2011年09月12日

がんになったら肉を食べなさい

本日は溝口徹氏の
がんになったら肉を食べなさい
です。


当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


本書のテーマはがんです。
がんは身近かつ、恐ろしい病気なのですが、
この本を読むと、いかに自分ががんについて
何も知らなかったかを思い知らされました。

例えば、なぜがんで人が死ぬのか、
理由を説明することができるでしょうか?

この本では、著者が実践している治療法だけでなく
がんそのものの性質についてわかりやすく解説されていて
僕にも、がんの正体が見えてきたような気がしました。


がんという難しいテーマであるだけに、
特に治療法の話は、他の文献を調べることなしに、
無条件で受け入れることはできませんが、
本を読んでみると、理論の筋は通っていると感じます。


現在、日本人の3人に1人ががんで亡くなるとされています。
残念ながら、自分か、そうでなくても身近な人が
がんを患う可能性は非常に高いといえるでしょう。

その時にパニックに陥らないように、
平時からこんな本を一冊読んでおくと
良いのでないかと思います。




私たち人間の身体では、いろいろな説がありますが
毎日数千個のがん細胞が生じているといわれています。
そして私たちの身体は、毎日できる数千個のがん細胞を
きれいさっぱり消滅させているのです。


がんは、がん自身のためだけに新しい血管を作り、
その血管からがんが必要とする栄養や酸素を取り込み、
どんどん大きくなるという奇怪な手段を用います。


がんが悪性といわれるのは、患者さんの体から栄養を奪い続けて、
大きくなり続けようとするからです。
そしてがんの宿主である患者さんから、
がんの腫瘍が大きくなるために必要な栄養素が奪えない状態になったとき、
すなわち患者さんの生命が維持できない栄養状態になったとき、
がんは自らの一生も終えることになるのです。


遺伝子の異常によって生まれるがん細胞は、
もともとの身体にある調整機構を無視しますので、
どんなに食事中のタンパク質を控えて身体へのタンパク供給を少なくしても、
全くお構いなしに血液中のタンパク質を取り込み、
自分を大きくし続けます。


がんが進行すると、ほとんど全ての患者さんが貧血傾向になり、
がんはさらに元気になっていきます。


アミノ酸は、もとのタンパク質が植物性だったか、
動物性だったかラベルに書かれているわけではありません。
血液中に入るときには、ただのアミノ酸です。


がんが見つかり治療に取り組まれている方々には、
是非ともコレステロールのことは気にせず、
肉や卵などを摂取していただければと思います。


がん細胞と正常細胞の差はほとんどないため、
がん細胞だけに毒性を示すという理想の薬や放射線の波長を見つけることは
ほとんど不可能です。


実際に笑うだけでなく、鏡に向かって笑顔の表情を作るだけでも
NK細胞の活性があがることもわかりました。
機会ある度に作り笑いをするだけでも、がんの予防につながるというわけです。


身体にとって必要なタンパク質は、夜間睡眠中に合成されるので、
一般的に寝る前に食べるのは健康によくないといわれていますが、
がんの場合には特に寝る前に少しでもタンパク質を口にするのがよいのです。


がんの患者さんへのトータル栄養アプローチで最も重要な要素は、
カロリー不足にならないことなのです。


がん細胞には、短くなったテロメアを常に補充する酵素(テロメアーゼ)が
豊富にあり、テロメアをずっと失わない(いつまでも使える回数券を持つ)
ことで無限に分裂をすることができるのです。


強い抗がん剤を投与し、腫瘍が50%縮小すると、
その抗がん剤は「効果があった」と見なされます。
しかし多くの場合、その数ヵ月後に増大傾向を示し、
以前よりも増大の速度が速くなります。
そして、以前効果があった抗がん剤の効果は耐性によって減弱しています。


奏効率という表現がくせものです。
化学療法における奏効率とは、ある抗がん剤の投与によって、
CTなどの画像診断で腫瘍が50%以下まで小さくなる期間が
4週間連続する率ということです。


10人中2人のがんが4週間半分にできていれば、その抗がん剤は効果ありとし、
残りの8人に全く効果がなくても良しとされてきたのです。


食事療法は真面目に実行すると体重が減るものが多い。
すると、がんに対する抵抗力が下がってしまい、
がんの進行速度が急に速くなることが少なくない。
がんにかかったら、おいしいものを一杯食べて、
そこそこの体重を保つ必要がある。






engineer_takafumi at 22:51│Comments(0) ★理系本の書評 | ⇒ 医学・人体

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