2008年01月18日

広告コピーってこう書くんだ! 読本

今回ご紹介する本は、東京ガスの「ガスパッチョ」
新潮文庫の「Yonda!」、キリンビバレッジの「生茶」
などを手がけられたコピーライターの谷山雅計氏の書かれた
「広告コピーってこう書くんだ! 読本」です。



コピーライターという仕事は、
私のようなエンジニアから見るとまさに対極の仕事で
ひらめきがアイデアが全ての仕事と思っていました。

しかし、この本を読んでみると実はそうではなく
日ごろからの地道な努力や論理的思考などが必要です。

この本を通じ、彼らの持つプロ意識を強く感じました。
彼らの作るコピーには明確な意図が込められています。


クリエイト業の方はもちろんですが、
異業種だからこそ読んで欲しい本です。

自分と違う道を歩む人の経験を感じることができる。
これこそ本を読む醍醐味ですね。



「なんかいいよね」、禁止

例えば、映画や音楽、本や絵などを見て
「なんかいいよね」と感じることがあると思います。

しかし、この感覚はクリエイターが計算と思考の元に
作り出しているもので、何らかの意図があるのです。

そこで、「なんかいいよね」を「なぜいいのか?」
に変えてみましょう。作り手の立場に立って。

この視点で世の中を見ることができれば
どんな人だって何らかのモノを作れるようになる。
著者はそう説きます。


コピーでウソをつかない

例えば、古本屋に若者を呼び込むコピーを!
というと、多くの人はこんなことを考えるそうです。

「古本屋で本を買ったらあるページに涙の跡があって
 自分も同じところで涙した。」

しかし、実際に古本で涙の跡を見つけた人は?と聞けば
誰ももそんなものは見たことがない。

つまり、「バナナの皮ですべった」と同じように
言葉としては存在しても、結局はウソなのです。


また、こんな言葉を考えた人がいます。
「I love 東日本」

例えば、東京が好きな人がいる、大阪が好きな人もいる
日本が好きな人もいる、銀座が好きな人もいる。

しかし、「東日本」が好きな人って、いないですよね。

ウソや実際にありえないコピーでは、
絶対に人の心を打つことはできません。


そりゃそうだ、そういえばそうだね、そんなのわかんない

1980年台に書かれた有名なコピーがあります。
「好きだから、あげる」

これはギフトのコピーなのですが、
最近の若い人にはこのコピーの良さが
わからないことが多いそうです。

でも、それは感性に問題があるのでなく
むしろ自然なことと著者はいいます。

すなわち、好きな人にギフトをあげる
これは今ではあたりまえ「そりゃそうだ」です。
当たり前のことを言われても心に響きません。

でも、例えば1960年代などは、ギフトといえば
お歳暮やお中元など、好き嫌いでなく
お世話になった人に渡すのが普通だったわけです。
その時代だと、好きな人にギフトをあげることは
「そんなのわからない」になるわけです。
それでも、人の心には響きません。

次に1980年台、ギフトはお世話になった人に
渡すものではあるけど、それだけでは寂しいよね。
っていう風潮。「そういえばそうだね」です。

そこで、「好きだから、あげる」と言うと
人の心を打つわけです。

即ち、時代に応じた「そういえばそうだね」を探す力
それこそがコピーライターに求められる感覚なのです。






engineer_takafumi at 01:42│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ クリエイティブ

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