2019年04月20日

小さなチーム、大きな仕事

本日はジェイソン・フリード氏、デイヴィッド ハイネマイヤー ハンソン氏の
小さなチーム、大きな仕事
です。


本書は「Ruby on Rails」の開発元として
世界が注目するソフトウェア会社
「ベースキャンプ」のCEOによる一冊です。

この会社は先鋭的な経営でも知られており、
その働き方について述べた本が本書になります。


いわゆる仕事術についての本ですが、
特に本書はムダ取りに力が置かれているように
思えます。

仕事をシンプルに、早く回すためには、
そして、顧客満足度を高めるためには、
捨てることの方が重要なのです。

働き方改革が叫ばれ、生産性を高める取組みが
日本でも広がってきています。

でも、効率的に働くだけでなく、
そもそも、付加価値を生まない仕事を
削ることが大事なわけです。

しがらみで仕事を減らしきれない
日本の会社は学ぶことが多い一冊だと感じました。


個人的には、
ビジネスでは絶対に使ってはいけない四文字言葉、
という箇所が一番印象的でした。

fastはともかく、needやmustなど、
自分の仕事から無くすようにしないといけない
と強く感じました。


生産性の向上に取り組む方、企業の管理職の方には
特にお勧めできる一冊です。
社内のムダ取りのヒントが得られるでしょう。



小さいことは通過点ではない。
小さいことは、目的地でもあるのだ。


大きな仕事をするには、
何かを良くしているといるという感覚が必要だ。


イーベイのアイディアと、実際にイーベイを
作り上げることとはなんの関係もない。
何をしたかが重要なのであって、考えたり、
言ったりすることが重要なのではない。


いずれ実際に大金のかかる道を行く必要があるとしても、
それは今ではない。


物事がうまくいかないと、人はその問題にさらに多くの人、
時間、資金をつぎ込もうとする。
だが、そうすると問題が大きくなってしまう。
進むべき正しい道は逆の方向、すなわち減らすことだ。


もしあなたがいつも残業し、週末も働いているとしたら、
それはやるべき仕事が多すぎるからではない。
それは仕事を「完了」させていないからだ。
そしてそうなるのは、仕事に邪魔が入るからだ。


何よりも最悪な邪魔者は会議である。


仕事のはずみを保ちモチベーションを上げるには、
目標に向かって小さな勝利を達成しつづける
習慣をつけることだ。
たとえ小さな改善でも、いいはずみを与えてくれる。


視覚的に優先順位を付ける。
もっとも重要なことを一番上に配置する。
次に重要なことはその下。
こうすれば、最も重要なことは一度に一つだけだ。
それで十分だ。


競合相手を打ち負かすには、
なにごとも相手よりも「少なく」するのだ。
簡単な問題を解決して、競合相手には
危険で難しくて扱いにくい問題を残す。


あなたの製品やサービスがより少ないことしか
できないからといって恥じてはいけない。
それを強調しよう。それを誇りにしよう。
競合相手が多様な機能リストを売りにするように、
それを積極的に売り込もう。


顧客には耳を傾けるが、そのあとは
人々が言ったことは忘れてしまうほうがいい。


あなたがいつも忘れているなら、
それは重要ではないというサインだ。


ドラッグの売人は、抜け目のないビジネスマンだ。
彼らは、自分の商品がすばらしいことを知っているので、
先に少量を無料で提供する。
あとで初期投資異常のものが(現金で)
戻ってくるとわかっているのだ。


あなたの会社にマーケティング部門はあるだろうか?
もしないなら、いいことだ。
もしあるなら、彼らだけがマーケティングの責任を
負うべきとは思わないことだ。


覚えておいてほしいのは、偉大なブランドはいつも、
PRキャンペーンなしで立ち上げられたということ。
スターバックス、アップル、ナイキ、アマゾン、
グーグル、アップル。


自分自身でやってみるまで、誰かを雇ってはいけない。
まず自分で、仕事の本質を理解しよう。


文章力がある人はそれ以上のものを持っている。
文章がはっきりしているということは、
考え方がはっきりしいるということだ。


最も悪いのは「本当は謝っていない」謝り方だ。
たとえば「ご迷惑をおかけしたらすみません」や
「あなたの期待にそえず残念です」など。


覚えておくべきことは、ポジティブな意見より
ネガティブな意見のほうがうるさく情熱的であることだ。


文化はつくるものではない。自然に発達するものである。
だからこそ新しい会社には独自の文化がないのである。
文化とは普段の振る舞いの副産物だ。


人を子供扱いすれば、子供のような仕事しかしない。
だがこれが多くの会社、多くの管理職の人の扱い方だ。


何にでも許可を必要とする環境は
「何も自分で考えない文化」をつくる。
上司対部下の構造を生み、そこに信頼関係などない。


ビジネスでは絶対に使ってはいけない四文字言葉がある。
スラングではなく、「必要(need)」、「しなければ(must)」、
「できない(can't)」、「簡単(easy)」、「ただ(just)」、
「だけ(only)」や「早く・早く(fast)」だ。


もしすべてが最重要であるのならば、
何も最重要ではないということになってしまう





engineer_takafumi at 22:31│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 仕事術、思考法・ツール

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