方を説いたものです。

成果もさることながら、
仕事の詳細まで克明に記されていて、
著者の記憶力に驚きました。


おそらく著者の世代には、
各方面で著者のような気概を持った方々がいて、
今の裕福な日本の土台を作ってくれたのです。

現在の日本経済は決して楽観はできませんが、
先輩達をがっかりさせないように、
がんばっていかなければなりません。


個人的には、昔の働き方が印象的でした。
今となってはインターネットなしでの
仕事など考えられませんが、
当時は打ち合わせを設定するのも電話で、
これほど大変だったのですね。

50〜60代のビジネスパーソンにお勧めの一冊です。
一世代上の活躍に元気をもらえることでしょう。

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engineer_takafumi at 22:59|PermalinkComments(0)

2018年01月08日

人工知能がほぼほぼわかる本

本日は坂本 真樹氏の
人工知能がほぼほぼわかる本
です。
坂本真樹先生が教える 人工知能がほぼほぼわかる本

本書は電気通信大学で教授として人工知能の研究をされており、
メディアでも幅広く活躍されている著者による、
人工知能の入門書です。

マンガやふきだしがたくさんあって読みやすい中にも、
ニューラルネットワークやディープラーニングなど、
難しい概念が理解できるように配慮されています。

特に2章の「人工知能に入れやすいものと入れにくいもの」
という切り口は、他の本ではあまり見られなかったので、
参考になりました。

人間の知能を実現するには、知覚を研究することが
必要不可欠なのです。


個人的には著者が研究されている
オノマトペ生成の人工知能が印象的でした。


ある程度体系立てて、しかも易しい本で、
人工知能を学びたい方にお勧めの一冊です。
図や絵がわかりやすいのでサラサラ読みながら
人工知能の要点を学べることでしょう。


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engineer_takafumi at 19:30|PermalinkComments(0)

2018年01月06日

人工知能は人間を超えるか

本日は松尾 豊氏の
人工知能は人間を超えるか
です。
人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)

本書は東大の准教授による人工知能の入門書です。

10万部を突破して、東大生協で1位を獲得したという
実績のある本になります。

ディープラーニングの理解に必要な本質的な部分が、
とてもシンプルにまとめられているので、
近年のAIのブーム(?)がなぜ起きたのか、
専門知識のない人でも理解できると思います。


人工知能を勉強して感じるのが、
自分たちの「知能」とは何か、ということを
考える良いきっかけになるということです。

われわれが何気なくやっていることでも、
アルゴリズム化がとても難しく、
コンピュータにしてみれば非常に高度な判断が
たくさんあるのです。

人工知能の研究はAI技術の進展だけでなく、
人間が自分の頭の使い方を見直し、
さらに進化するきっかけになるのかもしれません。

実際に将棋の世界では、
棋士がコンピュータの手を研究することにより、
さらなる高みへ到達しているようです。

人間かAIか、ではなく、
その中間に最適解が存在しているのでしょう。


個人的には、著者が、
人間の知能はプログラムで実現できないはずはない。
という態度を貫いていることが印象的でした。

人工知能を勉強してみたい人が
まず最初に読む本としておすすめです。
より速く、本質的な理解を得られることでしょう。


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engineer_takafumi at 16:58|PermalinkComments(0)

2017年12月26日

デザイナー・ベビー

本日はPaul Knoepfler氏の
デザイナー・ベビー
です。
デザイナー・ベビー ゲノム編集によって迫られる選択

「遺伝子組換え」(ゲノム編集)というと大勢の人が
危険なにおいを感じることでしょう。

しかし、実際のところ、遺伝子組買えの農作物などは
それほど危険なものではありません。

というのも、品種改良という形で、
似たようなことを昔からやってきたからです。


しかし、人間にそれを適用するとなると、
問題は非常に複雑になります。

例えば、実験に失敗はつきものです。
初のクローン羊であるドリーが生まれたとき、
それ以前に実験は400回以上失敗していました。

動物なら、それでも良いでしょう。
しかし、人間になるとその400個以上の命はどう考えるのだ、
ということになります。

また、遺伝子組換えを行う赤ちゃんをつくり出すとき、
親などがその判断をするのでしょうが、
当事者の赤ちゃん自身の同意は得られないのです。

ゲノム組換えは、何となく怖いと思っていましたが、
その本質を学ぶことができる一冊でした。
簡単な問題ではありませんが、ただ嫌がるのではなく、
正しく恐れなくてはいけません。


個人的には
ヒトは他の生物の遺伝子を組換えることができる
唯一の生物ではない、
という部分が印象に残りました。


生物学を志す人には一読して欲しい一冊です。
自分の学ぶ学問の社会への影響力を知り、
いい意味での緊張感を持たせてくれるでしょう。


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engineer_takafumi at 22:49|PermalinkComments(0)

2017年12月23日

ゲノムが語る生命像

本日は本庶悠 氏の
ゲノムが語る生命像
です。
ゲノムが語る生命像 (ブルーバックス)

本書はブルーバックスのベストセラーで
1986年に出版、その後24刷まで版を重ねたという
『遺伝子が語る生命像』の著者が、
「遺伝子」を「ゲノム」に変更し、
その間の生命科学の発展を盛り込んだものです。

生物が専門でない私にとっては、
若干難しい部分もありました。
しかし、全体が52節に分割されており、
ある程度の独立性があるので、読みやすいです。

生物の専門知識の勉強になるだけでなく、
ある事柄の生命科学全体における意味や、
著者の生命に対する哲学なども書かれており、
全体を俯瞰しながら、読むことができました。


個人的には、
人間のゲノムには非常に無駄が多い(冗長的)だが、
それが人間を繁栄へと導いたのではないか、
という部分が非常に印象的でした。


高校の生物程度の素養のある方が、
生命科学の進展を勉強したい時にお勧めです。
思想から、少し専門的なことまで、
1冊で幅広く学べることでしょう。


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engineer_takafumi at 18:20|PermalinkComments(0)

2017年12月22日

ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか?

本日は高橋 祥子 氏の
ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか?
です。
ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか? 生命科学のテクノロジーによって生まれうる未来


本書は第一線の研究者(東大博士)であり、
注目の若手起業家でもある高橋祥子氏が
「生命科学で今何が起きているか?」を語る一冊です。


生命科学は猛烈に進化しています。
13年前にはヒト一人のゲノムを解析するのに
3500億円と13年かかっていたののが、
今では10万円と1年で終わるらしいです。

この変化が、研究の方法そのものを変え、
さらに発展を続けています。

今は夢物語と思っていることが、
意外に早く実現できてしまうのではないか、
という期待を感じさせられました。


ただ、問題もあります。
特に生命科学には、いくらテクノロジーが発展しても、
解決できない問題もあるのです。

最後の50ページほどは、テクノロジーの発展と、
心理的、法規的な社会の受け入れ体制について
語っています。

テクノロジーはどんどん発展しますが、
人間はそんなに早く前に進めないものなのですね。

著者も色々たたかれているのでしょう。
しかし、研究者でありながら事業を立ち上げた才能を
ぜひ、この国のために役立ててもらいたいものです。

そのために自分が何ができるか、考えてみます。


個人的には、「遺伝子」と「ゲノム」の違いが
わかったことが収穫でした。
似ているようで、微妙に意味が違うのです。


生命科学を志す高校生に読んでもらいたい一冊です。
急激に発展するテクノロジーの中で、
自分の夢をふくらませることができるでしょう。

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engineer_takafumi at 22:44|PermalinkComments(0)

2017年12月07日

60分でわかる! クラウド ビジネス最前線

本日はクラウドビジネス研究会の
60分でわかる! クラウド ビジネス最前線
です。
60分でわかる!  クラウド ビジネス最前線 (60分でわかる! IT知識)

本書は「クラウドとは何か?」から
実際のサービスの概要まで、
初心者がクラウドを簡単に学べる一冊です。

フルカラーで図解、全部で150ページ程度と、
とにかく読みやすさに配慮されています。

その中でも主要なキーワードは押さえられているので、
一読すれば最低限の知識は身についているでしょう。


また、実際のサービスについては、
最大手のAWS(Amazon Web Services)に
絞って紹介されています。

ただ、他の会社を検討中の方にとっても、
多数の会社を薄く、広く紹介されるよりも、
ある程度深い知識を入れられた方が便利と思います。

恐らく他社でも同じようなサービスが存在するでしょうし、
こちらのほうがよりクラウドの知識を深められるでしょう。


個人的には、
日本企業がクラウドに対して(海外に比べて)
積極的でない理由が印象的でした。

特に中小企業やスタートアップにお勤めで、
クラウドの概要をできるだけ短い時間で
学びたいという方にお勧めの一冊です。
本当に60分程度で読めて、クラウド提供業者の
パンフレットが読めるくらいの知識は身につくでしょう。


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engineer_takafumi at 23:26|PermalinkComments(0)

2017年12月06日

この一冊で全部わかるクラウドの基本

本日は林 雅之氏の
この一冊で全部わかるクラウドの基本
です。
イラスト図解式 この一冊で全部わかるクラウドの基本


本書は図解式でクラウドの基本が学べる一冊です。

コンピュータはクラウドの時代と言われています。
でも、データセンターの遠隔コンピュータを
みんなで共有するんだろうな〜、
程度の知識しかない人が多いのではないでしょうか。

また、Webなどでよく見るけれど、意味がわからない
というコンピュータ用語がないでしょうか。

例えば、オンプレミス、仮想化技術、コンテナなどの用語、
また、PaaS、SDN、VPNなど英略字になると
さらに本当の意味を知らない人も多いことでしょう。

本書は見開きページで解説と図解がセットになっており、
読みやすく構成されています。

また、本格的に運用や選定をする人向けではないので、
あまり細く、難しい部分はなく、さっと読み進められて、
クラウドの一般常識を身につけられます。


個人的には、SDN(Software Defined Networking)の
中身がわかったことが大きな収穫でした。


ある程度コンピュータには詳しいけれども、
専門家ではない、という人にお勧めの一冊です。
短時間で一気にクラウドの基礎を勉強できるでしょう。

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engineer_takafumi at 23:09|PermalinkComments(0)

2017年12月01日

フェルマーの最終定理

本日はサイモン シン氏の
フェルマーの最終定理
です。
フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

数学に感動するというと、
限られた能力をもつ人間だけのように感じます。

しかし、17世紀にフェルマーによって予想され、
300年ものあいだ未証明であった定理が、
ある数学者によって証明される、
そのドラマには本当に感動させられました。

本書はフェルマーの最終定理が何であるか?
そして、アンドリュー・ワイルズによって、
それが証明されるまでのドラマを描いています。

ワイルズは一旦証明に成功したように見えましたが、
後に大きな問題が残されていることに気づきます。

栄光から、どん底に突き落とされ、
そこからまた這い上がるストーリーには
数学がわからなくても感動させられると思います。

ノンフィクションでありながら、
小説のように楽しめる一冊でした。

登場人物が数学者なので、
一般とはかなり変わっている人たちであることが、
話を面白くしているのでは、と感じました。


個人的には、証明の障害を回避したときの
ワイルズの言葉が印象に残りました。


数学好きな人はもちろんですが、
普通の小説が好きな人にも試してもらいたい一冊です。
数学の話にも感動させられることに気づくでしょう。


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engineer_takafumi at 23:32|PermalinkComments(0)

2017年11月28日

9プリンシプルズ

本日は伊藤 穰一氏、ジェフ・ ハウ氏の
9プリンシプルズ
です。
9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために

本書はベンチャーキャピタリストとして世界的に知られ、
現在MITメディアラボの所長である伊藤 穰一らによる一冊です。

現在、世界は人類がかつて経験したことのない
時代を迎えています。

つまり、テクノロジーの進化があまりに速く
人の一生の間にテクノロジーが何世代も
移り変わるような時代です。

こうした新しい時代に人間はどう生きれば良いか、
理念、哲学、行動原理を語ったのが本書です。

ここに並べられている9つの原理は
マジメな日本人が苦手なことのような気がします。

しかし、この本を読んで感じたことは、
案外、こんな時代は楽しいのではないのか、
ということでした。

実際、著者も「楽しもう」ということを言っており、
その姿勢が大事なのかな、と考えています。


個人的には、
「従うより不服従」の章、
特に批判と不服従は違う、不服従は作業そのものだ。
という部分が強く頭に残りました。


IT分野で起業を考えている人には
必読の一冊だと思います。
これからの時代の行動原理を学ぶことができるでしょう。

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engineer_takafumi at 22:47|PermalinkComments(0)

2017年11月27日

2050年の技術

本日は英『エコノミスト』編集部の
2050年の技術
です。
2050年の技術 英『エコノミスト』誌は予測する

本書は英国の有名経済誌『エコノミスト』が
2050年にテクノロジーの進歩により
世の中はどう変わっているかを議論したものです。

例えばAIが生活の隅々にまで入り込み、
各人に最適なサービスを提供するだろうであるとか、
エネルギー源は再生可能エネルギーに移るであろうとか、
なんとなく予測可能なこともありますが、
それより大事なのは受け手の人間です。

こんなことが可能になったとして、
人間がどのように感じるか、ということまで含めないと、
正確な予測はできません。

例えば、AIが小説を書けるようになったとして、
「AIが書いたとわかった文章に」人間は感動するでしょうか。

本書では、単に技術の進歩を予測するだけでなく、
その時人間がどうなるか、ということまで考察されています。

AIが意思をもって、人間を攻撃してくるように
なったらどうしよう、という心配をする人がいますが、
実際のところ、悪意のある人間がコンピュータを操作して
他人を攻撃してくる確率の方がはるかに高いでしょう。

技術の進歩に目が行きがちですが、
あくまでも中心にいるのは人間なのです。


個人的には
テクノロジーには意思があるように見える
という部分が印象に残りました。


技術開発に携わる方にはお勧めの一冊です。
テクノロジーがどんどん発展していく中で
人間がどう変化するか、考えるヒントを得られるでしょう。

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engineer_takafumi at 00:30|PermalinkComments(0)

2017年11月26日

科学技術のフロントランナーがいま挑戦していること

本日は川口淳一郎 氏の
科学技術のフロントランナーがいま挑戦していること
です。
AI・ロボット・生命・宇宙… 科学技術のフロントランナーがいま挑戦していること

本書は「フロンティアを目指す、サイエンスとアート」
というシンポジウムの内容を元に作られたものです。

シンポジウムでは12のセッションが開かれ、
日本を代表する研究者やジャーナリストなどが
活発に意見を交換しました。

内容はロボットやAI、宇宙、生命などの分野から
理系文系問題、政治行政などの話まで及んでいます。

専門家だけのシンポジウムでないため、
研究者たちが専門用語を使わず
わかりやすく説明してくれます。

一冊で様々な分野に触れられるので、
科学分野間の類似点、相違点などが際立ち、
大局的な視点が見に付く一冊でした。


個人的には、
サイエンスとは、知らないことを知ること、
アートとは、無いものを創ること、
という部分が印象的でした。


普段あまり科学技術に接点のない方が、
科学技術をざっと眺めたい時にお勧めの一冊です。
分かりやすい言葉で先端科学技術を俯瞰できるでしょう。


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engineer_takafumi at 04:24|PermalinkComments(0)

2017年11月16日

経済数学の直観的方法 確率・統計編

本日は長沼 伸一郎氏の
経済数学の直観的方法 確率・統計編
です。
経済数学の直観的方法 確率・統計編 (ブルーバックス)

本書は経済数学の直観的方法 マクロ経済学編に続いて
確率・統計(確率微分方程式)について解説したものです。


本書では標準偏差をスタートに、
ブラック・ショールズ方程式まで、
その考え方や背景を直観的に説明してくれます。

私の場合、確率微分方程式というものには、
まったく前提知識はなかったのですが、
一応、それが何であるかは理解することができました。

これは数学の専門書で学ぶと本当に難解です。
また、私にはその必要もありません。
ですので、知見を広げるという意味で、
さわりと本質だけを解説するこの本は嬉しい一冊でした。

また、数学的な事項だけでなく、
経済に対する著者なりの考察などもあり、
その部分も大変興味深かったです。


個人的には
拡散が √t に比例する、というところの
解説が大変参考になりました。

なぜ、標準偏差は2乗の平方根なのかという、
長いあいだ疑問に思っていた問題が解けました。

経済学を学ぶ学生はもちろんですが、 
確率・統計を勉強したい理系の学生にお勧めです。
経済数学に視野を広げながら、
確率・統計の真髄に近づくことができる一冊になるでしょう。


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engineer_takafumi at 23:47|PermalinkComments(0)

2017年11月09日

経済数学の直観的方法 マクロ経済学編

本日は長沼 伸一郎氏の
経済数学の直観的方法 マクロ経済学編
です。
経済数学の直観的方法 確率・統計編 (ブルーバックス)


本書は物理数学の直観的方法の著者である
長沼氏が経済数学について書いた経済数学の入門書です。

経済学は実際のところ理系顔負けの数学を
使っているらしいのですが、入学するのは文系の方です。

だから、物理数学以上にギャップが大きいと考えられます。
そこで、登場するのが本書です。

私は経済学の知識がないので、
そちらでついていけない部分もありましたが、
関数の最大値、最小値の問題を
経済学はこのように捉えているのだ
ということがわかり、面白かったです。

また、終わりの方に、
微分方程式や固有値の記述もあります。
悩んでいる人にとってはお宝かもしれません。


すでに理解できているところだと、
冗長に感じる部分もあるかもしれませんが、
新しい感覚を1個でも得られたら、
確実に価値のある一冊だと思います。


個人的には
位相空間の話のところで「lim f(xn)≠f(lim xn)」
に関しての記述が面白かったです。
思わず笑ってしまいました。


経済学で数学を使っている学生、
理系で経済学に興味がある人にお勧めの一冊です。
形式ではなく、本質を理解できるでしょう。


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engineer_takafumi at 22:52|PermalinkComments(0)