2017年06月19日

会社でやる気を出してはいけない

本日はスーザン・ファウラー氏の
会社でやる気を出してはいけない
です。
会社でやる気を出してはいけない


本書は出版社の方よりご献本いただきました。
マルコ出版さま、ありがとうございました。

「会社でやる気を出してはいけない」
という刺激的なタイトルの本ですが、
要は、頑張ってしぼり出さなければいけない
「やる気」ではなく、本来人が持っている
気持ちを生かすようにしなさい、という事です。

人は仕事をする以上
みんなモチベーションを持っています。

問題はそのモチベーションが高いか低いでなく、
何にモチベーションを感じているかなのです。


私もエンジニアを長く続けているので、
なんとなく雰囲気の良い職場、悪い職場など
色々な部署を経験してきました。

今まで、それは本当になんとなくだったのですが、
本書でその感覚が言語化できるようになりました。

問題は「やる気」の質にあったのです。


個人的には、前向きのモチベーションは、
決して後向きのモチベーションには敵わない
という箇所が心に残りました。


部下を持つマネジャーにとって
とても得るところの多い一冊だと思います。
精神論でなく、科学的なモチベーション論を
身につけられることでしょう。



人はいかなる場合でもモチベーションを持っています。
問題はやる気があるかどうかではなく、
なぜやる気があるかなのです。


リーダーとしてなすべきは、
職場で部下が関係性を実感できるように計らうことです。
それは、互いに尊重し合っていると思えるよう、
誠意をもってつながっていると感じられるよう、
自分より大きなものに貢献できるよう
導くことにほかなりません。


人のやる気を引き出そうとしてもうまくいかないのは、
関係性を感じるよう他人に無理強いすることが
できないからです。


子どもたちの自己制御力の高さは
環境ならびに経験と深く関係していたのです。


従業員は職場に関して、頼りになるか否か、
安心できる場か不穏な場か、信頼できるか否か、
というふうに絶えず評価を下しています。
そして、信頼性があり安心できる職場環境のほうが
高い自己制御能力を持てる可能性がずっと大きいのです。


皮肉にも、後ろ向きタイプのモチベーションが
生み出すエネルギーは中毒性を持っており、
それと同時に人を疲弊させます。
(中略)
マイナスのエネルギーを維持するには、原因を問わず、
怒りを燃やし、失望し続けるしかありません。


前向きタイプのモチベーションが持つエネルギーは、
後向きタイプのモチベーションが放つ
マイナスのエネルギーにはけっしてかないません。


価値観は高い自己制御力を支える柱です。
それなのに、仕事に関して自分は
どんな価値観を持っているかと疑問を抱き、
深く考えたことのある人はほとんどいません。


従業員は外発的モチベーションに夢中になると、
他人や物に操られるようになり、
知らず知らずに自律性を失ってしまうのです。


人は、自律性を損ねるような職場をつくる
リーダーに対して憤りをかんじます。
そのうえ、結果を出せと部下を追い立てる
上司を利己的だとみなします。


どんな感情でも容認するが、
どんな行動でも容認できるわけではない、
という姿勢を持ちましょう。
感情を察知し、それを受け入れ、対処するのです。
自らの心の声に耳を傾けて、
感情が重大な役割を果たしていることを認めて、
自己制御力を鍛えてください。


ビジネスの目的は、
従業員と顧客の双方に奉仕することである。
利益はそこから生まれる副産物にすぎない。


権力を手にしたのだから、
けっしてそれを使ってはいけない。
優れたリーダーになれるのは信頼と尊敬を集めるからであって、
権力があるからではない


海軍の司令官だった父親は息子に向かって、
有無を言わさず部下を従わせるのが
軍隊流のリーダーシップだと思っている人は
一度も戦場に行ったことのない人間だと語りました。
「上に立つ人間がそんな態度を見せたら、
部下は敵より先に上司を撃ち殺すだろう」


リーダーとは部下が心理的欲求を
満たしうる職場づくりを担う人間である


大事なのは結果だけにあらず。
そこに至るまでの理由と過程も重要である。


人生と同様、仕事でもっともやりがいを感じられるのは、
測定が何よりも難しいことなのです。






engineer_takafumi at 05:57│Comments(0)TrackBack(0) ★一般書の書評 | ⇒ 人材・人脈・マネジメント

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