2016年07月18日

サードウェーブ

本日はスティーブ ケース氏の
サードウェーブ
です。


本書はPR関係者の方より献本頂きました。
長沢様、ありがとうございました。


本書はAOL(アメリカ・オンライン)の元CEOで共同創設者である著者が
AOL創設から、その成功と失敗の歴史。
そして、アメリカの未来への提言をまとめたものです。

著者のスティーブ・ケースの名前は、
日本ではあまり知られていませんが、
AOLの黎明期、すなわちインターネットの商業利用を切り開いた人物、
つまり、インターネットを一般に普及させた立役者です。


AOLは歴史的なタイム・ワーナーの合併から、
不運にもITバブルの崩壊を経て経営不振に陥り、
著者はAOLを去ることになりますが、
その失敗の体験もきちんと記されています。

スタートアップの歴史として、
とても価値の高い一冊と思います。


個人的には、マイクロソフトやコンピュサーブなど、
既存の大企業との駆け引きが心に残りました。


ITの業界で起業を志す人にお勧めしたい一冊です。
インターネットを最初に世に広めた体験から、
学ぶことは多いものと思います。




1996年当時AOLがダウンしたら国家的な事件になっていたのだ。
(中略)
この騒ぎはめったにない経験であると同時に、
信じられないほど素晴らしい事実でもあった。
インターネットが主流となったことを示すこれ以上の証があるだろうか?
何年ものあいだインターネットを使うことのメリットを説き続け、
稀にしか納得してもらえなかったことを考えると、
夢のように思われた。
私たちは大車輪でシステム復旧に取り組みながら会員たちを
落ち着かせようとしてくたくただったが、興奮も覚えていた。
10年以上にわたる長い戦いを経て、
とうとうインターネットの第一の波が本格化したのである。


第一の波では、コンテクストとコミュニティが同じくらい
重要であることを学んだ。
AOLでは、コンテクストとは、無数に見える選択肢の中で
人々を導くために、情報をわかりやすく提示して監督をすること、
主流の客層を引きつけるために信用のあるメディア企業と
取引することを意味していた。


教育のイノベーターたちは、
第一の波ではテクノロジーに集中しすぎ、
第二の波ではコンテンツを重視しすぎていた。
第三の波で勝利を収めるのは、テクノロジーを活用し、
素晴らしいコンテンツに焦点を当てながら、
コンテクストとコミュニティの重要性を理解している者たちだ。


第三の波の勝者は、社会に大きな影響を及ぼすアイディアを、
切迫感を持って、しかも丹念かつ巧みに追求するものたちだ。
なぜなら、これからの企業は、相反するふたつの見解のあいだで
最適なバランスを見つけなければならないからだ。


一方では、ある意味"無知"であることが
革新的な成功の決め手となる。


1950年代のシリコンバレーは、ウィリアム・ショックレーが
半導体会社をスタートさせるまでは、ただのリンゴ園にすぎなかった。


ニューヨーク・タイムズ紙が書いたように、
「ヘブライ移住者援助教会がなかったら、
グーグルは生まれていなかったかもしれない」






engineer_takafumi at 04:56│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ ビジネスその他

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