2020年03月21日

問題解決力を高める「推論」の技術

本日は羽田康祐 氏の
問題解決力を高める「推論」の技術
です。


本書は外資系のコンサルティングファームを経て、
現在は広告代理店で活躍している
著者による一冊です。

この本は「推論の技術」ということで、
帰納法、演繹法、アブダクションという
基本的なテクニックについて解説しています。

実際の仕事に直結するというよりは、
本当の考え方の基礎となる部分について
多くページが割かれています。

よく「仮説思考」だから仮説が大事だ
というようなことが言われています。

しかし、その仮説の作り方について
本当に詳しく書かれた本はあまりありません。

この本は帰納法や演繹法といった
基礎的な思考法から、
どうやって成果に結びつく仮説を生み出すか
ということが丁寧に書かれています。

じっくり読んでいけば、
論理的な思考力を身につけることができるでしょう。


個人的には、
詐欺師にとって最も騙しやすい人は、
実は「論理的思考力が高い人」だ
という話が特に印象に残りました。

この本の中でも、「前提が大事だ」
ということが繰り返し書かれています。
論理において「前提」の大切さを
あらためて認識しました。


ある程度、論理的思考には自身があるけれど、
さらに伸ばして仕事に使えるようにしたい、
という人にお勧めの一冊です。
論理的思考の技術をブラッシュアップし、
さらに推論力を高めることができるでしょう。





帰納法の推論が成立しているかどうかは、
次のように「なぜならば」という接続詞を使って
推論プロセスを逆算してみることで
簡単にチェックできる。


帰納法の頭の使い方4ステップ
STEP1: さまざまな事実に気づく。
STEP2: 複雑の事実の共通点を発見する。
STEP3: 結論や法則を見いだす。
STEP4: アナロジーを使って「法則」を応用する。


人は「自分が気づいた物事」だけが
「自分の世界のすべて」となる。
そして人は、自分が気づいた物事の範囲内でしか、
考え、判断し、行動することができない。


こういう人は
「遊ぶことでビジネスのヒントが得られる」
などと語ることが多いが、
これなどは遊びから得た「法則」を、
ビジネスという異なる分野に当てはめて
応用できる、という意味だ。


「帰納法のトレーニングのための時間をつくる」
のではなく
「今ある習慣の中に帰納法を組み込む」
のが賢いやり方だ。


帰納法は「例外」に着目すると、
時代をアップデートし、
新たな発想を生み出す種になる。


演繹法の頭の使い方3ステップ
STEP1: 「前提となるツール」を見極める。
STEP2: 「前提となるルール」に目の前の物事を当てはめる。
STEP3: 結論を出してチェックする。


詐欺師にとって最も騙しやすい人は、
実は「論理的思考力が高い人」だと言われる。
なぜなら、論理的思考力が高い人は、
いったん「論理」さえ納得すれば、
論理を成り立たせている前提を疑わなくなるからだ。


目的は同じでも「置いている前提」が異なれば、
互いの意見がかみ合うことは「絶対に」ない。


アブダクション
「起こった現象」に対して「法則」を当てはめ、
起こった現象をうまく説明できる
仮説を導き出す推論法


気をつけたいのは、せっかくあなたが発見した
さまざまな物事を「思い込み」や「決めつけ」で
処理し、推論を停止させてしまうことだ。


アブダクションの頭の使い方5ステップ
STEP1: 「起こった現象」に自覚的になる。
STEP2: 「起こった現象」に対して疑問を抱く。
STEP3: さまざまな「法則」を当てはめて仮説を導き出す。
STEP4: 仮説を構造化してさらなる仮説を導き出す。
STEP5: 「仮説」と「起こった現象」との間にある「因果関係」を検証する。


方針と施策を一貫させるには、
全体方針の策定に帰納法を活用し、
演繹法を使って個別方針い落とし込む
頭の使い方が必要となる。






engineer_takafumi at 23:05│Comments(0) ★一般書の書評 | ⇒ 仕事術、思考法・ツール

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