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2023年04月01日

AI時代に差がつく 仕事に役立つ数学

本日は鈴木 伸介 氏の
AI時代に差がつく 仕事に役立つ数学
です。


本書の著者は、医学部受験に特化した
数学マンツーマン指導の事業を中心に、
企業を対象にした数学リテラシー向上研修や
データ分析のコンサルティングを行っています。

また、一般向けに数学的な思考を伸ばす
セミナーを開催していたりして、
数学の価値を幅広い人に伝える仕事をしています。


そんな著者が本書で説くのは、
「仕事に役立つ数学」です。

「割合」にはじまり「相関」「標準偏差」……と、
統計を中心にビジネスに役立つ
数学の例を示してくれます。

ほとんど数式が使われていないので、
普通の本のように読み進められます。

それでいて、基本的な数学用語の概念と
それがどのように実社会で使われているか
学ぶことができるのです。


個人的には、
エクセルによる実践が多く入っていたことが
印象に残りました。

学校の数学が、問題集と紙の上で
行われるものだとすれば、
「仕事に役立つ数学」はエクセルの中で
動いているものなのかもしれません。

電卓だけでなく、本書に示したような形で
エクセルが使えることが、
実践的な数学力を有することなのでしょう。


数学に苦手意識をもつビジネスパーソンに
お勧めの一冊だと思います。
数学がどんな形で世の中で役立っているか、
理解することができるでしょう。


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engineer_takafumi at 21:39|PermalinkComments(0)

2022年01月16日

図解 身近にあふれる「微分・積分」が3時間でわかる本

本日は狭川 遥 氏の
図解 身近にあふれる「微分・積分」が3時間でわかる本
です。


本書は全国中学数学大会のファイナリストで、
現役の国立大学生(数学科)
による一冊です。


本書は身近にあふれる微分・積分
というテーマで、
例えば台風や料理、貯金、などから、
ジェットコースター、競馬のオッズ、
恋愛やいじめや昇進まで
あらゆることを微分・積分の視点で見ます。

確かに、グラフに表されることであれば、
どんなことでも微分・積分に
つなげることはできるでしょう。

多少、ムリがあるところもありますが、
微分・積分でこれだけのトピックを
書くことは面白いと思います。

微積分を理解するためというより、
微積分の大喜利くらいの軽い気持ちで
読むと丁度よいでしょう。


個人的には、
ほぼ全ての節に入っている、
グラフが楽しめました。


数学を教えている、
教師や講師の方にお勧めの一冊です。
生徒に教えるときの小ネタとして
面白いでしょう。

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engineer_takafumi at 18:23|PermalinkComments(0)

2021年06月07日

文系のためのめっちゃやさしい 微分積分

本日は山本昌宏 氏が監修の
文系のためのめっちゃやさしい 微分積分
です。


本書は対話形式で大学教授と
文系のサラリーマンが対話する形式で
微分積分をやさしく解説します。

微分積分とは何なのか? から始まり、
歴史や数学的な取り扱いを学び、
最終的まで微分方程式まで進みます。

微分積分がテーマですので、
数学的に少し難しくなる部分もあります。

でもそこで、対話相手のサラリーマンが
「ぜんぜんわかりませんっ!」
と言って、さらに突っ込んで教えてくれます。

人の「わからない」のポイントが
わかっているので安心して読める一冊です。


個人的には、
ニュートンやライプニッツなどの、
人物の紹介が特に印象に残りました。

人のドラマを絡めると、
無味乾燥な数学も生きた学問に
なるのかもしれませんね。


文系でちょっと微分積分に
興味を持った、という人におすすめです。
さらっと、微積分の概要を
学ぶことができるでしょう。

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engineer_takafumi at 00:19|PermalinkComments(0)

2021年05月30日

意味がわかる微分・積分

本日は岡部恒治 氏、本丸諒 氏による
意味がわかる微分・積分
です。


本書は学生時代に微分や積分を習ったけど、
「あれは一体なんの意味があったんだろう」
という人向けに、意味を解説した一冊です。

高校数学では、どうしても「受験」から
逃げることはできません。

ですから、意味を考えることより、
問題を解くことが優先されます。

そんな中で、何となく関数を微分したり、
積分して面積を求めることはできるけど、
その意味がわからない、
という疑問にピッタリと答えてくれます。

導入や説明が秀逸なだけでなく、
この手の本では取り上げられることの少ない、
ニュートン近似まで取り上げられており、
まさに「意味」を学ぶ一冊です。


個人的には
「加々速度(ジャーク)」のコラムが
特に印象に残りました。


高校数学を学び直したい、
理系の大学生におすすめの一冊です。
霧が晴れたように理解できて、
さらに高度な数学の土台となるでしょう。


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engineer_takafumi at 01:03|PermalinkComments(0)

2020年11月01日

図解 かけ算とわり算で面白いほどわかる微分積分

本日は佐々木 淳 氏の
図解 かけ算とわり算で面白いほどわかる微分積分
です。


本書は代々木ゼミナールの最年少講師から、
現在は海上自衛隊でパイロット候補生に
数学を教えている著者による一冊です。


微積分を言うと難しそうに聞こえますが、
実は数式でなく感覚でも学べるものです。

本書は図を多くして、感覚的に
微積分を感じられるよう工夫されています。

数式はほとんどありませんし、
微積分の実例も集められていて、
手軽に微積分を学べます。

文字数も多くないので、
1時間もあれば読めてしまうでしょう。


個人的には、
y=x^2の積分を解説する図が
分かりやすくて良いと思いました。


微分積分を簡単におさらいしたい
という人にお勧めの一冊です。
図を見ているだけでなんとなく微積分の
感覚をつかめるかもしれません。

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engineer_takafumi at 19:38|PermalinkComments(0)

2020年05月08日

数の世界 自然数から実数、複素数、そして四元数へ

本日は松岡 学 氏の
数の世界 自然数から実数、複素数、そして四元数へ
です。


本書は自然数、整数、有理数、実数、
そして複素数から四元数、八元数と
数の拡張の過程について説明する一冊です。

実際は四元数について
多くのページが割かれています。

大学教養レベル程度の数学力で
無理なく理解できるように書かれており、
読みやすい一冊といえるでしょう。

複素数(2元)の本質を理解するためには、
少し遠回りのように感じますが、
四元数について多少は知っておいたほうが
良いと感じています。

また、四元数は交換法則が成り立たない、
八元数になると結合法則も成り立たない、
というような性質が現れます。

そのような制約の多い「数」を
学ぶことによって、
「数」の本質が見えてくることでしょう。


個人的には、
四元数がそれほど広まってない理由は、
「非可換」であることが大きい
という部分が特に印象的でした。

やはり人は交換法則を当たり前に感じていて、
それを満たさない「数」を
奇妙に感じるのでしょう。


四元数、八元数を学びたい人はもちろん、
複素数をより深く理解したい人にお勧めです。
「数」の本質を感じられる一冊です。

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engineer_takafumi at 17:46|PermalinkComments(0)

2019年06月30日

予備校のノリで学ぶ大学数学

本日はヨビノリ たくみ 氏の
予備校のノリで学ぶ大学数学
です。


本書は教育系Youtuberとして、
理系の学部低学年をメインターゲットとした、
予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」
を書籍化したものです。

ほぼYoutubeの講義を再現するように作られており、
語り口や冗談まで再現されています。
その中でも、書籍になっているので、
読み手は自分のペースで読み進められます。

元のコンテンツの質が高いので、
期待通りの内容だと感じました。


個人的には、
超関数のところの説明が特にわかりやすい
と感じました。

「物理学者が勝手に使い出して」
というところが面白かったです。

大学生はもちろん、意欲のある高校生にも
お勧めできる一冊です。
大学数学で一番難しいことですが、
学びの見通しを立てることができるでしょう。

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engineer_takafumi at 23:34|PermalinkComments(0)

2019年01月30日

はじめての解析学

本日は原岡 喜重 氏の
はじめての解析学
です。


本書は数学の「解析学」という分野について
書かれた一冊です。

「解析学」とは微積分学にはじまり、
微分方程式や複素関数論などを包含した学問で、
一言でいうと「変化」を解析する学問です。

物理など、広く応用されている分野になります。


本書は数学の中で、微分方程式の代数的側面を
専門とする著者による一冊です。

解析学の多くの分野は専門外という著者ですが、
そのおかげで私のような素人にも
なんとか読める一冊に仕上がっています。

普通、数学は「定理→証明」の繰り返し、
という学問なのですが、本書ではその背景や
意味も触れてくれているので、
全体の見通しを立てやすい一冊でした。

私は普段数学に触れることは多いのですが、
数学の知識は大学教養課程程度でとまっています。

そんな私でも、本当に数学を専門とする方々が
世界をどのように見ているのか?
その一端を知ることができました。


個人的には、本書の前書きが印象的でした。
「自然の本質は変化です」にはじまり、
必要十分な言葉で解析学の本質が語られており、
数学という学問を研究する人らしい
美しい文章だな、と感じました。

私もこんな文章がかけるようになりたいと思いました。


数学を専門としない、理工系の大学(院)生、
研究者、エンジニアなどにお勧めの一冊です。
解析学を通じて、数学的なものの見方を
比較的らくに身につけることができるでしょう。

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engineer_takafumi at 22:46|PermalinkComments(0)

2019年01月20日

数学デッサン教室

本日は瑞慶山 香佳 氏の
数学デッサン教室
です。


本書は数式で作ることができる形を、
3Dグラフアプリで再現して鉛筆で描くという、
「数学デッサン」を専門とする著者の一冊です。

回転面やトポロジー、多面体など、
数学的な図形のデッサンがたくさん並びます。

画集のように見てもいいでしょうし、
数学的な背景を探ってみるのも良いでしょう。

デッサンはもちろん美しいのですが、
それに添えられている数式自体が
美しく感じられました。

数学と美術の関係は案外深いのだなと感じました。
実際、数学者は「美しい」という価値基準で
行動することが多いと言われていますからね。


個人的には3Dグラフのソフトウェアを
どのように使っているかが知りたかったです。

著者の今後の活動に期待、です。


数学を美しいと感じたことのある人には
お勧めの一冊です。
数学に潜む美しさを再確認することができるでしょう。

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engineer_takafumi at 11:27|PermalinkComments(0)

2019年01月18日

身近なアレを数学で説明してみる

本日は佐々木淳 氏の
身近なアレを数学で説明してみる
です。


本書は代々木ゼミナールなどで数学講師の実績を積み、
現在は海上自衛隊でパイロット候補生に
数学を教える仕事をしてる著者による一冊です。


例えばコピー機、家電量販店での買い物、パラボラアンテナ、
バーコード、宝くじなど身近なものを使って、
数学の本質を教えてくれます。

しかも、単なる雑学本になっているわけでなく、
微積分や対数、二進数、標準偏差など、
数学の概念を根っこから理解できるように
配慮されています。

数学の本といいながら、写真やイラストも多く
すらすら読めるところも気に入りました。

個人的には、分母の有理化の部分が印象に残りました。
ただの数学的手続きで意味はないとおもっていたのですが、
それなりの背景はあるのですね。


数学の教師や講師をされている方にお勧めの一冊です。
本書のトピックを使って、生徒の興味を引いて
よりわかりやすい授業をすることができるでしょう。



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engineer_takafumi at 22:10|PermalinkComments(3)

2018年12月21日

両辺に∫(インテグラル)つけちゃっていいの?

本日は中井 晶也 氏の
両辺に∫(インテグラル)つけちゃっていいの?
です。


本書は少しマニアックですが、
微分方程式を解くときに
f(x)dx=g(y)dy を  ∫f(x)dx=∫g(y)dy にしても良いのか?
という疑問に答えた本です。


私は正直この疑問を感じたことはありませんでしたが、
本書を読むと、自分の考えの浅はかさを感じました。

あたり前のように感じていたことが、
実は色々な矛盾を含んでいたのですね。

数学に厳密な人は気づくのでしょうが、
鈍感な私は気づきませんでした。
例えば、下のような問題です。
∫f(x)dx=∫g(y)dy は左辺はxの関数、右辺はyの関数で、
この等式は一体何が等しいと主張しているのでしょうか?


また、本1冊かけて議論しておきながら、
最後は「感覚で理解できたらγもΦも忘れてしまえ」
という潔さが気持ちよかったです。


個人的には、
定積分と不定積分は全く違うものとして考える
というところが印象的でした。

同じような表記なので、同一に考えてしまいますが、
内包する意味は異なるのです。


微積分を理解した大学生にお勧めの一冊です。
本書の議論により、読み物的に楽しみながら、
理解を一層深められるでしょう。

逆に、数学があまり得意でない高校生が
微積分を理解するために本書を読むのは間違いです。
余計混乱することでしょう。
まず、教科書をしっかり学んでからにして下さい。


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engineer_takafumi at 21:13|PermalinkComments(0)

2018年09月05日

多変量解析がわかる

本日は涌井良幸 氏、涌井貞美氏の
多変量解析がわかる
です。
多変量解析がわかる (ファーストブック)

分散、共分散、相関係数など
基本的な事項から始まり、単回帰分析、重回帰分析、
そして、主成分分析や因子分析、SEM、判別分析まで
カバーされている一冊です。

特に、主成分分析や因子分析記述が数式に頼らず、
分かりやすい例で説明されています。

統計学は変数が多く、数学的な扱いが複雑なので、
初心者向けの表面的なものか、
専門家向けの難解な数学書になりがちです。

本書はその中間にある良書だと思いました。


大学教養課程の数学程度の学力がある方で
多変量解析を学びたい人にお勧めの一冊です。
入門書より一歩進んだ多変量解析を
短期間に学ぶことができるでしょう。

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engineer_takafumi at 01:08|PermalinkComments(0)

2018年08月07日

マンガでわかる統計学

本日は高橋信 氏の
マンガでわかる統計学
です。



本書は敷居が高い統計学を
マンガでやさしく勉強しましょう
という趣旨の一冊です。

長年売れ続けているベストセラーです。


データの種類から、平均と標準偏差、
確率分布、相関係数、独立性の検定と進みます。

マンガだから読みやすいのはもちろん、
例が具体的なので、統計の難解な概念も
比較的頭に入ってきます。

ただ、網羅的に解説しているわけではないので、
しっかり統計学を勉強したければ、
この後、教科書を変えて勉強する必要があります。

それでも、その教科書を学ぶ時に、
この本で得た知識、感覚は役立つことでしょう。


統計学を始めて学ぶ学生や社会人にお勧めの一冊です。
統計学の最初のとっかかりができることでしょう。


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engineer_takafumi at 21:56|PermalinkComments(0)

2018年06月15日

大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる

本日は倉田 博史 氏の
大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる
です。
大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる


本書は「統計学とは何か?」から、
ヒストグラム、平均や分散などデータの整理方法、
確率分布、統計的な推定、回帰分析と
一通りの知識をつけてくれます。


1項目が見開き1ページで文章と図に分かれており、
読みやすい構成になっています。
また、四六判でコンパクトにまとめられていて、
専門書のようなとっつきくさがありません。
数式もなるべく使わないように配慮されています。
少なくとも、文字だけで理解することができます。


文字数に制限があるためか、
本質がまっすぐ書かれていて、
専門書にありがちな、わき道に入りすぎて、
本来の目的を見失う、ということがありません。

本気で理解しようと思えば副読本が必要ですが、
さっと要点だけ見る(理解ではありません)には
最適の本でしょう。


社会人が統計学を学ぶ時に
最初の1冊として選ぶ本にお勧めです。
統計という学問の全体像をつかむことができます。


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engineer_takafumi at 18:17|PermalinkComments(0)

2018年05月06日

中学校3年分の数学が教えられるほどよくわかる

本日は小杉 拓也 氏の
中学校3年分の数学が教えられるほどよくわかる
です。
中学校3年分の数学が教えられるほどよくわかる

本書は学習塾「志進ゼミナール」を主宰、
難関校合格の実績も多数持ち、
プロ数学講師として活躍されている著者による
中学数学のまとめ本です。

500ページほどの本に3年分の
中学数学のポイントがまとめられています。

図も豊富で式の変形も親切です。
また、著者の長年の経験から、
陥りやすそうな箇所については、
特に丁寧に解説されています。

数学の本としては、言葉の説明が
かなり多い方ではないでしょうか。
数式アレルギーの方にとっても
読みやすい本ではないかと思います。

また、ところどころに数学の歴史やウンチク話があり、
数学への興味を刺激してくれます。

中学数学についての何冊かの本を比較した中で
抜群にわかりやすく、楽しい一冊でした。


子どもが中学になって、
自分も数学を学びなおしてみたい
という親御さんにお勧めの一冊です。
タイトル通り子どもに数学を教えられるようになり
親子の会話がはずむきっかけになるでしょう。


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engineer_takafumi at 21:15|PermalinkComments(0)