2012年11月06日

ビジョナリカンパニー4

本日はジム・コリンズの
ビジョナリカンパニー4
です。
ビジョナリー・カンパニー 4 自分の意志で偉大になる

本書はビジョナリーカンパニーの最新作が出版されたと聞き
迷わず購入しました。


今までのビジョナリカンパニーの衝撃があまりに大きかったため
それと比べると前作よりはインパクトは大きくありません。

ただし、「二十マイル行進」や「ROL(Return Of Luck)」などの概念、
また、優れた企業は意外にイノベーション志向ではないことや、
リスクを嫌い、条件が満たされるまでは決断も速くないこと、など
意外な結論に驚かされました。


例えば、「拙速は巧遅に勝る」とか「イノベーションだ」
などとよく言われますが、必ずしもその常識は真でないのです。

今はあまりに世の中の移り変わりが激しく、
自分で時代を切り開くのをあきらめる気にさえさせられます。

この本は、その中で「自分の意思で偉大になる」
道しるべを与えてくれます。


また、ビジョナリーカンパニーを読んでいつも思うことですが、
この本は綿密な分析により企業の成功を研究した本なのでありながら、
そこから抽出される要素が、個人の生き方としても通用します。

「企業も人も同じなのだ」とあらためて認識させられました。


全てのビジネスパーソンが読むべき一冊だと思います。



われわれの調査では
「10X型企業が比較対象企業よりもイノベーション志向である」
という前提を裏付けるデータは出てこなかった。


選択肢Qとは、四半期一回ではなく毎月一回決算を発表することだ。
(中略)
こうすれば、アナリストは実際の決算数字を月間ベースで入手することで、
プログレッシブの四半期収益を比較的容易に予測できるようになる。


社会心理学の研究によると、不確実性が高い時代になればなるほど、
人々は権威筋や職場の同僚、集団行動など他人を基準に行動の手掛かりを求める。


100%の確率で状況は何の前触れもなく突然悪化すると信じている。
しかも非常に都合の悪いタイミングで、である。


二十マイル行進は単なる哲学ではない。
軌道から外れないようにするための工程表だ。
この工程表は具体的で、明確・賢明であると同時に厳格に守られるべきだ。


良い二十マイル行進は、「並外れた一貫性」を維持する。
良かれと思って一貫性を損なってはならない。


不確実で容赦ない環境下で二十マイル行進を怠ると、大惨事に陥る恐れがある。


われわれにとって驚きだったのは、いったん閾値を超えれば、
それ以上のイノベーションにこだわってもあまり意味がないと推察できる点だ。


インテルの10X型成功をうまく語っているのは、
「インテル・イノベーツ(インテルはイノベーションを起こす)」よりも
「インテル・デリバーズ」である。


未調整の砲弾が命中し、思いがけない大成果を手にすると、危険なのである。


iPodはいきなり創造的な飛躍を成し遂げたように見える。
だが実際には、天才的なひらめきでなく実証的な有効性に基づき、
段階的なプロセスを経て大成功を収めている。


10X型企業は比較対象企業よりも小さなリスクしか取らないのである。


時として速攻こそ即死をもたらすのだ。


誰にでも「ここは決定的に重要。だから完璧にやり遂げなければならない」
という瞬間がある。


思うように成果を出せなくなったとき、10X型リーダーは最初に
「従来の原則や手法が古くなって時代にそぐわなくなった」と想定するのではなく、
まず「レシピから外れてしまったのか」
「レシピを厳格に守る規律を忘れてしまったのか」などと自問する。


カナダ出身のNHL選手のうち年後生まれが
年前生まれよりも圧倒的に少ないのにもかかわらず、
殿堂入りしたカナダ出身選手の半数は年後生まれなのである。


幸運と不運の間には興味深い非対象性がある。


いつ幸運に助けられたのが認識できないとしたら、
それは自分の能力を過大評価している証拠である。


「世界がわれわれに何をするのか」でなはく「われわれが何をするのか」である。







engineer_takafumi at 06:03│Comments(0)TrackBack(0) ★一般書の書評 | ⇒ 経営

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