2019年06月02日

2049 日本がEUに加盟する日

本日は高城 剛 氏の
2049 日本がEUに加盟する日
です。


本書は出版関係者の方より、ご献本頂きました。
上田様、ありがとうございました。

本書はベストセラーの『分断した世界』に続き
今後の30年を予想するという一冊です。

「日本がEUに加盟する」という話や
HUMAN3.0、地球外移住の話はキャッチーを通り越して、
トンデモのようにも見えますが、
世界を見る一つの視点としては興味深い一冊でした。

未来予測という難しいことをする時には、
このくらい自由な発想をしたほうが良いような気がします。

一方、地球温暖化の考察やアメリカとEU、中国の関係は
エビデンスなども挙げられており、
現実的で理論的な議論がなされているように感じました。


個人的には、著者がある国の文化度を調べるとき
エンターテインメントの状況に注目する
という話が印象的でした。

国の成熟度は、そんなところに現れるのですね。


これからの世界がどうなるか、興味がある
もしくは予測してみたい、という人にお勧めです。
未来を語る上で有効な視点やキーワードを
得ることができるでしょう。




AIやロボティックスに取って代わられ、
はじめに職がなくなると言われるのは、
だれでもできる仕事(いわゆるマックジョブ)なのだろうが、
日々、同じ場所から同じ会社に通い、
同じ人々とばかり接しているのでは、
そのリスクは高まるだろう。
それが、たとえ「先生」と言われるような職業であっても。


確かに2012年7月、北極圏内にあるグリーンランド北部には、
島全体を覆っていた氷床のほとんどが解けてしまいました。
日本列島の2倍ほどもあった氷が
わずか4日間で消え去ったニュースは、
世界中に衝撃を与えましたね。


内陸部の白人より、沿岸部の移民二世のほうが、
分化レベルが高く、洗練されている。
今後も沿岸部は経済的にも文化的にも発展し、
内陸部は停滞が続くと予想されている。
そうして両者の分断はさらに深くなることは、
前編『分断した社会』でも述べた通りだ。


シリコンバレーの強者たちは、続々かつひっそりと、
どこからも最果ての地であるニュージーランドに
移る準備を着々と進めている。
かの地は、ノアの箱舟が漂着したとされる
新たなアララト山だと見なされているのだ。


ただし、中国がこのままの勢いを保ち、
アメリカを抜いて覇権国になるとは考えられない。
中国は先行する小規模のガラパゴス国家日本と
おなじ成長曲線を描いているからだ。
端的に言えば、中国は20〜25年前の日本と
同じ道をたどっているのである。


僕はその国の文化的なレベルを測るとき、まず、
音楽や映画などのエンターテインメントの現状を探る。
これらを通して、長年の経験から民度や
本当の社会システムが垣間見える。


シンガポールは、いまなお香港と並ぶ
アジアの金融センターだ。
逆に言えば、金融しかない国でもある。


今後、人類が「利便性」や「私欲」のために、
体内にチップを埋め込むことに対し、
猛烈な反対がなされることは容易に想像できる。
特に、キリスト教の文化圏では反発が強いはずだ。
そこで台頭してくるのは、中国やインドなどの
非キリスト教圏だと僕は見ている。






engineer_takafumi at 14:03│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ ビジネスその他

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