2019年06月26日
ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代
本日はアダム グラント 氏の
ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代
です。
本書は組織心理学者で、ペンシルベニア大学ウォートン校で
史上最年少の終身教授となった著者による一冊です。
「オリジナリティ」を探求することが本書の目的で、
学者らしく、科学的なアプローチが読みどころです。
読んでみると、オリジナリティについての常識が
ことごとく覆されていくのがわかります。
例えば、オリジナリティを発揮するためには
退路を断って、その道に飛びこまなければならない、
大衆に迎合してはならない、
先延ばしをしてはならない、
その道の専門家でなければならない、
先駆者でなければならない。
これらは全部間違いです。
その意外さに驚かされますが、
実験内容とその考察を読み進めるうちに
オリジナリティの本質が見えてきます。
また、会社の中間マネジメント層が
オリジナリティの芽を摘んでしまう、ということや
オリジナリティには多様性が必要であるという
我々が薄々感じていることに関しても、
科学的な分析が加えられ、その根拠やメカニズムを
学べるようになっています。
読み進めながら、人間の心理が理解できたことと、
この本を通じて、自分がオリジナリティを
発揮できることに興奮を感じる、そんな一冊でした。
個人的には、
ある分野でオリジナリティを発揮したければ、
その分野以外では確実な行動をとって、
感情の安定と社会的な安定を得なければならない
という部分が特に印象的でした。
サラリーマン副業とかが、まさにこれに当たりますね。
商品開発など、オリジナリティを求められる
職種の方には、強くお勧めしたい一冊です。
オリジナリティを発揮する正しい道を
知ることができるでしょう。
ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代
です。
本書は組織心理学者で、ペンシルベニア大学ウォートン校で
史上最年少の終身教授となった著者による一冊です。
「オリジナリティ」を探求することが本書の目的で、
学者らしく、科学的なアプローチが読みどころです。
読んでみると、オリジナリティについての常識が
ことごとく覆されていくのがわかります。
例えば、オリジナリティを発揮するためには
退路を断って、その道に飛びこまなければならない、
大衆に迎合してはならない、
先延ばしをしてはならない、
その道の専門家でなければならない、
先駆者でなければならない。
これらは全部間違いです。
その意外さに驚かされますが、
実験内容とその考察を読み進めるうちに
オリジナリティの本質が見えてきます。
また、会社の中間マネジメント層が
オリジナリティの芽を摘んでしまう、ということや
オリジナリティには多様性が必要であるという
我々が薄々感じていることに関しても、
科学的な分析が加えられ、その根拠やメカニズムを
学べるようになっています。
読み進めながら、人間の心理が理解できたことと、
この本を通じて、自分がオリジナリティを
発揮できることに興奮を感じる、そんな一冊でした。
個人的には、
ある分野でオリジナリティを発揮したければ、
その分野以外では確実な行動をとって、
感情の安定と社会的な安定を得なければならない
という部分が特に印象的でした。
サラリーマン副業とかが、まさにこれに当たりますね。
商品開発など、オリジナリティを求められる
職種の方には、強くお勧めしたい一冊です。
オリジナリティを発揮する正しい道を
知ることができるでしょう。
オリジナルな人とは
「みずからのビジョンを率先して実現させていく人」
である。
ファイアフォックスまたはクロームを使っていた従業員は、
インターネットエクスプローラーまたはサファリを
使っていた従業員よりも15パーセント長く勤務していたのだ。
最低所得者層は一貫して、
最高所得者層よりも「現状を支持する傾向がある」
なぜ、天才児は才能にも野心にもあふれているのに、
世界を進歩させるようなことを成し遂げられないのかというと、
「オリジナルであること」、つまり独自のことや
独創的なことを率先して行う術を学んでいないからだ。
スポットライトの下に無理やり引っ張り出されなかったために、
ユニークな夢を追求したり、公にしたり、宣伝したりしなかった、
ウォズニアックやミケランジェロ、キング牧師のような
有能な人たちがどれほどいることだろう。
真剣さがなく、入れ込みような足りないんじゃないか?
全力投球せずに無難なところを狙いすぎて、
失敗する運命にあるのでは?
だが実際は、そういう姿勢で臨んだからこそ成功したのだ。
リスクを嫌い、アイデアの実現可能性に
疑問をもっている人が起こした会社のほうが、
存続する可能性が高い。
そして、大胆なギャンブラーが起こした会社のほうが
ずっともろいのである。
ある一つの分野でオリジナリティを発揮したいのであれば、
その一つの分野以外のあらゆる分野で確実な行動をとって、
感情の安定と社会的な安定を得ないことには、
けっしてできない
オリジナリティを阻む最大の障害は
アイデアの「創出」ではない――アイデアの「選定」なのだ。
オリジナリティを発揮したいのであれば、
「もっとも重要なことは、とにかくたくさんつくること。
大量に創作することしかありません」
オリジナリティを正確に評価するには、
自分自身で判断しようとしたり、
上司に意見を求めたりするのではなく、
同じ分野の仲間の意見をもっと求めていくべきだとわかる。
いったん管理職の役割につくと、
批判的な視点を差しはさまないというのはむずかしく、
「偽陰性」判定につながってしまうのだ。
多くの科学者や起業家、発明家たちが、
芸術にまで教養の幅を広げることで斬新なアイデアを
見いだしているように、
文化的なレパートリーを広げることで誰もが
見識の引き出しをたくさんもつことができる。
ある特定の分野において経験がある先駆者であっても、
他分野での予測にも長けているかというと必ずしもそうではない。
オリジナリティを高めて成功するためには、
発明品は目新しいものでなくてはならないが、
同時に実用的でなくてはならない
過去に成功を収めている人ほど、
新しい環境に入ると業績が振るわないのだ。
可能性のあるアイデアを選べるようになりたいのなら、
相手がそれまでに「成功してきたかどうか」
を見るべきではない。
「どのように成功してきたのか」を
たどってみる必要がある。
弱点を前面に出すと、聞き手の警戒心がやわらぐ
ネガティブな点を示すことで、
皮肉にも相手がネガティブな点を思いつきにくくなる
一般に、ある考えに10〜20回くり返し触れると、
好感度は上昇し続けることがわかっている。
地位の低い人はオリジナルな行動をとることで
失うものはほとんどなく、逆に得るものばかりだ。
しかし、組織の大多数を占める中間層の立場は不安定だ。
ある程度の尊敬を得るようになった今、
集団における自分の地位を危険にさらしたくない。
地位を保つために、右にならえ式に調和し、
集団の一員として自分に価値があることを示すのだ。
中間層の保守性には、高い社会的身分を望みながら、
権利はく奪を恐れている人の不安が反映されている
オリジナルであるには、先発者である必要はない。
オリジナルであるというのは、ほかとは異なる、
ほかよりも優れているという意味である。
さまざまな創作者を研究したところ、
イノベーションには根本的に異なる二つのスタイルが
あることがわかった。
「概念的イノベーション」と「実験的イノベーション」だ。
概念的イノベーターは、大胆なアイデアを思い描いて
それを実行に移すというタイプだ。
実験的イノベーターは、試行錯誤をくり返して
問題解決を行いながら学び、進化を遂げていく。
ある特定の問題にとり組んではいるが、
とりかかった時点で具体的な解決策を
見つけているわけではない。
あらかじめ計画するのではなく、
進めていくなかで解決策を見いだしていく、
というのが実験的イノベーターだ。
実験的なイノベーションは、必要な知識とスキルの蓄積に
何年も何十年もかかるが、オリジナリティの源泉として、
より長続きする。
非常に似通っている者同士のわずかに違いこそが、
互いのあいだに違和感や敵意といった
感情を生み出す原因になっている
アイデアのもっとも過激な部分をあいまいにすることによって、
実現できそうにないことを実現できそうに見せた
他者の価値観を変えさせるのはむずかしいが、
自分たちの価値観と相手がすでにもっている価値観の
共通点を探し、結びつけるほうがずっと簡単である。
時として、自分のアイデアを聴衆受けするものに
「構成し直す」必要がある。
あとから生まれた子がリスクを冒す傾向があるのは、
野球にかぎったことではない。
このような違いは政治や科学の世界にも表れており、
社会的進歩および知的進歩に大きな影響をおよぼしているのだ。
第一子は大人の世界で育つ一方、兄や姉が多ければ多い子ほど、
ほかの兄弟から学ぶ時間が多いことを指摘している。
傍観者の親は、自分自身のために子供をルールに
したがわせることに重点を置いていたが、
救助をした人の親は、「自分の行動が人におよぼす影響」を
考えるようにうながしていた。
人柄を褒められると、
それを自分のアイデンティティの一部としてとり込む
「不正をしないでください」という言い方ではなくて、
「不正を働く人にならないで下さい」という
人格に訴える言い方に変えることで、
不正をする被験者が半分になったのである。
「飲んだら乗るな」よりも
「酔っ払い運転手になるな」としたほうがよい。
驚くべきことに、奇抜な目標を達成する
子ども向けの本がたくさん出版されると、
次の世代の人たちはイノベーションを起こす
可能性が高いという研究もある。
『ハリー・ポッター』を読むことで、
社会的なマイノリティの人たちに対する
子どもたちの姿勢が向上するとのことだ。
登場人物のハリーやハーマイオニーが、
純血の魔法使いでないために差別を受ける様子を目の当たりにすると、
子どもたちは同情し、現実に存在するマイノリティたちに対しても、
偏見を持つことが少なくなるのだ。
技能やスター性をもつものはいずれ去っていくが、
会社に対する「思い入れ」は息が長いのである。
会社の業績が低迷すればするほど、CEOたちは
「同じような視点」をもつ友人や同僚からの
アドバイスを求める傾向があった。
強い文化をつくり上げるためには、コアになる価値観の一つとして
「多様性」を掲げなくてはならない。
これは心理学者が「確証バイアス」と呼ぶ現象である。
人はどちらかを好んでいると、好んだものを支持する情報を探し、
それに相反する情報を見ようとしない。
解決策に焦点をあてすぎる文化は、
"弁護の文化"に偏ってしまい、探究心を削いでしまう
いつも答えを用意してくるよう求められていると、
人に話をする前に結論を出しているため、
広い視点から学ぶ機会を失ってしまうのだ。
会社の規範に優先順位をつけずにいると効力が落ちる
自分の感情を「興奮している」とした学生のスピーチは、
「落ち着いている」とした学生のものよりも
説得力が17パーセント高く、自信は15パーセント高いと評価された。
この状態でリラックスしようとするのは、
車が時速130キロで走っているときに
急ブレーキをかけるようなものだ。
車は惰性で走り続ける。
強烈な感情を抑圧しようとするよりも、
違う感情にすり替えるほうが簡単だ
不安を感じているとき、「不確実であること」は
ネガティブなことよりも恐ろしく感じられるようだ。
心理学者のノレムの解説によると、
いったん最悪の事態を思い浮かべると
「コントロール感が得られる。
ある意味本番がくる前に不安が最高潮に達している。
だからいざ本番になると、ほぼすべての対処がすんでいるのだ。」
自分が一人でないと感じるには、支持する人が大勢でなくてもよい。
現状を揺るがし、行動を変えないことで起きる悪いことを
強調する必要がある。
行動しなければ確実に損失がある場合は、
リスクを冒すことに魅力を感じるようになる。
「会社をつぶす」エクササイズは効果抜群だ。
まず利益に焦点をあてて考えたのちに、
損失の観点で問題を再構成することができるからだ。
「他者に対して」怒りを感じていると復讐心が生じるが、
「他者のために」怒りを感じていると、
正義やよりよいシステムをつくる動機になる。
先延ばしは生産性の敵ではあるが、独創の友でもある。
ダ・ヴィンチは何年かのあいだ描いては
中断して放置するということをくり返し、
15年以上の時間をかけて『モナ・リザ』を完成させた。
光に関する実験やその他さまざまな「余計なこと」
をしていたので、絵をなかかな完成できなかった
というのが従来の理解であった。
しかし、ある歴史研究者は、そうした「余計なこと」こそが
オリジナリティにとって不可欠であったと結論している。