2018年02月11日

不安な未来を生き抜く最強の子育て

本日は佐藤優 氏、 井戸まさえ 氏の
不安な未来を生き抜く最強の子育て
です。
不安な未来を生き抜く最強の子育て 2020年からの大学入試改革に打ち勝つ「学び」の極意

本書は関係者の方よりご献本頂きました。
オトバンクの上田様、ありがとうございました。

2020年、東京オリンピックの年に、
とても大きな大学入試改革が行われます。

これは現在のセンター試験が、
「大学入学共通テスト」というものに
変わるということです。

これは今までのマークシート試験に加え、
記述式の問題が出てきたり、英語の試験が、
「英検」や「TOEIC」などの外部試験に移行したりと、
大きな変化が起こると言われています。

これでも、大学入試制度が変わるだけで、
大した変わりはないと思うかもしれません。

しかし、著者らは、
これは戦後の旧制高校から新制大学への改編、
1979年の共通一次試験の導入、
に匹敵する変化だと主張します。


この激動する時代において、
親は子どもをどう育てればよいのか、
ということを佐藤氏、井戸氏で議論したものを
まとめたのが本書になります。

佐藤氏は知識や経験が豊富で、
確かな見識をお持ちではありますが、
話が堅い方向や極端な方向に進みやすい
傾向があると思っています。

しかし、本書では井戸氏がうまく話を誘導し、
一般の読者にも受け入れやすい形に
なっていると感じた一冊でした。


個人的には、
大学に人の好意を素直に受けられない学生がいる、
という部分が特に印象に残りました。

自分もこの傾向があるので、子どもには
上手く他人の好意を受け止めて、
それを他の人に返すことができるように
育てていきたいと感じました。


高校生の子どもがいる親御さんにお勧めの一冊です。
大学選び、進路選びに大きな指針となって
くれることでしょう。




外国語の学習で「読む力」を、
「書く力」「聞く力」「話す力」が
超えることは絶対にない。


私が留学の相談を受けるときは、学部生で行くなら、
アメリカの西海岸は避けろとアドバイスをしています。


その踊り場に一回上がれば、そこからはもう落ちない。
でもそこに上がるまでの途中段階は
いくらでも落ちてしまう。
この踊り場にも、初級、中級、上級とレベルがあるんですが、
とりあえず初級レベルの踊り場に一回上がれば、
そこからは落ちない。
その目安はどのぐらいかというと英検の準1級です。


全体的におすすめなのは公立大学。
私が公立大の講座などで教えていて感じるのは、
公立大の職員は長期間大学に勤務して、
地域と結びついていること。
教員の定着率も比較的高いんです。
だから、教員も継続して質の高い授業ができる。


企業の採用者が3浪を嫌がるのはどうしてかと言ったら、
仕事が遅い可能性が高いから。


どこの大学に入るかということではなく、
入った大学でいかに自分の能力を伸ばすか、
いかに知識を増やし、使いこなせるようになるかということ。
それば就職、仕事につながるわけですね。


多様性を確保しながら優秀な人材を入れたい、
ということなら、一発の学力試験で、
「記述式問題」「論文」を増やす方向が有効でしょう。


東大の性格をみんな誤解しているんですよ。
あそこはエリートを輩出するというけれど、
もともとは官僚と学者になるための大学なんですよね。


東大の法学部は今、進学選択で
文1からの進学者が定員割れしているでしょう。


文1がどこに行くかというと、
教養学部の後期課程なんですね。


やりたいことがあって、
キャリアアップのために行くならいいんです。
ただ、それにしたって大学院に行く前に
1回外へ出たほうがいいですね。特に文系の場合。


君たちに必要なのは、どう勉強するかじゃないんだ。
勉強の量なんだ。量が圧倒的に足りない。


そういうのが特になくて、
経済的な余裕があるというのであれば、東京の大学がいい。
東京への情報の一極集中ということは事実ですから。


学生時代の勉強が将来の年収一千万円を生むわけです。
そうしたらバイトに費やす時間は
致命的な機会費用の損失になるでしょう。
目先の200万円のために将来の数千万円の
可能性を捨てていることになるんです。


今は戦後初めて教育の右肩下がりの時代に
なっているんです。


富裕層で、なんでも子どもに与えられる人たちが、
そうやってスマホやタブレット、ゲームから
距離を置くようにしている。
きっとIT関係の方などもいらっしゃるでしょうに。


変な男からは常に逃げられるという、
そのスキルを持っていないといけないわけです。


子どもには良心を持てとか、
人に親切にとかそういうことよりも
「悪心の研究」をさせたほうがいいんですよ。


私が今、大学で教えていて心配に思うのは、
人の好意を素直に受けられない子たちがいることですよ。


「人の好意を受けるな」
「自己完結させて借りはつくるな」という発想。
それによってチャンスを失っている例って
すごく多いと思います。


人の好意を素直に受けられる子、
人が助けてくれるというときに
それを受けられる子は、親がそうだからなんです。


自分が若い時に人から好意を受けた、
あるいは指導してもらった経験がある人は、
次に自分がそういう立場に立ったら、若い人、
子どもたちに返していくことができるでしょう。


子どもに対して、尊敬できる対象としての、
親以外の大人をちゃんと紹介して、
見せてやるような力があるかどうかというのが
結構重要になってくると思うわけです。


学校は合わないところに行ってしまうと大変
(中略)
特に私立には必ずその学校のカラーがありますから、
本当によく調べて考えて、選ぶ必要があると思います。







engineer_takafumi at 14:16│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 勉強・教育・心理

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