2013年02月16日

空飛ぶ納豆菌

本日は岩坂泰信氏の
空飛ぶ納豆菌
です。
空飛ぶ納豆菌 黄砂に乗る微生物たち (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


本書のテーマは黄砂と細菌です。

毎年、中国から来た黄砂が降ってくるという話は
ご存知の方も多いでしょう。

ただ、この黄砂はただ砂が飛んでいるだけではありません。
なんと、砂の表面にかなりの微生物を乗せてくるのです。


本書の著者はそんな細菌の移動を調査しています。
北極やチベット、砂漠など世界の各地に行って、
気球などを上げて調査されています。

研究そのものだけではなく、チームの取りまとめや
現地の人とのコミュニケーションなど
気をつかうことが多いようです。


空から細菌が降ってくるというと、
気持ちが悪いと思う人も多いでしょうが、
細菌とうまく共生していくことは大事なことなのです。


生物系の学科に進学を考えている人にはお勧めです。
実際の研究活動を垣間見ることができるでしょう。




黄砂の通り道に当たる地域が
「雨の酸性の程度が予想以上に低い」のである。


アジア奥地の乾燥地帯から飛び上がった砂塵の粒子が、
遠く太平洋の真ん中にまで運ばれ、海の食物連鎖を通して、握り寿司となる


独断と偏見を持って記録を見んといかんよ


オゾンホールが南極で生まれるのは、南極成層圏が極めつきの低温になるために
氷粒や硝酸を含んだ微粒子(極成層圏雲)が発生するから


空気の空気らしい性質は、空気中に微小な粒子(エアロゾル)が
浮かんでいるからこそ生まれる


空気については小学校や中学校で勉強するので、
私たちの持つ感覚は、学校教育の賜物なのであろう。
この感覚は、一言で言ってしまえば、恐ろしく無機的である。


こんな菌は地球上からなくしてしまい
食中毒が起きない社会を作ろうなどとは、夢にも考えないほうがよいのである。





engineer_takafumi at 23:47│Comments(0)TrackBack(0) ★理系本の書評 | ⇒ 生物・化学

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字