2012年10月09日

数学入門

本日は小島 寛之氏の
数学入門
です。
数学入門 (ちくま新書)

本書は雑誌の書評欄で紹介されているのを見て
興味を持ち購入しました。


この本は新書の数学の入門書ですが、
このカテゴリーだと、
数式を使わないとかマンガだとか、
やさしさを前面に出した本が多いです。

本書はそんな本とは距離をおき、
数式もバンバン使う本格派です。

やさしいだけではなく、
ちゃんとした数学の入門書にしたい、
これが、作者の意図のようです。


ですので、しっかり理解しようとすると
紙と鉛筆を持って式を追う必要もあります。

そう考えると、通勤電車の中など、
ちょっとした空き時間に読むという
新書のスタイルとはかけ離れてしまいますね。

読者にも、かなりの数学力、
それが無ければ努力を要求される本です。

ただし、教科書にはない視点が多いので
学習教材としては良いのではないかと思います。

その場合は机の上で、紙と鉛筆を準備して読んで下さい。


個人的には、集合の話に興味を持ちました。
大学の専門課程で学ぶ本格的な数学を
ほんの一部分ですが垣間見れた気分になりました。


大学で数学を学ぼうと考えている
理系の高校生にお勧めです。
受験とは違う数学の世界を見せてくれるでしょう。



「何と何とを同一視するか」ということが、
数学ではしばしば非常に本質的なこととなる。


実は、曲線で囲まれた図形の面積は、
「リーマン和が近づく極限」と定義されるのである。


高校ではリーマンの定理を避けるために、
「積分は微分の逆」というもっとわかりにくい導入をしている。


数学とは、ある意味で、
無限の操作を有限で済ませる技術を追求している学問だ、
という見方もできよう。


そこでカントールは、逆転の発想を持った。つまり、
「完備性を持つように、実数を創り出してしまえばいい」
と考えたのだ。


物理学者は、あくまでこの自然界で実際に成り立つ法則を暴こうとする。
あるがままをとらえようとする。
しかし、数学者は、成り立ってほしい概念を備えた素材を創り出してしまう。
つまり、新しい世界観、観念の中にしか存在しないような数や空間を、
それが論理的な矛盾をはらまない限りにおいて、
捏造してしまうことに躊躇しないのである。


想像力が及ばない空間における図形の特性、
たとえば「内部・外部・境界」といったものや、
「つながっている・ちぎれている」といったものを定義したり、
見抜いたりするには、集合論は大きな威力を発揮する。







engineer_takafumi at 03:02│Comments(0)TrackBack(0) ★理系本の書評 |  ⇒ 数学

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