2019年08月07日

なぜテーマパークでは朝から風船を売っているのか?

本日は清水群 氏の
なぜテーマパークでは朝から風船を売っているのか?
です。


本書の著者は、ディズニーランドとUSJ、
日本の2大テーマパークで社員として働き、
現在はテーマパークコンサルタントとして
活躍されています。

この本はそんな著者が、
テーマパークのビジネスについて書いた一冊です。

タイトルにもなっている、
朝から風船を売っている理由など、
ビジネスとしての意味がわかって
好奇心を満たしてくれます。

その中から、自分のビジネスにも役立てる
種を見つけられるかもしれません。

個人的には、
荷物をロッカーに預けてもらうために
伝える回数を8回まで増やした、
という話が特に印象的でした。


子どもがいて、テーマパークに行くことが多い
ビジネスパーソンにお勧めの一冊です。
テーマパークの見る目が変わって、遊んでいても
ビジネスの芽を探せるようになるでしょう。




二大テーマパークの人材育成の神髄とは、
「教育ではなく学習」です。


テーマパークのアトラクションは、本当に良く停止します。
ちょっとしたことでよく止まります。
なぜそんなに停止するのでしょうか?
自動的に止まることもありますが、一番多いのは、
従業員が止めることです。
とにかく危険だと判断すれば、
すぐに止めるようにトレーニングされています。


中が丸見えの遊園地は、「非日常」を味わえないので、
お客さんの満足度は見えないところと比べると低いです。
小さな遊園地でも、中が見えないように演出してあるところは、
お客さんの満足度は高いです。


お客さんが帰るときに確実に売れる環境をつくるために
朝から風船を売っているわけです。
朝から売っているというよりは見せているという感じですね。
帰るときに買ってくれると、風船は目立ちますので
街中で多くの人が目にします。
そうすると宣伝効果にもなります。


とりあえずとことんやってみて、ダメだったら元に戻そうと、
伝える回数を増やしていきました。
そうすると8回伝えたところで、
一気に落し物の件数が減ったんですね。
それだけ荷物をロッカーに預けていただいたということです。


このメリーゴーランドの棒は真鍮でできているのですが、
毎晩、真鍮磨きというもので1本ずつていねいに
磨いているのです


メリーゴーラウンドってテーマパークや遊園地の中でも
ケガが多いアトラクションなんです


ディズニーランドでは、『いらっしゃいませ』とは言いません。
『いらっしゃいませ』は従業員側からの一方向のコミュニケーション、
『こんにちは』は双方向のコミュニケーションになりますから、
ディズニーランドのコミュニケーションに対する考え方が
よくわかります。


仕事を知らない人にはマニュアルはつくれません。
しかし、仕事を知っている人がつくると、
どうしても、その人の常識で書いてしまいます。
そうすると、仕事を知らない人が欲しい情報が
抜け落ちてしまうことがよくあるんですね。





engineer_takafumi at 23:15│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ ビジネスその他

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