2011年12月01日

おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ

本日は正垣泰彦氏の
おいしいから売れるのではない売れているのがおいしい料理だ
です。


本書は外食業界における理系経営者の本として
興味をもって購入しました。


私はエンジニアをしているので、
レストランからは遠い職種です。

ですが、この本は違和感なく自然に頭に入ってきました。
やはり、著者の考え方は理系的な要素が強いようです。

特に、売り上げの責任は本部の責任であって
店長の責任ではない、というところに共感しました。

これは論理的に考えていけば導けるのですが、
ワナにはまってしまうことが多いのでしょう。


さらに、様々な面でバラつきをなくそう
という考え方が製造業に通じるものがあると感じました。

ファミレスでサービスで差別化しようとしても、
時間帯や店舗でばらつきがあれば、
それは一番下のレベルでしか評価されませんから。


店舗のマネージャーの方で理系的な思考を身につけたい
と思う人には必読の一冊だと思います。

気合と根性ではない、何かが見つかるでしょう。



「良いモノは売れる…」という考え方は、地球の周りを
太陽や惑星が回っているという昔の世界観「天動説」と同じだ。


サイゼリヤは、店長に売り上げ目標を課していない。
店長の仕事は人件費、水道光熱費など経費をコントロールすることだ。


店の売り上げは「立地」「商品」「店舗面積」で決まる。
売り上げが悪くなるとすれば、商品開発をする本社の責任で、店長のせいではない


牛乳でも豆腐でも大抵のものは、
それぞれ一番高価な商品と安価な商品の価格差が、2倍以内に収まっている。


店長に売り上げ目標を課していない当社では、
他の店を視察し、優れた現場の改善提案をできるかどうかは、
店長から次のステップに上がるための重要な評価項目にもなっている。


「バラつく」作業は工場で


適正な利益を確保するという意味で、
私が創業時から重視する経営指標が「人時生産性」だ。


効率が悪かったとしても、問題は「人」にあるのではない。
「作業」にあるのだ。


私は食材の価格を値切ったことはないが、「検品」の結果、
突き返さざるを得ないことはよくあった。


何事も目標は高く設定し、その実現に向けて知恵を絞るべきだと
考える人もいるだろうが、その弊害は、
目標が達成できなくて当たり前という状態を生み出しかねないことにある。


食材に十分なコストをかけることで、粗利益を過剰には取らず、
お客様に還元するからこそ、店は長く続けられるのだ、と私は思う。


うちは外食企業としては珍しく、研究開発部門を抱えていて、
大学の農学部を卒業した社員が多い。


何かに取り組み、どうしても上手くいかないときに、
自分が悪かったと考えるのは、最も建設的な考え方だ。


サイゼリヤでは1年間に店長の5%が降格し、店長の補佐に戻る。
そこから店長に再度、昇格する人は昔の仕事の進め方を反省しているから、
前とは違って格段に仕事ができるようになる。
そのうえ、仕事ができない人たちの気持ちも分かるから指導もうまい。






engineer_takafumi at 02:13│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 経営

コメントする

名前
 
  絵文字