2019年04月25日

シリコンバレー発 会員制ビジネス起業術

本日はロビー・ケルマン・バクスター 氏の
シリコンバレー発 会員制ビジネス起業術
です。


本書はシリコンバレーを中心に
事業戦略コンサルティングを20年以上提供しており、
NetflixやYahoo!などの大企業から、小規模ベンチャーまで
多岐の規模、業種の経験がある著者による一冊です。


本書が説くのは「会員制」ビジネスです。
最近だとサブスクリプション、ストックビジネスなどと
呼ばれることも多いかもしれません。

会員制ビジネスのメリットは
定期収入がありビジネスが安定しやすいことと
既存顧客に集中しやすいビジネスである
ということです。

本書で取り上げられている企業は
NetflixやAirbnd、Dropbox、LinkedInなど
有名ブランドが中心ではあります。
しかし、そのビジネスの初期から語られているので
今から起業を考えている人にも役立つことでしょう。

会員制を行う際の基本的なポイントが押さえられていて
チェックリストのように使うことができるでしょう。


小規模のビジネスで起業されている人、
もしくは起業を考えている人にお勧めの一冊です。
会員制を取り入れることにより、
ビジネスを安定させる可能性を探れるでしょう。




顧客を中心に据えた組織が構築されたとき、
顧客と組織のあいだに現在進行形の
正式な関係が生じたときに、
メンバーシップ・モデルを取り入れた組織が誕生する


匿名を望む人たちがいる一方で、
所属することで得られる認識や利益を引き換えに
個人的な情報をある程度は提示してもかまわない
と考える人たちもいる。


最高のメンバーシップ・エコノミー・モデルは取引を超越し、
会員の行動を追跡することもできる。


すべての努力はファネルの最下層から始める必要がある。
つまり、最終的に"忠誠心ある顧客"になってくれる可能性の
高い人々に最初から的を絞る必要があるということだ。


CrossFitのような企業には、
忠誠心をかきたてる3つの原則がある。
●簡単
●個人化されている
●会員が関与する


細心の注意を払いながらスーパーユーザーを育てれば、
すべてのユーザーに対する自社の価値をさらに高めることができる。
その一方で、スーパーユーザーの管理には困難がつきまとい、
場合によってはスーパーユーザーが途方もないリスクを
もたらすおそれがある。


多くの組織が犯す過ちは、こうした1回限りのサービスを
現在進行形の価格設定帯のなかの、
高い価格帯においてしまうことだ。


企業が犯す過ちの1つは、見込み客が全てを体験できない
無料の試用を提供してしまうことだ。


無料のオファーで価値をたくさん提供しすぎると、
会員にアップグレードを促す動機がなくなるし、
提供する価値が少なすぎると誰も惹きつけられない。


技術の進化ほどメンバーシップ・エコノミーに
変化を促す重要な要素はない


技術は会員との強い関係を築くことができる


メンバーシップ・エコノミー組織は
会員がメンバーシップから得たいものを理解するために、
絶えず会員と接触したほうがいい。


無料期間中はコミュニケーションを
しすぎないことがベストだが、
試用を十分に活用していない人については例外だ。


複雑な価格モデルがもたらす心理的コストを
通信会社が軽視している


既存(承認済み)のクレジットカードで引き落としが
できないトラブルが初めて起きた時は、
2回目の引き落とし失敗が起きるまで
待ったほうがいいかもしれない。


LinkedInが開業時に立ち向かわなければ
ならなかった課題は、
初日から価値を提供しなければならないことだった。


多くの企業が
「提供できる利益をすべてを初日から説明したがる」
過ちを犯す。
この手法には問題が2つある。
1つ目は、約束をたくさんしすぎると
そのすべてを届けることが難しくなること。
2つ目は、約束をたくさんしすぎると顧客が混乱し、
自分にとって必要な利益を探しだせなくなる
可能性があることだ。


初期に市場調査に投資したがらない
小規模事業はあまりに多い。


Pandoraは最先端を狙いませんでした。
最先端のブランドは大抵、弱いブランドです。
最先端というのは言い換えれば
『多くの人々にとって適さないもの』という
意味でもありますから。


Pandraでは視聴者全員を
――有料無料問わず――
会員として扱う業務に長い労働時間を費やしている。
コミュニケーションがコストのかかるものではなく
機会と見なされており、
すべてのメールに個人的な返信が返されている。


既存のメンバーシップを拡大するために
オフラインからオンラインに移行することは困難である。


会員に選択権を委ねてオンライン、オフライン、
両方のハイブリッドのいずれかを選べるシステムが採用された。
ところが驚くことに、
初期のオンラインサイト訪問者の大多数が、
完全オンライン型のソリューションか
オフラインのみのソリューションを好んだそうだ


オンライン会員に最も価値を認められた機能が
オフライン・プログラムとはまったく異なっていた


会員に変化を求めると失敗する。
だがそれでも、ときとして会員に変化を求める
価値がある場合もある。


ここまできっぱりとした変更を推し進めることによって、
Adobeは顧客との関係をより重視したスタイルを目指し、
攻撃的にいこうすることが容易になったのである。


変化を好まない人にとっては、
新しいビジネスモデルがストレスや不公平感に
つながる可能性があるのだ。


歴史の長い組織にとってのソリューションは、
基幹の使命に立ち戻ることだという。
会員制の協会は会員に何が不足しているのかを理解し、
会員に奉仕する差別化された方法を見つけ、
その価値を1つにまとめてパッケージにする必要がある。


まだ同僚たちが加わっていない段階であっても、
あなたは最高の会員に経済的利益のみでなく
独自の体験へのアクセスを提供することに
集中するように提案したい。







engineer_takafumi at 21:03│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 経営

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