2019年05月26日
今日から使える物理数学
本日は岸野 正剛 氏の
今日から使える物理数学
です。


本書は理工系大学の低学年で学ぶ
「物理数学」を分かりやすく語った一冊です。
著者はX線回折や半導体を専門とする
数学を「使う」人のため、
ただ定理を証明するだけではなく、
その物理的意味に立ち入って解説するので
とても分かりやすいです。
微分方程式、ベクトル解析、複素関数、フーリエ解析と
主要な項目には触れられています。
これが新書300ページ強のボリュームで学べるのは
手軽でよいですね。学生がうらやましいです。
個人的には留数定理の解説が一番役に立ちました。
大学時代には計算はできても意義が
分からなかったのですが、その隙間が埋まりました。
大学で物理や工学を学ぶ学生にお勧めです。
難解な数学に道筋をつけてくれるでしょう。
今日から使える物理数学
です。
本書は理工系大学の低学年で学ぶ
「物理数学」を分かりやすく語った一冊です。
著者はX線回折や半導体を専門とする
数学を「使う」人のため、
ただ定理を証明するだけではなく、
その物理的意味に立ち入って解説するので
とても分かりやすいです。
微分方程式、ベクトル解析、複素関数、フーリエ解析と
主要な項目には触れられています。
これが新書300ページ強のボリュームで学べるのは
手軽でよいですね。学生がうらやましいです。
個人的には留数定理の解説が一番役に立ちました。
大学時代には計算はできても意義が
分からなかったのですが、その隙間が埋まりました。
大学で物理や工学を学ぶ学生にお勧めです。
難解な数学に道筋をつけてくれるでしょう。
物理数学で方程式という単語が出てきたら、
たいていは微分方程式のことです。
この公式を見つけたのはスイスの数学者・物理学者の
レオンハルト・オイラー(1707-83)だ。
彼は計算をしすぎたために、
過労により20代で片目を失い、
さらにのちに両目とも失明したが、
そのあとも勢力的に研究を進めたというから、
ものすごい人である。
強制振動による共振は建築物にとっては
恐ろしい現象です。
世界中ではこれまでに、
共振によるいくつかの大事故が伝えられています。
例えば、1940年には米国のワシントン州で、
タコマ橋という大きな吊り橋が、
ちょっとした風のために共振を起こして崩壊しています。
方向と大きさを合わせて表すツールとして
ベクトルというものがある。
語源はラテン語だそうだが、これを昔
「方向量」と訳した人があると聞いて、
なるほどと膝を打ちたくなった。
ポテンシャルの勾配によって、力が導かれる
回転とかrotというと、
どうしても鳴門海峡の渦巻きのような
マクロな回転を思い浮かべてしまうが、
本質は微分――つまり、微小な物体が
回転するかどうかにあることは注意すべきでしょう。
虚数とか複素関数といえば、
単に数学のためだけの抽象的な道具だろうと思いきや、
実はそうではなく、確かな実体をもって
活躍しているのだという事実にぶち当たる。
2本の数直線を使えば、2つの実数からなる
複素数zを表せるのではないか?
数学的に便利な性質がありますよと
ただ唱えるだけでは、
物理数学を実地に使おうとする人々には
空念仏にしか聞こえないことになってしまう。
正則関数f(z)を考える限り、
2曲線u(x,y)=Aとv(x,y)=Bは、
必ず交点で直角になっていることが
数学的にわかっているのです。
特異点のうち極というのは、関数f(z)がその近くで
1/(z-a)^n のようにふるまうような点aのことだ、
と教科書などには書いてある。
留数の定理を応用して実数の定積分を、
求めなさいという問題は、
複素関数論の練習問題として非常によく出題されます。
こういう計算が何の役に立っているかというと、
いろいろあるのですが、最も際立っているのが
飛行機を飛ばす流体力学です。
物理学や工学の分野では、
ここで述べた複素フーリエ係数cnは、
しばしばスペクトルと呼ばれる。