2017年12月18日

新DMの教科書

本日は日本ダイレクトメール協会 の
新DMの教科書
です。
新DMの教科書 (「DMマーケティングエキスパート」認定資格公式テキスト)

広告はデジタル媒体が全盛となっていますが、
ターゲットや商品においては、
まだまだDMのほうが効果的なこともあります。

むしろ、あえてアナログ的な手段を使うことにより、
顧客の注意を引くことができるかもしれません。

本書は経営コンサルタントや
ダイレクトマーケティングの専門家、
コピーライターとしてDMに携わっている人など、
この道に専門家によるDMの教科書です。

私はこの業界は詳しくないのですが、
基本的な用語の説明もしっかりしていて、
事例なども取り入れられているので、
最後までスムーズに読み進めることができました。

DMは歴史が長いので、こうしたほうが反応が良い
というセオリーがたくさんあります。

それを学ぶことができて、有意義な一冊でした。


また本書は「DMマーケティングエキスパート」という
DMに関わる認定試験の教科書となっています。

広告の実務に携わる方であれば、
挑戦してみると良いのではないでしょうか。

個人的には、ベネフィットを提示するとき、
金券やクーポンなどを入れておくと
反応が良くなる、という部分が印象に残りました。


DMを作る人であれば、
まず読んでおきたい一冊だと思います。
おさえるべき基本を素早く学べるでしょう。




差出し手が、商品を買ったり会員だったりしている
取引先(顧客リスト使用)である場合、
受取り意向は81%だったのに対し、
取引のない差出し手(名簿リスト使用)からの
受取り意向は11%となり、
無宛名の7%とほとんど差がない
低い数字となっている。


2:8の法則(パレートの法則)
一般的には全体の上位20%の顧客が
売上の80%を占めているということで、
企業の顧客層と売上の関係にも
あてはまる場合が多い。


1:5の法則
新規顧客に販売するコストは、
既存顧客に販売するコストの5倍かかる


5:25の法則
顧客離れを5%改善すれば、利益が25%改善される


送り手としても、大勢に向けた手紙ではなく、
「1人の顧客に宛てた手紙」だということを
強く意識すべきだ。


「どの町丁目に配布をすべきか」という
エリアのセグメントが必要となってくる。
そのセグメントを行う機能をGISが担っている。
GISとはGeographic Information Systemの略で、
日本語では地理情報システムと訳される。
(中略)
GISとは簡単に言うと、地図の上にある統計データを
使用して分析を行うシステムである。


【アンケート設計のポイント】
基本は「実態」→「意識」→「属性」の流れ。
(中略)
「属性」である個人情報を最初に聞いてしまうと、
回答者の警戒心が働き、
アンケートに答えてくれる確率が低下するおそれがある。


「当店を気に入っていただけましたか」
という全体の質問に対して、
「気に入った」と回答した人には、
次に「スタッフの対応はいかがでしたか」
という個別の質問が続くと、
実はそれほど良くないと思っている場合でも
「良い」という回答をしてしまう傾向がある。
そのような事態を避けるために、
まずは個別の質問からするほうが良い。


有効なのが「ありがとうDM」だ。
一般的には、初回購入時から90日以内に
2回目購入をしてもらえば、
優良予備軍に引き上げられる可能性が高くなる
と言われており、
そのためには早い段階での接触(DM)がカギとなる。


ありがとうDMをだすタイミングとしては、
購入から1ヶ月がベストで、その1回の接触で
「このお店いいな」と感じてもらうことが
2回目購入へとつながる。


ディスプレイは印象を伝えるのに優れ、
紙は理解をさせるのに優れている。


「1回目よりも2回目、時系列展開」はDM成功の要だった。
(中略)
DMを行う際は1回ですべて伝えようとするのではなく、
何回かに分けてアプローチするほうが
効果的であることがわかる。


ベネフィットのないDMは、
魅力がゼロのDMだと言っても過言ではない。


■レスポンス率を上げる7つのMUSTとは?
1,ベネフィット(Benefit)
2,オファー(Offer)
3,ハウツーオーダー(How to Order)
4,ギャランティー(Satisfaction Guarantee)
5,シズル感(Vividness)
6,わかりやすさ(Easy To Understand)
7,パーソナル&エモーショナル(Personal & Emotional)


DMの製作過程でデザイナーが心がけることを端的に言えば
「コピーを読みやすくする」ということであり、
この点が一般広告のデザイナーと大きく異なるところである。


DM発想のベストタイミング
1,連休中は避けよう
2,ボーナス前を狙え
3,1月、4月、9月が好機
4,個人宛てDMは週半ばに
5,会社宛てDMは金曜日に
6,オファーの締切日は1ヶ月後に
7,特異日を見逃すな
8,資料発送は迅速に


開封率は外封筒に左右されると言っても過言ではない。


・ドアオープナー
開封率を上げるために、あらかじめDMの中に入れておく
立体的な小物。
外封筒(OE)の窓から見せるとさらに開封率がアップする。


オファーには無料プレゼントだけではなく、
割引特典や抽選で商品が当たる懸賞特典や、
無料お試し特典などさまざまな種類がある。
オファーの付いたDMと付いていないDMでは、
レスポンス率に雲泥の差が出ることが知られている。


ダブル、トリプルに留まらず、もっと多くのオファーを付与して
顧客の関心を強く引くこともできる。


オファーを、レターやブローシャーなど
DMコンポーネントの中でアナウンスするよりも、
金券やチケット、クーポンや保証書など
個別のcertificate(「証書」「券」という意味)
という形にしてDMに入れておくと、
レスポンス効果が増大することが
過去のマーケティング・テストで証明されている。
やはり人間心理としては、特典の告知よりも
実物を手にしたほうが断然インパクトが強い
ということになるのだろう。


たとえば、申込書と一緒に返送すると
現金と同様に使える「1000円券」、
プレミアムがもらえる「引換券」、
商品が当たるかもしれない「抽選参加券」、
特別なイベントへの「招待券」などの形にする。


金券やチケットの一部が外封筒(OE)のセカンド窓から
チラリとのぞくようにしておくと開封率がグッと高まる。
これをドアオープナー効果と言う。


大体の目安として言えるのは、
DMを数万通単位で実施した場合、
1通当たり200円程度かかるということである。


ベネフィットは1つのDMの中で多ければ多いほど、
また強ければ強いほど、
レスポンス率も上がる傾向があることが
過去のテスト・マーケティングで明らかになっている。


「DMはしつこいほど良い」とも言われる。
しつこい人間は嫌われるけれども、DMでは反対である。
つまり、ベネフィットは何度繰り返し訴求しても良いのだ。


たとえば「2大特典在中」
「締切日がありますので至急ご覧ください」などの
短いコピーを付けておく。
「おやっ」と注目してもらえれば大成功である。


「ここから開けてください」という
アクションコピーとともに、
ミシン線などすぐに開けられる工夫がされたDMは、
とりあえず開けて中を見てみよう
という気になるものである。


DMの外封筒はカラー写真を使って
美しく派手にするのが良いかというと、それは逆である。
なるべく広告らしくなく、どちらかといえば地味で、
目立たないほうが開封率は高いことが
これまでの多くのテストで立証されているのだ。


時候の挨拶などは省いても構わない。
まず、なぜこのレターを差し出したのか、その理由を書く。
(中略)
これで顧客は「どうして自分のところにDMが来たのだろうか」
という疑問から開放される。


意外と忘れられがちなのがハウツーオーダーである。
たかが申込方法と思うかもしれないが、
これがなければ顧客はどうやって
商品を申し込んだらいいかがわからない。
そのことはDMレターとして致命的な欠陥となる。


ダラダラと長いレターは良くないが、
相手の心をガッチリつかんで
真剣に読んでもらえるレターであれば、
いくら長くても構わないのである。


単発で見るとマイナスの結果が出ていても、
継続購入につなげた場合の年間購入金額(LTV)でも
見てみることが重要だ。


お中元期のご案内DMでコラボ相手の商品を
お互いに紹介しあう相互創客


販促に取り組む際には、顧客からのレスポンスを受ける
スタッフや部門とも販売情報を共有しないと、
訪問客に喜ばれるどころか失望されてしまう。





engineer_takafumi at 01:24│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ ビジネスその他

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