2013年09月03日

内向型人間の時代

本日はスーザン・ケイン氏の
内向型人間の時代
です。
内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

本書は自分が内向的な人間なので、
どう生きるべきかという指針が欲しくて購入しました。


今は外向性の時代といえるでしょう。
例えば、コーディネータ、コネクターといった
イベントを開催したり、人の繋がりの中心にいるような
人が高く評価されるのです。

一方、内向的な人間はどうしても人の集まる場が苦手で
静かな環境を好む、という特徴があります。

本書では、内向的な人間とはどういうものかという分析から
内向性が力を発揮する場面などが語られています。

内向的な人間にとっては本当に自信を得られます。


また、内向的な人間というものは、時としてスピーチなどでも
外向的な人間をはるかにしのぐパワーを出すことがあるのです。

そのメカニズムにも触れられており、興味が持てました。


一番心を打たれたのは、内向的な人間は思春期に大きくつまずく
という部分でした。

自分も高校時代などは、暗黒の時代でしたが、
それも意味があったのだな、と救われた気がしました。


自分を内向的と思う人にはお勧めの一冊です。
苦い思い出が明るい未来へ繋がっていることを
実感することができるでしょう。



どの研究を見ても、アメリカ人の三分の一から二分の一は内向型である。


多くの内向型は同時に「過度に敏感」でもある。


企業で大きな決断は少人数の会議でなされたり、
書類やビデオによるコミュニケーションを通じてされたりする。
大集団の前ではなされない。


研究によれば、内向型の人々は外向型の人々よりも、
オンライン上で自分について親や友人が読んだら
驚くようなことまであきらかにし、「本当の自分」をさらけだし、
オンラインの会話により多くの時間を割くことがわかっている。


集団が大きくなるほどパフォーマンスは悪くなることが、
研究から立証されているのだ。
四人のグループよりも六人のグループのほうがアイデアは
質・量ともに低下し、九人のグループではさらに低下する。
(中略)
例外は、オンライン上のブレインストーミングである。
電気機器を使った集団のブレインストーミングは、
きちんと管理されていれば単独作業よりもよい結果をもたらす。


モービルを見て盛大に手足を動かして騒いだ
二〇%の「高反応」の赤ん坊の多くは、思慮深く慎重な性格に成長した。
激しく反応しなかった「低反応」の赤ん坊は、
大らかで自信家の性格に成長している例が多かった。


感受性の鋭さと強い心は表裏一体なのだ。


どんなに社交術を磨いてもビル・ゲイツはビル・クリントンにはなれないし、
どんなに長くコンピュータの前に座っていても、
ビル・クリントンはビル・ゲイツにはなれないのだ。


とても敏感な子供が他人の玩具を壊してしまったと思い込んで不安を感じると、
同じことをくりかえさないように動機づけされる。


決まり悪いという感情は、その人が他人の判断を尊重している証拠だ。
決まり悪さは、個人が人間どおしを結びつけているルールを
どれくらい尊重しているかをあきらかにする。


不正解である9を押してしまうと、内向型はつぎの番号に移る前に時間をかけて、
なにが悪かったのかを考えている。
だが、外向型はそこで速度を落とさないどころか、かえってペースを速める。


もし、あなたが内向型ならば言うまでもないだろうが、
トイレに隠れるというのは驚くほどよくあることだ。


自分が何をうらやましいと感じるか注意してみよう。
嫉妬や羨望はある意味で醜い感情だが、じつは真実を語っている。


否定的な感情の抑圧が習慣になっている人は、
世の中をより否定的な視点で見るようになるのかもしれない。


内向型は友好的な状況で出会った人を好み、
外向型は競争的な状況で出会った人を好むのだ。


興味を持ったことだけに深く集中するのが好きで、
一度に大人数の友人と交流するのを苦手とする内向型の子供からすれば、
学校という環境はひどく不自然なのだ。


本当に変化するのは、子供でなく環境なのかもしれない。
大人になれば、職業や配偶者や、つきあう相手を自分で選ぶようになる。
自分の意思と関係なく放りこまれた世界で暮らす必要はなくなるのだ。


自分の人生に完璧な充足感を得て、それを家族や社会、
ひいては自分自身に還元しようという人は、
過去において自分の身に降りかかった苦難に意義を見出す傾向がある。


内向型の人にとって、思春期とは大きくつまずく時期であり、
傷ついた自尊心と社会的な不安が絡み合った深い藪のように感じられることが多い。






engineer_takafumi at 23:08│Comments(0)TrackBack(0) ★一般書の書評 | ⇒ ビジネスその他

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