2015年02月04日

勝ち続ける意志力

本日は梅原 大吾氏の
勝ち続ける意志力
です。


本書はちきりんさんのブログで紹介されていて
興味を持って購入しました。


本書の著者は格闘ゲームのプロで、
「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」として
ギネスブックに認定されている著者の勝負論です。

ゲームのプロ?と不思議に思われるかもしれませんが、
たしかに格闘ゲームの奥深さと競技人口を考えれば、
スポーツや将棋、囲碁、麻雀のプロがあるように、
ゲームのプロがあってもおかしくないように思えます。


ただ、ゲームのプロになるということは大変なことです。
スポーツなどと違い、他人から見ていると、
単に遊んでいるようにしか見えないため、
それを続けるには自分の道を行く覚悟が必要です。

現に、本書の著者も一回ゲームの道をあきらめ、
普通の仕事に転身をしています。

最終的にゲームの世界に戻ってきて、
そしてプロ契約にいたるわけなのですが、
その葛藤は本書の大きな読みどころです。


あと、本書のタイトルである「勝ち続ける」
という言葉にはゲーム特有の意味が隠されています。

つまり、ゲームは時代により変わっていくということです。
もちろん、ゲームが変わるとシステムが完全に変わりますので、
スポーツで言うとサッカーがいきなりラグビーになったり
するようなインパクトがあります。

その中で、著者は
「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」
の称号を得ているわけですから、
その時の流行りのゲームに順応してきたわけです。

このように、挑戦し続ける著者の勝ちへの哲学が
本書にはあますことなく語られています。


就職や転職を控えている人にお勧めの一冊です。
著者のストイックな姿に勇気をもらうことができるでしょう。




勝つことに執着している人間は、勝ち続けることができない


格闘ゲームでは結局、2010年8月に、ギネスブックから
「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」として
認定を受けるほどの成果を上げることができた。


僕の勝ち方にはスタイルがない。
スタイルに陥らないようにしていると言ってもいい。


大会で足をすくわれるような敗戦をするとき、
負ける相手は以前に「まぁ、いいか」と
軽視していたプレイヤーであることが多い。


勝負事において、ある人ならば仕事において、
苦手だと思う人と付き合ってみるのはとてもいい経験になると思っている。


ゲームに打ち込んでいると、ただただ遊んでいるように見える。
けれども、そこで真剣に考えることで自分もみんなと変わらない、
まだまだ捨てたものではないと安心することができた。


自分を持っている人は、「俺はこれでいい」と確信できている人なので、
圧倒的な集中力がある。


プレイ動画などを見てほしいが、
確かに悟りを開いたかのように無表情だと思う。
それは、人の目を気にしていない証拠であり、
完全に集中していることの体現でもあると思う。


できるだけ流行っているゲームをするようにしている。
みんなが好きな、その時々の王道と言われるゲームだ。


3、4年続けるゲームもあるが、最激戦地でないと感じた場合、
1年くらいでスパッとやめてしまうゲームもある。


よく分からないけど強いというのは、恐らく究極だろう。


よくひとりで、インタビューのシミュレーションをやっていた。
「梅原さんは、どんな思いでゲームをしているんですか?」
「(待ってました)僕は…」 こんな質問をされたら、こう答えよう。
どのような覚悟でゲームと向き合ってきたか、
誰にも負けることのない僕の熱い気持ちを答えられるようにしておこう。


僕にとってゲームは気軽に楽しむものではなかった。
負けた、言い換えると、ゲームの世界でこれ以上頑張れないと感じたら、
生きる気力を失うくらい大事なものだった。
だから、ゲームを諦めるしかなかった。


麻雀のおかげで、勝負事に対する自身は2倍にも3倍にも膨れ上がった。
ゲームでてにしたノウハウはあまり通用しなかったが、
徹底的に努力する僕の取り組み方、
子どもの頃から続けてきたやり方は間違っていなかった。


教師に「世の中にはこういう仕事があるから、
このなかからなりたい職業を選びなさい。」と言われたとき、
全然納得できない子どもだったのだ。
迷うどころか選択肢の少なさに強烈な違和感を覚えてしまった。


4連覇が懸かった大会で、これまでにないほど
自分を追い込んだのに勝てなかったことで、
頑張っても結果がでないことがあることを初めて知ったし、
頑張り方にも良い頑張り、悪い頑張りがあるのだと気づいた。


自分を痛めつけていると、努力しているような気になる。
しかし、そんな努力からは痛みと傷以外の何も生まれてこない。


誰にも負けないくらいやり込んできたという自負があれば、
どんな相手にも気持ちで負けることはない。
しかし、賞金目当てで頑張ってきた人間の気持ちは驚くほど弱い。


自分にとっての適量を考えるのなら、
「その努力は10年続けられるものなのか?」
自問自答してみるのがいい。


「プロ・ゲーマーを目指しているんですけど、どうすれば…」
そんなことを聞かれたら、僕は第一に覚悟を確認する。
30年前でも同じことを言えるのか。
いまがプロ・ゲーマーという土壌の整備された時代だから
目指しているのではないか。
プロ・ゲーマーになれなくても、もしも有名になれなくても、
真剣にゲームに向き合うことができるのか。


僕はいま、ちょっと遅めに世の中にでるくらいが
ちょうどいいのではないかとさえ思っている。
「アイツは力があるのに、なかなか認められない」と
噂される人の方が、いざ表舞台に出たときに堂々と戦える。


実力に見合った出方をしないと、たいていの人は勘違いを起こしてしまう。
満足して天狗になってしまうのだ。
その一方、潜伏期間が長い人は出てきた時の爆発力があるし、
苦労している分簡単には自分を見失わない。
気持ちの持ち様も含めて、実力が備わっていて、
常に感謝と努力を忘れない。


新しいものを否定しないこと。
そして、新しいものから素直に学ぶ姿勢を忘れないこと。


一番の人間は逃げられない、絶対に逃げてはいけないと思った。


運に頼る人間は勝ち続けられない。その真実に気づいた。
勝ち続ける人間は、運が悪くても勝てる道を追求し続けている人間だ。








engineer_takafumi at 23:58│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 自己啓発

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