2015年03月14日

頑張らなければ病気は治る

本日は樺沢 紫苑氏の
頑張らなければ病気は治る
です。


本書は出版社よりご献本いただきました。
あさ出版様ありがとうございました。


本書は精神科医でテレビ出演もされており、
ユーチューブやツイッター、フェイスブックなど
ネットを通して積極的に情報発信をしている著者の本です。


本書をひと言で言うと、「病は気から」がわかる本、です。

「病は気から」とは良く言われることですが、
これは決して非科学的なことではなく、
プラセボ(効果がない薬でも、飲んだという行為で症状が緩和される)など、
科学的にも確かに効果が説明されることなのです。

ただ、「気から」といっても、ただポジティブに前向きに
過ごせばよいというものでもありません。

本書のタイトルにもありますが、頑張りすぎる態度は
かえって病状を悪化させてしまうのです。

本書を読むと、病気をどのようにとらえれば良いのか、
薬や医者との付き合い方など、医者である著者が見てきた
「治る人」の心の持ちようが書かれています。
特に「不安」を消すことが、病気を治すのに一番大事なのですね。


個人的には、現代の医師が高いプレッシャーにさらされていることが
行間から強く読み取れたことが印象的でした。

ネットを調べれば、病気や薬の詳しい情報が簡単に得られる中、
なかなか言うことを聞かない患者も沢山いるようです。

改めて、医者という仕事の大変さを感じました。


現在、病気持ちの方はもちろん、その家族にお勧めしたい一冊です。
病気の家族にどのように接するべきかがわかるでしょう。



東京で診療して驚いたのは、患者さんがすぐ来なくなること。
再診率(初めて来た患者さんが2回目を受診する確率)は、
北海道にいた頃は80〜90%はあったはずですが、
東京では50%ほどと約半分です。


闘うのではなく、病気である自分を肯定し、受容するのです。
なぜなら、病気はあなたの「敵」ではないからです。


病気には、これ以上身体を酷使すると大変なことになりますよ。
少し身体を休めなさい、という「警告」の意味があるのです。


「飲んでも効かない」と思って薬を飲むと、効果は出ない


「プラセボが痛みをコントロールする効力は、
本物のアスピリンやコデインなどの鎮痛剤の55から60%」
もあったそうです。


医者と患者さんの間で、信頼関係を構築しよう!
こう言うと、「それは医者の仕事でしょう」と言う人がいます。
そう考えている限り、病気は治りません。


病気の治らない患者さんの特徴を1つ言えと言われたら、
私は「悪口が多い人」を挙げます。


睡眠不足は、より不安や恐怖を引き起こしやすい


ただ、「痛い」と表現するだけで、「痛み」のストレスが和らいだのです。


日記で感情や思考を自分の心の外側に記録することで、
内側に背負っていた重荷を下ろすことができ、
悩みを断ち切ることができるのです。


心に余裕がないと笑えないのですが、笑うことによって心に余裕も出てくる。


患者さんと闘わない、患者さんの心に「寄り添う」だけでいいのです。


何もできない。何もしてないようで、実はそうではないのです。


病気がよくなってくると、患者さんは「感謝」の言葉を口にするようになります。
そうすると、回復がさらにスピードアップし、退院、
あるいは社会復帰に向けた行動に拍車がかかります。


ボランティア活動や人を助ける活動をしている人たちは、
そうでない人と比べて非常に活動的でテンションも高い


人に情けをかける。
他者の悩みに心を寄せて、その人の健康を祈ると
ストレスは軽減し、自分も健康になるというデータです。






engineer_takafumi at 04:34│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ その他の本

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