2019年05月02日

「いつでも転職できる」を武器にする

本日は松本 利明 氏の
「いつでも転職できる」を武器にする
です。


本書は外資系コンサルティング会社、
PwC、マーサー、アクセンチュアなどで、
国内の大企業から中堅企業まで600社以上の
働き方改革に従事して、5万人以上のリストラと
6500人を超える次世代リーダーの
選別や育成を行ってきたという著者の一冊です。


これからの時代は終身雇用は望めないので、
常に「転職」ということを選択肢に入れつつ、
キャリアを考えるべきであることは
いうまでもないでしょう。

しかし、実際に「転職力」を磨くには
どうしたらいいのでしょうか?
その問いに答えを与えてくれるのが本書です。

特に難しいと思われる、自分の資質の磨き方、
市場価値の上げ方、ポータブルスキルの身に付け方など
を詳細に解説してくれます。

著者が会社側の視点で語ってくれますので、
まさに需要がつかむことができるでしょう。


個人的には、
6章の永久保存版の情報が印象的でした。

アルムナイの有無や辞めた社員について質問するなど、
転職の判断基準を知ることができました。


サラリーマンを一生続けたい、
と思う人は一読をお勧めする一冊です。
勤め人としてより良いキャリアを築く戦略を
学ぶことができるでしょう。



転職力はあなた自身を守ることに繋がります。
流動的な世の中でいきていく「安心保険」とも言えます。
転職力は「自分で人事異動」できる力と言えます。


人は「安全」がないと「チャレンジ」できない人が9割


資質になければ習得する前に時代が変わってしまい、
かけた時間や工数が無駄になります。
資質を知り、キャラをハッキリさせることで
それが可能になります。


「大企業からベンチャーにいったら人生がアドベンチャーになった」
という人は、実は大量に存在します。
その企業の卒業生会、同期会、同窓会、趣味の会から
姿を消すので気づくと見なくなっています。
恥ずかしくて引っ込んでしまうのですが、
そういう方を仕事柄多くみてきました。


私の友人で「首切り屋」と呼ばれる人事部長がいます。
彼の転職先では必ず3年以内にリストラが起きると
知られているので名前は出せません。
彼は衰退・再展開期が得意なので、
必然とリストラ担当となりますが、一発で成功させ、
去る人、残る人にとって一番いい条件でおさえ、
事業も再展開の道をあがり、
再浮上が見えた段階で次の組織に移ります。
60歳近くになりますが、今でも引っぱりだこです。


会社の経営理念を取り出し、それをYESとするなら、
反対のNOは何かを書き出せば、
会社のカルチャーの背骨がハッキリみえてきます。


企業は赤字が3年続くと赤字の状態に慣れ、麻痺します。


同じ役割で社内ベテランになるのが一番危険です。
この社内ベテラン職は実は
作業的な要素が多いケースが大半だからです。


日本の職場では仕事をした行為に対する感謝以外は
意外と声に出して言わない風習があります。
なので、仕事の依頼者に直接聞いてしまうのが早道です。


この「いい意味で」は「変換装置」機能がある言葉なのです。
事実は1つ。でもとらえ方により、
ポジティブにもネガティブにもなるものです。


実績は形容詞ではダメです。数字と名詞が必要です。


加えていいのは全てが本業レベルに達し、
それ一つでもブランドが成立するレベルのお仕事です。
(中略)
どんなに凄い本業の肩書をお持ちでも、
スラッシュで並べる肩書きが同レベルでないと、
かえって信用を失います。


日本人は「この道一筋」というような
深い専門性を好む傾向がありましたが、
今は昔の話です。
専門性を土俵にすると、
ある日突然キャリアが全部吹き飛びます。


「役職が人を育てる」は死語です。
役職を与え、その人が育つまで
何年間も待つ余裕が今はありません。
安定期や衰退・再展開期となれば、役職にすらつけません。


どんなに仕事が楽しく、充実していても、
スキルアップを会社任せだけにするのは危険です。
普通に仕事をしているだけでは
自分のポータブルスキルのレベルを掴むことはできません。


外資系企業は合理的です。
一番合理的な仕事のプロセスが決まっているので、
その通りに教えればいいのと、
背景が違うチームの方々が
チームとして働くことが前提なので、
キャラが違えば武器も技も違うことは
前提として知っています。


38歳を過ぎ、40代半ばになってくると、
若い頃のように周りから失敗を指摘されることもなく、
違うという意見すら言われなくなってきます。


企業は採用したら、こちらからリストラしない限り、
社員が自ら辞めることを嫌がります。


企業が退職者を裏切りもの、と判断すれば
アルムナイは設定されません。
退職した会社はもうコリゴリ。
退職後は縁を切りたい、関わりたくない、
過去に蓋をしたいなど、
喧嘩別れ状態で退職した人ばかりだと、
アルムナイを設定しても、誰も集まってきません。


現役社員だけでなく、退職された社員が、
違う会社でどれだけ活躍しているかを聞きましょう。


「退職者は我が社では通用しなかった」
という言い訳をする企業もありますが、
それは人をきちんと成長させられないのと一緒です。


人事制度の中身をみると「仲間」を
一番に強調する組織ほど、実は報酬水準が低かったりします。
仲間なので評価や報酬でキッチリ差をつけない方が
都合がいいからです。


6500名以上のリーダーを見てきましたが、
ほぼ間違いなく若手の時に大失敗して
乗り越えた経験があります。


早い時間や遅い時間にスーツ姿で
タクシーから大量に人が降り、
ずっと会議室に篭っていたら要注意です。
リストラの発表があってから退職までの期間は
2週間から長くても1ヶ月程度です。





engineer_takafumi at 23:42│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 自己啓発

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