2019年06月30日

予備校のノリで学ぶ大学数学

本日はヨビノリ たくみ 氏の
予備校のノリで学ぶ大学数学
です。


本書は教育系Youtuberとして、
理系の学部低学年をメインターゲットとした、
予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」
を書籍化したものです。

ほぼYoutubeの講義を再現するように作られており、
語り口や冗談まで再現されています。
その中でも、書籍になっているので、
読み手は自分のペースで読み進められます。

元のコンテンツの質が高いので、
期待通りの内容だと感じました。


個人的には、
超関数のところの説明が特にわかりやすい
と感じました。

「物理学者が勝手に使い出して」
というところが面白かったです。

大学生はもちろん、意欲のある高校生にも
お勧めできる一冊です。
大学数学で一番難しいことですが、
学びの見通しを立てることができるでしょう。



この本を通じて、一人でも多くの理系大学生の理系離れを
防ぐことができるのを心から祈っております。


いま知りたいものだけの情報を調べるために
他の余分な情報を削る。これが近似の心なんだ。


非周期関数の場合は連続した各周波数の三角関数の和で
考えるとうまくいくようになるんだ。
連続的な和、つまり積分でその形を表すことになる。


「物理学をやる上でこういう関数が欲しいな」
っていうことで、1923年からディラックという人が、
このδ関数を実際につかってはいたんだけども、
数学者たちは、
「そういう関数って数学的にはないんだよな」
って思っていたんだね。


シュワルツ理論の中では、適当な関数f(x)を持ってきたときに、
このf(x)にある関数をかけて積分した際に
有限の値になるようなものを超関数
って呼ぶことにしたんだ。


可換であることと、結合律をみたすことは
全くの別物であることが理解できたかな?


どんなに見かけの違う数学も、
「群の定義をみたす」という同じ代数的構造をもっていたら、
そのどれもが共通の性質をもつ。


群論について何も知らなかったら
「すごい偶然だなぁ、奇跡だなぁ!」
としか思わないんだけど、群論を知っている人からすれば、
「そもそも代数的構造が同じだから、この分野でもこういう性質をもつはずだ」
って思えるんだね。


データに対して一番それっぽい直線が引きたくなる。
そしてその、それっぽいを数学的にやろうというのが、
最小二乗法なんだね。


中心極限定理は誤差を数学的に評価する
背景になっている


円錐が球面から切り取る面積Sは
球の半径の2乗r^2に比例するから、
Sをr^2で割ると球の半径によらない量になるということ。


divってのはベクトル場に対して定義される量ということ。
divを理解できない人の多くは、単に
ベクトル場が理解できていないだけなので、
ここから詳しく解説したいと思います。


divの正体とは、別の言い方をすると……
1点を仮想的に覆うような直方体の中から出て行く量の合計


grad f の向きは、fの値が最も激しく変化する方向ってこと。






engineer_takafumi at 23:34│Comments(0) ★理系本の書評 |  ⇒ 数学

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