2017年12月17日

たった一言で人を動かす 最高の話し方

本日は矢野香 氏の
たった一言で人を動かす 最高の話し方
です。
たった一言で人を動かす 最高の話し方

本書は元NHKキャスターで、
今は政治家や経営者などエグゼクティブに
スピーチを教えるコンサルタントとして
活躍されている著者による一冊です。

本書のテーマは『間』です。
つまり沈黙ですね。

話をしていると沈黙が気まずくて、
間は埋めなければいけないもの、
と感じることもあります。

しかし、間は特に聞き手にとって大切で、
話し手の表現の1つと考える必要があるのです。

例えば3秒の間と言いますが、
話し手と聞き手の間に大きなギャップがあります。

つまり、話し手は間を長く感じますが、
聞き手は短く感じてしまいます。
話し手にとって3秒の間は恐ろしいです。

でも、それを乗り越えて、使いこなしてこそ、
最高の話し方に近づくことができるのです。


スピーチをすることが多い人にお勧めの一冊です。
『間』の効用を意識することで、
短期間でスピーチの質が高まることでしょう。




「残念な話し方」には、ある共通点があります。
それは「間」を意識していないということです。


「間」はとるものではなく、意識的につくるものです。
聞き手の反応を見ながら「間」をとるのではなく、
「聞き手に反応してもらいたい場面」で、
積極的に自分から「間」をつくるのだ、
と考えてください。


5秒以上のロングの「間」は一対一の場面で使うよりも、
このように一対大勢で話す場にふさわしい「間」です。


ザッカバーグ氏の卒業式スピーチでも
この方法を使っています。
原稿をめくるという動作で5秒以上のロングの「間」をとり、
話のまとまりを作っています。


私がスピーチコンサルタントとして
政治家や経営者に指導するときは、
水を飲むタイミングは戦略として使います。
「間」をとるために水を飲むという動作を入れるのです。
たとえ喉が渇いていなくても、です。


書いている途中は聞き手に背中を向けることになりますが、
問題ありません。
ここでのポイントは書いている最中は話さないことです。


「一文一息」とは、一文=ワンセンテンスを一息で、
息継ぎせずに話すことです。
この「一文一息」は、「間」をつくるために
最適な話し方と言えます。


一文が長くなってしまう原因は、
話しながら次に言うことを考えているからです。
日常会話ではこのように迷いながら
一文を長めに話すのが普通です。
だからこそ、「一文一息」で話すとその効果が際立ちます。
迷いを感じさせるような話し方では、人は動きません。


より力強く相手を動かしたいときは35文字以内。
短い文章ほど、人の記憶に強く残りやすくなります。
話すリズム、テンポが絶妙だからです。


「思います」と言いたくなるのは、
逃げ道を確保したいという気持ちの表れだからです。


スピーチやプレゼンテーションでポイントをまとめるときは、
1つまたは3つ、5つが一般的です。
偶数よりも奇数のほうが人は落ち着きます。


相手の吐く息のリズムに合わせて、頷いたり、
「はい」「ええ」「はあ」などと相槌を打ったりします。
これが話を聴くときの「間」です。


相手が息を吸う瞬間、わずかな「間」ができます。
その「間」に、「仰る通りですよね」と頷き、
すぐに「それで本日のテーマですが」と
自分の欲しい情報に導くのです。


話の切れ目、意味の切れ目を待つのはやめて、
相手の息が切れるのを待つのです。


早口でしゃべる人は、
息が浅くて短い息で多くを語ろうとするから、
早口になってしまうことが多いのです。


CMという「間」をとった後で、
再度番組のメインテーマを繰り返し伝えるのです。
アナウンサーは、今自分たちが何の話をしているかを
強調しながら進行します。


普段の会話でもタイトルを考え要所要所で
繰り返すことで強調すると話をまとめやすくなります。
目的に沿った方向に会話を導くことができます。


「『間』はしゃべっている表現の1つ。カットするな」
それが上司の教えでした。


「間」は無言ではなく。
言葉にできない「間」にこそ、心の声がこめられている。


自分がなぜその仕事をしているのか。
自分はなんのために働いているのか。






engineer_takafumi at 10:45│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 書き方・話し方・言語

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