2019年02月11日

今すぐ本を出しなさい ビジネスを成長させる出版入門

本日は水野 俊哉 氏の
今すぐ本を出しなさい ビジネスを成長させる出版入門
です。


本書は作家、出版プロデューサー、
経営コンサルタント、富裕層専門コンサルタントなど
多彩な領域で活躍する著者による
出版マーケティングの方法論です。

さらに著者は出版社の経営もしており、
まさに出版のプロといえます。

そんな著者が「出版」を通じて、
ビジネスを成功させる方法を説くのが本書です。

本文中にも書かれていますが、
本を書いての直接の収入(印税)は
普通のビジネスとしての利益と比べるとごくわずかです。

だから、本を出すことがゴールではなく、
ビジネスを成功させる仕掛けを作らなければいけません。

一方、本が売れないと、どんな仕掛けも機能しませんので、
本の中身はもちろん、プロモーションもきっちり行い、
ベストセラーにする努力が必要です。

本書では、「出版」マーケティングの特長から、
企画の通し方、書き方、プローモーションまで触れられており、
出版によりビジネスを加速させる方法を学べるでしょう。


個人的には、作家で出版プロデューサーである著者が
自分で出版社を立ち上げた背景の部分が印象的でした。

出版マーケティングを本当に有効に機能させるためには、
自前で出版社を持つ必要があったのでしょう。


本を出したいビジネスマンは
とりあえず読んでおいた方が良い一冊です。
出版をどうやって実現するか、出版により何が変えられるか、
イメージできるようになるでしょう。




今の時代、文章なんてウェブサイトでもたくさん見かけますし、
学べる内容も多いです。
しかし、不思議なもので、紙の本というのは
「もの」ということもあり、インターネット上に比べると
著者に対する信頼度が高くなります。


最近は第三の手法として、「カスタム出版」という手法もあります。
これは1000部以上などのまとまった部数を自分で買うなり、
売れ残りが出た場合は自分で購入すると
事前に出版社に約束しておくことで、
商業出版してもらうというパターンです。


従来の出版は、出版社が売りたい本を
出版するビジネスモデルになっており、
必ずしも著者のメリットと一致しませんでした。
一致しないどころか出版社の都合でタイトルや内容が変わる。
広告宣伝が思うようにできない。
ひどい場合、出版決定から実際に本がでるまで何年もかかるどころか、
最終的にボツをくらい発売されないなどのケースも多く、
出版しなければよかったという残念な声を何度も聞いたため、
著者の意向に沿ったオーダーメイドの出版が
できる会社を作ったのです。


小さな出版社の方が発行点数が少ないため、
ひとつひとつの本を丁寧に作ってくれますし、
「売れる」と見込んだ本であれば、
きちんと営業してくれる可能性が高いです。


中堅出版社や小さい出版社であっても、
決して軽くみないこと。
大手出版社ばかりを優先するのはやめましょう。


出版社では「先例がある企画が通りやすい」
という傾向があるからです。
すでにベストセラーになっている本と類似するような
テーマの企画であれば、出版しても売れると認識され、
企画が通りやすくなります。


「タイトル」に関しては、
実はあまり著者自身は関与しない方が、
僕自身は良いのではないかと思っています。


新しい出版社に異動した時などは、
新しい環境で「どんな本を出せるのか」を試される時期。
しかし、本を作るのには最低でも数か月はかかるため、
異動したばかりのタイミングでは、
まだすぐに出せる原稿は持っていません。
つまり、転職直後は、通常よりも編集者が
「何でもいいから原稿が欲しい」と
思っているタイミングなのです。


11パターンのテクニック
1,極論を言う
2,極端な設定にする
3,拡大か縮小をする
4,特定のジャンルに置き換える
5,キャラクターを立てる
6,場面や状況を描写する
7,パターン化する
8,しゃべり口調で書く
9,英訳して頭文字を並べる
10,セールスレターっぽく書く
11,パクる


私の出版セミナーでも、会社で働いている受講生が
社内であった色々なエピソードを企画書に
書いていることが多いのですが、
こうした社内エピソードは、残念ながらだいたいつまらないです。


さらに、一般の人であっても、文章を書くのが苦手だけれども、
面白いストーリーを持っている人に対しては、
出版社がライターを付けるということも
往々にしてありえます。


昔は「本は出してしまえば売れる」という時代もありましたが、
今は出版社側も「売れない本はまったく売れない」
ということがわかっている。
だからこそ、「売れるものにしか広告費は出さない」
という時代に変わってきています。


発売後に最初の空気を動かせないと、
ほぼ売れる本にはなりません。
逆に言えば、本が初速でたくさん動く
「何となく売れているような雰囲気を醸し出せる本」であれば、
売れる本になるのです。


初版部数には文句を言わないことが鉄則


新人作家であっても、お金を払って書店の棚を購入してしまえば、
それは実現可能です。
金額としては、だいたい1店舗1個の棚やラックが、
2週間〜1ヶ月間の陳列で10〜30万円ほどで販売されています。


本を出すことだけに特化する場合は、
よほどのベストセラーにならない限り、
得られるリターンはごくごく限られているのです。


オファーがないから本を書かないのではなく、
出版したいのであれば先に本を書きましょう


本を出すことはあなたの人生を大きく変える
きっかけになります。
でも、そのきっかけをうまく活かせるかどうかは、
あなた次第なのです。






engineer_takafumi at 22:21│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ マーケティング・営業

コメントする

名前
 
  絵文字