2014年02月26日

「金縛り」の謎を解く

本日は福田一彦氏の
「金縛り」の謎を解く
です。
「金縛り]の謎を解く  夢魔・幽体離脱・宇宙人による誘拐 (PHPサイエンス・ワールド新書)

当面PHPサイエンス・ワールドは全てチェックしようと思い、
本書を購入しました。


金縛りというオカルト的な題名がついていますが、
これは睡眠の科学の本です。

よく、「怖い話」などで語られる金縛りとは、
睡眠麻痺という、睡眠障害の一種だったのです。

本書では、この金縛りという現象の科学的な検証から、
睡眠のメカニズムについての話に進みます。

科学の本ですが、謎解きをするように
興味を維持しながら読み進めることができました。


個人的には、睡眠とお風呂の関係、
(睡眠と体温の関係)が一番参考になりました。
お風呂に入ると眠れないと感じていたのですが、
確かな科学的根拠があることだったのですね。


良く眠れないという悩みを抱えている人には
お勧めの一冊です。
よりより睡眠をとるためのヒントを得られるでしょう。






一般の人たちのなかで、金縛りという現象が睡眠に関する
障害だと思っている人は、おそらく皆無に近いでしょう。


アメリカでは、成長して成人になった息子や娘たちが、
突然、抑圧された子どもの頃の虐待の記憶を催眠によって「回復」し、
親を裁判で訴えるという事例が頻発するようになりました。


彼らが「見た」と主張する「部屋の様子」は、夢と同じメカニズムによって
脳の中だけで生じたバーチャルリアリティ体験であり、
物理的な刺激がないのにもかかわらず生じた「感覚」、
すなわち「幻覚」体験に分類されるものです。


欧米や欧米の影響を受けた国々には、仰向けで眠ると
悪魔や魔女がやって来て、首を絞められるなどどいった
伝承が伝わっています。


睡眠麻痺という現象は仰向けの睡眠姿勢で眠ると
非常に起こりやすくなるようです。


記憶というのは、他の記憶に影響されたり、
時間に従って変容したりなど、正確で固定されたものではなく、
意外に簡単に変容してしまいます。


夢を覚えているという状況は、夜中に何回も目を覚ましている
ことと関係があります。
ほとんど夢など見たこともないという状態のほうが
よほど健康的な睡眠をとっていると言えるのです。


睡眠とは深部体温の低下と密接に関連している現象で、
体温をうまく下げられない場合にはうまく眠れません。


眠る予定の時刻の直前にお風呂に入るのは逆効果なのですが、
眠る予定のだいぶ前、一時間から二時間前にお風呂に入ることによって、
末梢の血行を盛んにして、一、二時間後の深部体温の低下を促すことができます。


アルコールはあくまでも「愉しむ」ためのものとして、
睡眠薬代わりに使うことはお止めください。






engineer_takafumi at 23:36│Comments(0)TrackBack(0) ★理系本の書評 | ⇒ 一般・その他の科学

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