2008年11月04日

遺伝子時代の基礎知識

本日は東嶋和子さんによる
遺伝子時代の基礎知識
です。


本書は遺伝子組み換え作物に興味を持ち、
遺伝子を勉強しようと思い購入しました。


世間は遺伝子組み換え作物に過敏に反応していますが、
従来行われていた、家畜や農作物の品種改良も
結局、遺伝子の操作をしていることになるわけです。

もちろん、人間に害を与える可能性はあるのですが、
従来行われている検査基準で十分で、
特に遺伝子組み換えだから、という問題点はありません。

ここは素直に科学技術の進展による果実を受け取るべきです。


一方、遺伝子の技術は、クーロン人間や出生前診断など、
「生命とは何か?」という、人間の本質に関わる問題を
多く抱えています。

もはや、この問題は科学者だけのものではありません。
皆で議論して、必要であれば研究の中止を含め、
納得できる方向に進めなければならない。

21世紀に生きる人間として、
傍観は許されない問題だと感じました。



遺伝子組み換えされた食べ物を食べてなにか問題があるとすれば、
それはDNAそのものでなく、遺伝暗号の指示を受けて合成された
タンパク質に原因がある、ということを覚えておいて


従来の品種改良でも遺伝子をかなり強引かつ複雑に組み替えているのに、
その産物は(ネコやブロッコリもふくめて)
とりたてて規制もされず、『遺伝子組み換え』の表示もいらない。
現在の規制で実害は防げているし、みんなもまあ満足している。
突然変異種が(SF映画以外では)問題をおこしたケースもないよね。
その点は、遺伝子組み換え技術も同じなんだ。


科学では『クロ』だというにはなにか一つ証拠をあげればいいけど、
『シロ』というにはすべての可能性をつぶしていかなければならない。


最終的にダウン症児を妊娠していると診断されたのは56人で、
そのうち55人が中絶を選んでいる。


クローン技術が確立すれば、無性生殖への道が開かれる。
細菌の増殖や植物の接ぎ木のように、雌雄がいらない。
だからといって、卵子がいらなくなることはない。
精子がいらないだけだよね。
つまり、生殖にセックスはいらないどころか、男もいらない。






engineer_takafumi at 23:13│Comments(0) ★理系本の書評 | ⇒ 生物・化学

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