2018年10月04日

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術【全面改訂版】

本日はデビッド・アレン氏の
はじめてのGTD ストレスフリーの整理術【全面改訂版】
です。



本書はGTD(Getting Things Done)という
タスクの整理術のテクニックの本です。

GTDは何冊かの本が出ていますが、
2018年時点ではこれが一番最新でまとまっています。


GTDの考え方は頭に何も残してはいけない、
ということです。
とにかく全てのことを書き出してリスト化しておきます。
すると、覚えておく負担がなくなるので、
とても頭が軽やかになるのです。

また、「次にやる具体的な行動」に
フォーカスすることも特徴です。

例えば、「車を買い換える」というタスクは
これだけでは十分ではありません。

車を買うために何をするのか?
セールスマンに電話するのか、
パンフレットを取り寄せるのか、
Webで見積りを取るのか、
ここまで具体的に落とし込んでおかないと
結局、進めることができないのです。


ただ、本書は400ページ近い本で、
通読するのにも結構時間がかかりますし、
「結局、何から始めれば良いのか?」
という疑問が出るかもしれません。私もそうでした。

そんな時に監訳者の田口氏のあとがきが
とるべき行動を教えてくれました。

「週次レビューからはじめよう」と
提案してくれているのです。

田口氏の言葉通り、やることリストを作り、
週に一回レビューする時間を作る、
これだけでタスク管理が楽になりました。

週次レビューを起点に、少しずつ
GTDを取り入れていけば、
気づけば生産性が大幅に高まっていた、
ということになることでしょう。


生産性を高めたい全ての人にお勧めです。
頭を楽にして、仕事の効率を高める
ヒントに満ちた一冊です。




ある時点で何をすべきかについて最善の選択をし、
現時点で行っていないことに対して思い悩んだり
ストレスを感じたりしないようにする手法だ。


いくらなんでもこんなに仕事を抱えきれないだろう、
といった状況でも正気を保つために必要な技術であり、
これがあることでもっとも重要なことに
もっとも適した方法で関わっていくことが
できるようになる。


私が提唱するGTDの柱は三つある。
まず一つ目は、やるべきことや気になることの
"すべて"を把握することだ。
(中略)
二つ目は、人生において常に降りかかってくる
あらゆる”インプット”にその場で
対処できるようにすることだ。
(中略)
三つ目は、そのようにして導かれた
さまざまな判断のすべてを、
人生における異なる視点レベルから評価しつつ、
いついかなるときでも正しい決断を
下せるようになることだ。


意識している、していないにかかわらず、
”すべて”の「やるべきこと」を把握し、
一ヶ所に取り込んでいく必要がある。


最近の研究では、人の意識は自然と
「やるべきだけど済んでいないこと」に
向かってしまうことがわかってきた。
その結果、本当に考えるべきことや考えたいことに
割くべき思考が十分になされていない


私がこれまで見てきたTo Doリストのほとんどは、
やるべきことを単に羅列しただけで、
実際に必要な作業を書いたものにはなっていなかった。
(中略)
本来であれば、リストを見て行動すべきことが
ひと目でわかるようにしておくべきだ。


すべてを頭の外に追い出せるようにリストを作り、
それをいつでも確認できる状態に保つことができれば、
「水のような心」の境地に至ることができる。


思い浮かんだことはすぐに書き留めて、
近いうちに必ず見直すことがわかっている
システムに入れておかなくてはならない。
そうでないと、あなたの頭はそれについて
心配しつづけてしまい、ストレスは溜まる一方である。


ほとんどの人は時間がないために、
そのときどきで大事に思える事柄だけについて
優先順位をつけて整理し、リストを作って満足してしまう。
しかし、それだけでは十分ではない。
そのときには大事とは思えないがやらなくてはいけないこと
―たとえば秘書の誕生日に何をするかなど―
についても具体的な行動を定めなければいけない。


1,すべての「気になること」を把握し、頭の外に出す。
2,インボックスの数は必要最小限にする。
3,インボックスは定期的に空にする。


思いついたアイデアはほとんどの場合、
そのままでは行動に移すことができない。
望んでいる結果は何か、そしてそれを達成するために
必要な具体的な行動は何かを
必ず定義してあげる必要がある。


GTDの核となるのが、「次にとるべき行動」である。
これは「気になること」を完了させるための
具体的な行動をまとめたものだ。
先に述べたように、それらは必ず具体的かつ
物理的な行為でなければならない。


1日のTo Doリストにその日でなくてもいい
行動が書かれていると、
その日でなくてはならない行動に
集中できなくなってしまう


1,目的と価値観を見きわめる
2,結果をイメージする
3,ブレインストーミングをする
4,思考を整理する
5,次にとるべき行動を判断する


「なぜそれをするのか?」
という質問をして損をすることはない。
この質問をすることによって、今の状況が前進したり、
前向きのエネルギーが湧いてくることもよくある。


アイデアを全部頭から出して目の前に並べると、
それらの関係性とその構造が見えてくる。


頭の中に何かが残りつづけるのは、
望んでいる結果と次にとるべき行動が
明確になっていないか、
それらのリマインダーを定期的に見直すことが
できるシステムで管理されていないことが原因である。


「頭が自動的に反応する仕組み」を
どう構築するかが重要なのだ。


大量の「気になること」を把握し、
どうするかを判断するにはかなりのエネルギーがいる


デジタル派の人にとっての最大の問題は、
情報を保存しておくのがあまりにも簡単なために、
「とりあえず保存しておこう」となってしまいがちなことだ。


インボックスに入れるかどうかを判断するための
いちばん確実な方法は、入れる必要がないものを知ることだ。
通常、場所や状態を変える必要のないものは、
以下の4種類である。
・備品 ・資料 ・装飾品 ・設備


多くの人が「把握する」作業に
抵抗を感じる最大の理由の一つは、
次に説明する「見極める」ステップと
「整理する」ステップの優れたノウハウを
もっていないことにある。


最新の認知科学では
「選択をするたびに脳が少しずつ疲れていく」
ということがわかってきた。


次にとるべき物理的な行動を決めておかないと、
そのことが意識にのぼってくるたびに
もやもやした気持ちになり、
ますます行動から遠ざかってしまう。


「2分ルール」が習慣になると、
あなたの生産性は劇的に向上する。


うまくリストを使いこなせていないのは、
不適切なものをリストに入れていたり、
いつまでも手につけないものが
そこに残っていたりするからだ。
そのせいでリストの機能性が失われているのである。


すでに述べたように、リストに優先順位を組み込む必要はない。
これをやってしまうと、状況が変わるたびに並べ替えたり、
書き換えたりしないといけなくなる。


カレンダーは「聖域」であり、
その日絶対やるべきこと以外を書いてはいけない。


すぐ手が届く場所に読むべきものを置いておければ、
会議が遅れているときや講義の合間、
電車や飛行機での移動中などの
スキマ時間を有効活用できるようになる。
「@読む/評価」を消化できる機会は
あなたが考えているよりもたくさんある。


より重要な物事をきちんと管理していくには
週次レビューが不可欠だ。


プロジェクト支援のためのデジタルツールが
豊富にあることの難点は、
有用かもしれない情報があちこちに
散らばってしまいがちなことだ。


資料の整理がうまくいっているかどうかを決める
一つ目のポイントは、行動の必要があるものと
そうでないものがきちんとわけられているかどうかである。
二つ目のポイントは、その情報をどう使うかを考慮し、
どこでどのように保存すればよいかを判断することだ。


やるべきことに集中できていて、
やっていないことについても「今はそれは大丈夫」
という確信が得られなければならない。


「大事なことを見落としていない」という
確信を持てることが重要なのだ。


長年GTDを多くの人に指導してきた経験から、
私がたどりついた結論がある。
それは、システム維持のカギを握るのが
「週次レビュー」だということだ。


週次レビューとは、簡単に言ってしまえば
頭を再び空っぽにし、先の数週間を見据えた
態勢をとるための作業だ。


一つのTo Doリストにさまざまな状況で
とれる行動がごちゃまぜになっていると、
いちいち全部をチェックし直さなければならない


精神的エネルギーや創造性のエネルギーが
低い状態でもできることをリストにしておくと大変便利だ。


重要なのはすべての選択肢を"事前に"考慮しておくことだ


頭の中のものを外へ出すための受け皿を用意していないために、
「済んでいないこと」が頭の中に詰まってしまっている状態は、
マルチタスクを行っているのと同じことだ。


誰もが、やる価値のないことを
「やるべきこと」としてとらえていた


すべてを頭の外に集めておくのは、
すべてが同じくらい重要だからというわけではない。
むしろ、そうでないからこそ把握しておく必要があるのだ。


私は「次にとるべき行動」を考える習慣を
世界的に広めるのが自分の使命だと考えている。


途中でやめてしまう人の多くは、
「次にとるべき行動」のリストが
単なるメモのリストに逆戻りしてしまっている


目の前に現れたときではなくて、
ぎりぎりになってから行動を決める人が多すぎる。


人生で起きる問題は二つしかない。
一つは、求めている結果がわかっているのに、
どうすればいいかがわからないこと。
もう一つは、求めている結果が何かわからないことだ。


あとで考えて行動できるように
リマインダーを設定しておくことができれば、
頭はリラックスし、ある状況下で
優れた思考を自然と発揮することができるようになる。


ペンと紙を用意して頭からすべてのことを追い出し、
行動とプロジェクトを整理し、それらをリストに加えて
常に最新の状態を保つようにすればいい。


このレベルでGTDに習熟してくると、
チェックリストというシンプルな手法が
重要な役割を果たしてくれる。
認知科学においても立証されているとおり、
頭は何かを覚えておいたり思い出したりするのは苦手だが、
目の前にあるものについて評価するという
創造的な思考は得意なのだ。


GTDの最大のメリットは
「今、自分が下した判断に100%の自信がもてること」


GTD最大実践の最大の鍵となるのは週次レビューである。
ただ最初から完璧にやる必要はない。
まずは形から入ることも大事だと個人的には思う。
「毎週、決まったリストを必ず見る」という
シンプルな習慣をまずは身につけてしまうのだ。





engineer_takafumi at 22:37│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 仕事術、思考法・ツール

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