2018年06月15日

大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる

本日は倉田 博史 氏の
大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる
です。
大学4年間の統計学が10時間でざっと学べる


本書は「統計学とは何か?」から、
ヒストグラム、平均や分散などデータの整理方法、
確率分布、統計的な推定、回帰分析と
一通りの知識をつけてくれます。


1項目が見開き1ページで文章と図に分かれており、
読みやすい構成になっています。
また、四六判でコンパクトにまとめられていて、
専門書のようなとっつきくさがありません。
数式もなるべく使わないように配慮されています。
少なくとも、文字だけで理解することができます。


文字数に制限があるためか、
本質がまっすぐ書かれていて、
専門書にありがちな、わき道に入りすぎて、
本来の目的を見失う、ということがありません。

本気で理解しようと思えば副読本が必要ですが、
さっと要点だけ見る(理解ではありません)には
最適の本でしょう。


社会人が統計学を学ぶ時に
最初の1冊として選ぶ本にお勧めです。
統計という学問の全体像をつかむことができます。




統計学が社会で果たす役割は様々です。
社会人の方々にとって重要、あるいは身近なものと言えば、
(i)概念の計量化、(ii)予測、(iii)仮説の検証、(iv)分類の
4つではないでしょうか?


確率分布はデータの発生の仕方を記述するものです。


稀な現象も2項分布 B(n,p) で記載することができますが、
nとpが極端な値であるため具体的な計算が
面倒であるという難点があります。


z検定は母分散σ2が未知の場合は使えません。


株価収益率はばらつきが大きくなると
しばらくその状態が続き、
小さくなるとその状態が続くという現象
(ボラティリティ・クラスタリング)が見られます。
これを表現するモデルとしては、
分散が過去の値に依存することを許す
ARCH(自己回帰条件付き不均一分散)モデルが定番です。






engineer_takafumi at 18:17│Comments(0) ★理系本の書評 |  ⇒ 数学

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