2015年10月09日

社内プレゼンの資料作成術

本日は前田 鎌利氏の
社内プレゼンの資料作成術
です。


本書は会社の中でのプレゼンがうまくなりたくて購入しました。


本書の著者はソフトバンクの中でプレゼンのプロフェッショナルとして
孫さんを含む幹部への説明や経営陣が対外的に使う資料の作成を
担当してきた著者による社内プレゼン論です。

よいプレゼンというと、スティーブジョブズやTEDなど、
見栄えがして感情に訴えるプレゼンを思い浮かべますが、
社内の意思決定におけるプレゼンはそうではありません。

論理を着実に組み立てて、判断の背景と効果をきちんと
示すことが最重要なのです。

著者は「社内プレゼンの成否は9割資料で決まる」と言います。
その9割を決める資料の作り方を教えてくれるのが本書です。


テーマやストーリーの作り方から、グラフの色の使い方まで
社内プレゼン資料の作り方の全てが学べるようにできています。
また、その理論の全てに、背景が言語化されて説明されているのが
すばらしいと感じました。
初心者から上級者まで、レベルに応じた学びがあるでしょう。


個人的には、「グラフ=左」「キーメッセージ=右」、という原則が
とても心に残りました。


大事なプレゼンを控えたサラリーマンにお勧めの一冊です。
一読するだけで、プレゼンのレベルが1段上がることでしょう。



社内プレゼンの成否を決定づけるのは何か?
資料です。私は、社内プレゼンは「資料(スライド)で9割決まる」と考えています。


社内プレゼンにおいて、最大の失敗は「長い」ということです。


「ワンプレゼン=ワンテーマ」が基本です。


「あれもこれも説明しよう」としてはならない


「A案」と「B案」の2案を提示することを、私は強くおすすめします。
なぜなら、人間というものは、選択肢が1つしかないと、
「もっといいモノがあるかもしれない」と考える傾向があるからです。
逆に、選択肢を示すと、そのなかから「よりよいモノを選ぼう」
という思考が働きます。


方向性の異なる2案を提示してはなりません。
たとえば、顧客満足度を上げるために、「接客接遇研修」と「店舗のクリーンネス」
の2案を提示するようなプレゼンはNGです。
(中略)
ですから、2案を提案するときには、必ず、方向性は同じだけど
細部に違いのある案を提示してください。


2案のうち、どちらを推すのかを明確にするようにしてください。


ワイドスクリーンが適しているのは、トップが社員を鼓舞するときや
対外的に経営ビジョンを伝えるとき、
あるいは株主総会などの場でプレゼンするときだけです。


タイトルやキーメッセージは「13文字」以内が原則。


人の目の動きには「Zの法則」があります。
何かを目にしたとき、その全体を把握するために、
人の目はZの形で動くという法則です。


キーメッセージを配置する位置にも法則があります。
必ず、スライド中央より「やや上」に配置するのです。


●ポジティブ・メッセージは「青」
●ネガティブ・メッセージは「赤」


第1ステップがら順に「青」を濃くするグラデーションを展開することで、
事業遂行とともに「望ましい状態」に近づくことを
印象付けることができるでしょう。


考えさせないグラフが「優れたグラフ」


「ワンスライド=ワングラフ」という鉄則


グラフとメッセージを「縦」に並べない


「グラフ=左」「キーメッセージ=右」です。
なぜなら、左目から入る情報は右脳へ、
右目から入る情報は左脳へとつながっているからです。


キーメッセージをつなぐマークに矢印(↓)を使わない、ということです。
というのは「↓」を使うと、なんとなく「増減」を示しているように見えて、
誤解を招きかねないからです。
だから、こういうときには必ず三角形のマーク(▽)を使用するようにしてください。


論理の誘導にはアニメーションが有効。


グラフは「半分の高さ」で差が明確になる


「波線グラフ」はごまかしているように受け取られるのでNG


あまりに美形すぎると、決裁者の目線がそこに集中してしまうからです。
(中略)
冗談のような話ですが、決裁者の注意が本題からズレる恐れのあることは、
極力避けるに越したことはありません。


リアリティのある写真を使うように心がけてください。
たとえば、国内企業において、
見栄えがいいからと外国人モデルの写真を使うのはNG。


イラストを使うとどうしても幼稚でチープに見えてしまいます。
(中略)
特に「クリップアート」は古臭い印象があるためNGです。


<使用できるアニメーション>
●Powerpoint:フェード
●Keynote:ディゾルブ


「フェード」「ディゾルブ」以外に、1つだけ非常に使い勝手が
いいものがあるのです。「マジックムーブ」という機能です。
(中略)
私がプレゼン研修でマジックムーブを紹介すると、
受講生の皆さんが「この機能のためにKeynoteを使いたい」
と口を揃えるくらい優れた機能です。


社内プレゼンの成否はアペンディックスにかかっている
と言っても過言ではありません。


アペンディックスの加工に時間を使うよりも、
どんなツッコミにも応えられるように、
「数」を揃えることに力を注いだほうがよいでしょう。


聞かれたことだけに答える。
何も聞かれなければ黙って待つ。
これが、プレゼン後のディスカッションでの鉄則なのです。







engineer_takafumi at 23:31│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 仕事術、思考法・ツール

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