2018年06月18日

学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話

本日は坪田信貴 氏の
学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話
です。
学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話[文庫特別版] (角川文庫)


タイトルがストーリー語っているので、
内容の説明は不要でしょう。

問題はなぜ1年で偏差値が40も上がって
慶應大学に合格することができたのか?
ということです。

ただ、読んでいると問いが少し変わりました。
結論から言うと、聖徳太子を「せいとく たこ」と
読んでいたさやかちゃんですが、本当はできる子です。
(と、僕はそう思います)
では、なぜこれほど素直でできる子が、
偏差値30のビリにいたのでしょうか?

世の中の思い込みや押しつけが
マイナスに働いていたのではないかと思います。

それがどういうことなのかは、
本書を読んでいただくとして、
子どもに勉強を教えるときにどうするか、
考え直させてくれる一冊でした。


個人的には、さやかちゃんの母のああちゃんの
「世の親御さんは、娘が補導される、
学校に呼び出されるというのは、
恥ずかしいことだと思っているのかもしれませんが、
私はむしろ、子どもとの絆を深める
良い機会だとおもうようにしていました」
という部分が印象的でした。


受験生の子を持つ親にお勧めの一冊です。
子どもに何をしてあげるのが一番良いのか
見えてくるかもしれません。




ダメな人間なんていなんです。
ただ、ダメな指導者がいるだけなんです。


最初に僕がいつもするように
「じゃあ、よろしくお願いします」
と深々と挨拶をすると、その子のぺこりと頭を下げ、
「よろしくお願いします」と挨拶を返してきたからです。
それで、当時、一講師として雇われていた塾での
指導経験が長かった僕にはすぐわかりました。
「あ、この子、見た目はドギツイけど、根はめちゃくちゃいい子だな」


あんま学校の先生って、
さやかに勉強のこと言ってこないんだけど、
先生はいろいろ聞いてくるなーと思って


その生徒のことを好きだという気持ちがベースにあって、
いじるのなら、たいていの生徒は受け入れてくれます。


僕は、初対面のときに、
この生徒の良いところはなんだろう、と
必ず5つは探すことを習慣づけています。


その子の良いところを、無理にでも10個、
紙に書き出してごらん


歴史が得意になるかどうかの分岐点は、
歴史上の人物への愛着を抱けるか否か、
歴史上の事件への執着を感じられるか否かに
かかっています。


「なぜ?」「なぜ?」と生徒に聞かれていくと、
教師側が知らない問題に案外早く到達するものです。


自分が腹を立ててしまって、たたいても、
いいことはひとつもなかった。
子どもがもっとわがままになるか、
ずるくなるだけなんです。


うちの子どもたちは、
自分を肯定的に見られる大人に育ったからです。
どんなに地位や名誉や、学歴があっても、
自分を否定的に見る癖のついた人間が、
幸せに暮らせるわけがありません。


世の親御さんは、娘が補導される、
学校に呼び出されるというのは、
恥ずかしいことだと思っているのかもしれませんが、
私はむしろ、子どもとの絆を深める
良い機会だとおもうようにしていました。
ああちゃんは、絶対あなたの味方だからね、
と子どもに示せる良い機会だ、と。


生徒と教師が、叱責される側と叱責される側に
なってはダメなのです


ああちゃんは、さやかちゃんが慶應に受からなくても、
何も惜しくはないと思っていました。
ただ、ただ、この塾で学ぶことが
さやかちゃんのためになると思って、
お金を用意したのだそうです。
今は、さやかちゃんが、勉強することにワクワクしている。
だったら、思い切りやらせてあげたい、
と考えたんです。


自分のしたことに達成感を覚えたことがなかったり、
周囲にポジティブな影響を与えたと
感じたことがなかったりすると、ヒトというのは、
何かに興味を持つということ自体が難しくなるのです。


そういう子どもが学校で「人間のクズ」と呼ばれ、
学年ビリになって放置されていたのが現実なのです。


一度信じると決めた人の指示には
素直反応するのも、さやかちゃんの良さでした。


途中で目標を下げると、人間、
どんどん低いほうへ低いほうへ流れていくものなのです。


その後、さやかちゃんが『学研まんが 日本の歴史』を
全巻読破してしまったことが、前述したとおり、
さやかちゃんの日本史の成績を
急伸させることになるのです。
やっぱり歴史は、暗記ではなく、
ドラマやマンガで覚えるのが一番なんです。


僕にしてみれば、アドバイスしてはみたものの、
翌日にはちゃんと一緒に慶應大学に娘を連れていく
ああちゃんの姿勢に、頭が下がりました。
どんな事があっても、何を言われても、
さやかちゃんとああちゃんは
僕の言葉に素直に反応してくれたのです。


その流れの中に、家庭の事情の愚痴を聞く、
生徒の心をケアする時間も設定しています。
そうしないと、そもそも勉強どころでない
ケースが多いからです


僕が提案したのが「日記を書くこと」なのでした。
また、どうしても周囲の人とぎくしゃくするようなら、
その人の良いところを10個書くように、
とアドバイスしたのもこの頃のことです。


世間で言う良識は、人の幸福とは関係がない


君が成功した一番の理由は、
「中途半端なプライドを捨てて、恥をかくのを恐れなかった」
ことにある、ということです。


どんなに失敗して瀬戸際でも、
それに気づいてくれて許して助けてくれる
味方が一人でもいれば、
どん底にまで落っこちることはないんだ







engineer_takafumi at 22:09│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ その他の本

コメントする

名前
 
  絵文字